本澤二郎の「日本の風景」(4875)
<ムラ社会の差別化は21世紀のガン=自由・人権主義を抑圧>より、転載させて頂きました。
この世は天国どころか地獄ではないのか。奇跡の経済成長を実現した日本の今は、中曽根バブルが崩壊すると、夢も希望も一遍に消えた。そこから格差が社会に根付く。外国でもそうだが、ムラ社会では安直に受け入れられていく。
ムラ社会の特徴の一つは、自由や人権の意識が人々にないか少ない。克服する機会は、戦後の民主主義教育にあったのだが、当時の文部省の官僚や政治家は、民主主義について全く理解していなかった。ここにムラ社会存続の原因を見ることが出来る。
「二度と子供を戦場に送るな」という日教組運動のスローガンは、子供たちの細胞にまで届かなかった。ムラ社会にこびりつく差別主義が国の政策に影響すると、今の政治混乱を招き寄せる。
いい社会は「青い鳥」なのだろうが、ムラ社会を乗り越える、離脱しないと日本の前途は暗い。
このことを政党、たとえば自民党や公明党、さらには維新の体質と政策に当てはめると、分かりやすいかもしれない。今朝目を覚ますと、以上のようなことが頭をよぎった。日本の民主主義をさえぎる元凶はムラ社会ではないだろうか。
<上命下達・上命下服のムラ社会=原始宗教神道天皇中心社会>
児玉誉士夫の靴磨きをした中曾根康弘のことを自民党秘書から聞いた。まさかの事実らしい。
児玉には、カネと右翼思想と暴力がまとわりついていた。中曽根は児玉に服従して天下取りした人物で、民主的な観念はなかった。中曽根と児玉を取り持った人物が、読売のツネだったと、確か本人が著書で明かしていたようだ。中曽根のライバル・福田赳夫は、児玉の仲間の右翼と暴力を兼ね備えた笹川良一に支えられた。
児玉と笹川が支えた岸信介の満洲人脈が、今の自民党そのものといえるだろう。犯罪性が彩る「戦前の日本」に安倍も菅も、岸田も突っ込んでいる。森喜朗(早稲田の裏口組)のいう「天皇中心の神の国」である。その骨盤は原始宗教の神道。戦前と全く変わらない神道ムラ社会だ。
彼ら侵略戦争にのめり込んだ政財界の人物が、戦後も師事した怪人物が右翼の思想家・安岡正篤だ。宏池会の命名者で知られる。中国思想の陽明学の大家といい、漢籍に心酔した日本の為政者らが群がった。
共通項は児玉と笹川を除くと、出身大学が東京帝国大学法学部、いわゆる赤門勢力だ。
赤門の上命下達と上命下服という反民主の価値観が、神の国を律している。ここでいう「上」とは天皇だ。天皇が信仰する「神の国」に押し込まれている日本人。そこでは家族主義が支配の根源的価値となる。
敗戦で崩壊したはずだったが、朝鮮戦争を経て復活した財閥、そこから復活したA級戦犯勢力が、今の岸田内閣の進路を決めて突き進んでいる。一度失敗した神道・赤門勢力が二度目の敗戦に突き進んでいる。岸田は安倍や菅同様の赤門使い走り役。官房副長官の木原誠二(東大閥)の権力が突出している理由だ。
その木原がSOSを発している!
<官僚統制ムラ社会の頂点に君臨する赤門閥の差別化>
日本の資本主義は官僚統制ムラ社会である。この官僚とは東大法学部のことである。戦前の東京帝国大学法学部だ。
政党や大学や財閥それに教団もまた東大OBが居座る異様なムラ社会に気付いている国民も増えてきている。
最近になって、中山太郎の運転手から維新の代表になった馬場という政治屋が「維新は第二自民党でいい」とわめいた。高卒の知能故だけではない。
雑誌「月刊タイムス」に掲載した拙文を読んだ日本共産党のベテラン記者が電話してきた。彼らは小さな媒体とも付き合っていることに驚いたものだが、彼は維新の前代表だった松井一郎の父親が、笹川良一の運転手であった事実を知らなかった。そのことに驚いた。
笹川ギヤンブル財団と岸・福田・安倍の流れについて理解していなかったらしい。共産党も井戸の中の蛙大海を知らずかもしれない。そういえば、筆者は自民党派閥にのめり込んできた人物。共産党のことについて無知もいいところだ。
馬場は維新の第二自民党論のあとに「共産なくなったらいい」とも暴言を吐いた。これは本心である。岸も笹川も共産党退治のために統一教会を育てた。国際勝共連合も。維新は反共目的に笹川がその根っこを作り上げたものだと理解できる。教養が高いといえない維新代表の本音であろう。共産の反撃が注目される。
本題に戻る。戦前戦後の官僚統制は、東大主導を意味する。よく中国の国営企業を批判するジャーナリストは、日本資本主義の実態を知らないのであろう。東芝の原発政策の失敗は官僚任せの政策に乗ってしまった大きなツケだった。反省も謝罪もしない「天皇の官僚」による政策に起因する。所詮、生きた経済を分からない東大官僚任せでいいわけがない。学者馬鹿の日本銀行によって沈下する日本の価値は、いまや民衆の生活を破壊している。
ゼロ金利・円刷りまくりで膨大な利益を手にした財閥向けを今も踏襲して、国民を愚弄して恥じない。
<大敵は人々の非東大グループの団結=労働界を崩壊させた赤門>
一部の特権層のための神道ムラ社会の天敵は、人々の団結である。数の力を結集することでのみムラ社会は崩壊する。戦後の労働運動を破壊することで、神道・ムラ社会は元気を取り戻し、いまやA級戦犯が夢見た日本が目の前にある。43兆円の戦争準備は仮想ではない。台湾有事を現実化するために必死だ。死の商人は赤門閥が推進しているはずだ。
日本を再び奈落の底に追い落とそうとしている。そのための秘策が、マイナンバーカードという全国民の首に首輪をかける作戦だ。その先頭は決まって非東大組である。河野洋平の倅に白羽の矢を立て、猛進させている。太郎は洋平のような沈着で人権重視の観念が低すぎる。急ぎ辞任することを勧めたい。
神道・ムラ社会の天敵は、国民の団結が決め手となる。赤門追撃の決め手は、東大閥の包囲作戦を成功させることだ。民主主義は多数決で決まる。国民が団結することでしか、この神道・ムラ社会の差別を克服することは出来ない。自由で人権が尊重される社会にしないと、再び日本は惨状に耐えることは出来なくなろう。
2023年7月25日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
<iframe width="300px" height="250px" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" allowfullscreen="true"></iframe>
<button id="article-clap-button">拍手する
</button>
5
コメントを書く