教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

危ぶまれるパビリオン建設、万博の混乱が象徴する地方自治体の深刻な劣化

2023年07月24日 14時46分48秒 | ニュース

JBpress (ジェイビープレス)
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危ぶまれるパビリオン建設、万博の混乱が象徴する地方自治体の深刻な劣化 - JBpress
7 時間前 — 労務費や物価の高騰など遅れの要因は一つ!
2023.7.24(月)
植村 公一
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 常識では考えられない万博の建設現場
 巷間言われているように、日本における労働力不足は深刻です。とりわけ職人の高齢化が進む建設業界は大きな影響を受けています。

 職人など建設労働者の高齢化が進む一方、建設業界に就労する若者は増えていないため、建設業の就労者数はじりじりと下がっています。外国人建設就労者も徐々に増えてはいますが、建設労働者の減少を補うほどの存在ではありません。建設業界を挙げてロボテック化も進めていますが、道半ばです。

 2023年3月期のゼネコン決算を確認しましたが、建設受注高の減少を見込むスーパーゼネコンや準大手ゼネコンが見られるのは、人手不足で新規工事に向ける余力がないということでしょう。国内のクライアントに工事開始の先送りを要請しているゼネコンさえいる状況です。

 実は、パビリオンの建設遅れを受けて、インデックスにもパビリオン建設に関するプロジェクトマネジメントの依頼が殺到していますが、われわれとしても受注できる建設会社にある程度の当たりがついていなければ、中途半端にオファーを受けることはできません。

 もちろん、昨今の物価高に伴う資材費や労務費の高騰もあります。この1~2年で物価の高騰が進みましたが、万博に参加する国・地域が予算に物価上昇分を見込んでいないため、価格がまったく折り合っていません。ゼネコンの幹部に聞いても、「一見客を無理して受注するつもりはない」と口を揃えて言っています。

 また、大阪・関西万博が開催される夢洲(ゆめしま)は電力インフラや交通インフラが整備されておらず、建設工事や建設作業員の配置に手間と費用がかかることも、ゼネコン各社が二の足を踏む背景にあると見ています。

 夢洲に建設作業員を送り込むのに、万博協会や大阪府が手配するバスでピストン輸送する必要がある。そのバスの料金は一人1000円かかるうえに時間制限もある。電力がないので自家発電機も施工者負担です。

 ただでさえ人手が足りず予算も合わないのに、そんな現場をやりたいかという話です。現状や課題が把握できていないのではないか、と思わざるを得ません。JBpr
 夢洲に建設作業員を送り込むのに、万博協会や大阪府が手配するバスでピストン輸送する必要がある。そのバスの料金は一人1000円かかるうえに時間制限もある。電力がないので自家発電機も施工者負担です。

 ただでさえ人手が足りず予算も合わないのに、そんな現場をやりたいかという話です。現状や課題が把握できていないのではないか、と思わざるを得ません。
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マネジメント不在の大阪万博
 さらに、こういったリスクを踏まえた契約を締結する必要がありますが、相手は海外の国や地域のため、契約手続きは英語になります。パビリオンの建設に自国のデザイナーを起用したり、自国の商習慣を求めたりする国も多く、その後の施工でも英語でのコミュニケーションが求められます。

 そのための人材確保や、余計にかかる労力と時間も、ボトルネックになっているように感じています。

 ここ最近、万博関連の工事の遅れが盛んに報道されるようになったのは、危機感を持った日本政府が前面に出てきた結果だと認識しています。

「いまこの時代になぜ万博なのか?」という万博開催のそもそもの是非はひとまず脇に置いて、開催すると決めた以上は国の威信にかかわるため、ぜひとも問題解決にリーダーシップを発揮してほしいと思います。

 もっとも、工事の遅れは担い手不足や物価高、英語でのコミュニケーションなど複合的な要因が背景にあるため、政府が旗を振ったくらいでは解決しないというのが実態です。

 電力インフラや交通インフラが整備されていない夢洲の工事環境や英語でのコミュニケーションであれば、ゼネコン各社の尽力でどうにかなるかもしれませんが、労働力不足や参加各国の予算の話は個社でどうにかできる問題ではありません。

 こういった問題は、本来は万博協会や大阪府など行政サイドが交渉すべき問題です。そこがおろそかになっていることが、いまの問題を生み出した元凶でしょう。要するに、プロジェクトをマネジメントする体制ができていないのです。

 2005年に愛知県で開催された愛知万博のときは、愛知県とトヨタ自動車が主体性を持ってやり切りました。今回の大阪万博は、万博協会だけでなく、大阪府や関西の企業が率先して関わるプロジェクトだと思いますが、同じような体制になっていたのかどうかははなはだ疑問です。

 そう考えると、大阪万博を巡る今の混乱は、日本のマネジメント力の衰退と地方自治体のオペレーション力の弱体化を象徴しているのかもしれません。

 

 

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本澤二郎の「日本の風景」(4874) <快挙!参院行政監視委員会の青木愛委員長が袖ヶ浦市のフクシマ放射能汚染ゴミ埋設現場をじっくり視察>

2023年07月24日 14時38分02秒 | 国際・政治

本澤二郎の「日本の風景」(4874)

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本澤二郎の「日本の風景」(4874)

<快挙!参院行政監視委員会の青木愛委員長が袖ヶ浦市のフクシマ放射能汚染ゴミ埋設現場をじっくり視察>より、転載させて頂きました。

 昨夕袖ヶ浦市林地区の時の人・御園豊が、した。

311フクシマ放射能汚染ゴミ埋設事件追及の資料をどっさり届けてくれた。デジタル時代についていけない住民代表の汗かきは、ひたすら汗を流すしかない。筆者もスマホを保持しながら、連絡を取り合うアプリが消えてしまった。表示できても即座に広告映像に変わる。ウイルスか。アナログ人間はつらい。友人と自由に連絡さえ取れない。科学の弱点どころか、科学が地球と人を殺している21世紀である。近くに専門家がいない陸の孤島なのだ。林地区の放射能汚染ゴミに泣いている住民は、それにも屈せず放射能ゴミ撤去に向けて突進している。ようやくにして参院行政監視委員長の青木愛が、7月20日たっぷり時間をかけて現場を視察した。腐りきった行政機構を監視するという重い任務を、やくざと腐敗役人だらけの房総半島の恥部の現場に立った政治的意味は大きい。

 

 果たして房総半島に陽はのぼるのだろうか?「背後を、やくざ系のハマコーの倅(衆院議員・防衛相)やハマコーの運転手上がりの参院議員が固めている。警察も検察・公安委員会もじっとして動かない。法治のかけらもない」と悲嘆にくれる住民の小さな一歩だ。

 原子力ムラに制圧された悲劇過ぎる新聞テレビは、依然としてソッポを向いたままだ。「民主主義が機能するには、健全な言論と野党が存在することが不可欠である」とは平和軍縮派の宇都宮徳馬の至言だ。

 

 絶望が覆う房総半島の水道水問題に、日々の生活に追われている住民は気付いてはいない。無知を口実にして生きているに等しい。311のころの首都圏の住民は、一斉に天然水を買って子供たちに飲ませた。いまここでは一部の市民が水道水を拒否しているが、大半の市民は水道水を安全だと信じて、高いカネを払って飲んでいる。

 君津郡市や市原市の40万市民の水道水の小櫃川取水口では、数年前からシラスが捕獲できない。生存できない毒水ゆえであろう。しかし、行政はソッポを向いたままだ。

 

<千葉県と地元市の担当者はソッポ=地方自治崩壊を裏付ける事態>

 国会は国権の最高機関である。行政権や司法権に対して高位にある。

参院行政監視委員会は、国と地方の行政監視を任務としているに違いない。腐敗官僚や腐敗した行政組織に目を光らせている。

 国や地方の役人にとって一番怖い存在である。そのトップが袖ヶ浦市に入る!千葉県も袖ヶ浦市も震え上がった。委員長視察に従って、地元の事情をうまい具合に説明し、真実を隠ぺいすると思われていたのだが。

 やくざが大手を振っている千葉県は違った。「地元の住民と接触するのであれば行かない」と言いだし、その通りとなった。これは明らかに国と地方の機関が壊れている驚くべき証拠だ。青木も正念場に立たされた!

 

 頭が腐ると、胴体も手足も腐るというが、本当である。主権在民の民主主義の実態が備わっていない千葉県の地方自治。血税で高額の報酬を得ている官僚組織が壊れている。これも日本の危機を裏付けている。

 住民自治を約束している憲法違反の千葉県と袖ヶ浦市なのだ。

 

<市議会幹部は遊び視察で視察不参加が判明>

 7月20日に参院行政監視委員長が視察するというので、林地区の住民は、せめて市議会の議長・副議長の参加を求めて連絡を取ったが、取れないことがわかった。やむなく当人の携帯電話に連絡した。

 「いま四国。視察で時間がない」と断ってきた。

 

 霞が関や国会では、視察と称する海外旅行が繰り広げられている。悪役の代表となったのは河野太郎だけではない。遊びと税金無駄遣いの海外視察は、主権者を冒涜する行為だ。売国奴とののしる怒りの声も聞こえてきている。

 フクシマの現地に立つ国会議員はゼロだ。政治家がいない。利権アサリの政治屋ばかりである。

 

<国も地方も芯から腐ったリンゴ=住民の怒りは爆発=青木愛は命を懸けて放射能ゴミを撤去できるか>

 千葉県知事は確かに立憲民主党の支持を受けて当選したが、裏ではやくざ系自民参院議員とも手をつないでいた!地元住民の鋭い指摘に同意したい。前の知事の森田健作もひどかった。フクシマ汚染ゴミと関係していたとの疑惑が持ち上がっている。君津市の水源地では、産廃場に1万トン以上の放射能ゴミを埋設し、小櫃川の水を守る会と対決したが、法廷闘争で後者が勝ったという話を聞いたことがない。

 法廷には出世志向のヒラメ判事が多い。国民に目を向けた裁判官は、雨夜に星を見つけるのと同じくらい少ない。司法も腐っている。最高裁の腐敗は、深刻極まりないと健全な弁護士は指摘している。 

 第一、非戦の憲法に違反した43兆円の戦争準備に「やめろ」と一喝した最高裁判事は、一人もいない。このままなし崩し的に核武装国家へと突っ走るつもりだろう。神道・統一教会支配による自民党の危険な道筋の黒幕は、死の商人の財閥である。

 

 この憲法違反を阻止する小西洋之を立憲民主党は、憲法審査会から排除した。小西は立民で真っ当な政治家である。しかし、野党第一党の頭が臭い。自民党清和会と統一教会を支える笹川ギャンブル財団とつながっているとされる維新は、とうとう大阪のカジノと万博問題で疑惑が浮上している。

 国も地方もボロボロである。そんな中で、しばし、男勝りの青木の活躍を見守りたい気分である。

2023年7月24日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

 

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危ぶまれるパビリオン建設、万博の混乱が象徴する地方自治体の深刻な劣化 - JBpress

2023年07月24日 13時49分02秒 | ニュース

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危ぶまれるパビリオン建設、万博の混乱が象徴する地方自治体の深刻な劣化 - JBpress
7 時間前 — 労務費や物価の高騰など遅れの要因は一つではないが、根底にあるのは万博協会のマネジメント能力の欠如。 日本はオペレーションの高さを世界に誇ってきた ...

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本澤二郎の「日本の風景」(4873) <さらば海鮮料理の札幌=フクシマ東電猛毒トリチウム汚染水海洋投棄の前に人生最後の贅沢三昧>

2023年07月24日 00時20分28秒 | 国際・政治

本澤二郎の「日本の風景」(4873)

本澤二郎の「日本の風景」(4873)

<さらば海鮮料理の札幌=フクシマ東電猛毒トリチウム汚染水海洋投棄の前に人生最後の贅沢三昧>より、転載させて頂きました。

 どこの国も同じかもしれないが、日本人にも特に為政者に立派な人物がいない。ヒロシマ・ナガサキに原爆が投下され、数十万人の命が奪われた。中国侵略をやめれば日米戦争は回避されたが、好戦派の天皇ヒロヒトは決断できなかった。経済格差は明らかであったが、それでも強行した。国家神道(現在の神社本庁)と教育勅語に毒された為政者と若者にブレーキがなかった。

 

 それでも、核兵器開発を夢見たA級戦犯が権力を握ると、核の平和利用だとうそぶいて原子力発電所を次々と建設した。巨大地震大国の日本で54基もの原発を、利権化したうま味に官僚と政治屋が飛びついた。歴史の教訓を無視した結果、2011年3月11の東北大地震で、フクシマの東電原発が大爆発し炎上した。自業自得という。

 第二次世界大戦で日本と共に三国同盟を結んだドイツは、フクシマの惨状を知って即座に原発の廃炉を決断したが、過去を反故にしたA級戦犯内閣首相の孫は、内閣を組織すると、原発再稼働に舵を切った。目下、安倍晋三の原発推進路線をそっくり継承した岸田文雄内閣は、さらなる原発超大国を目指している。歴史の教訓を学ぶどころか、その逆をいく自公内閣の本心は、日本もまた米中ロに次ぐ核兵器大国に照準を合わせていると決めつけていいだろう。憲法を無視した愚挙である。

 

 そして間もなくフクシマの猛毒トリチウム汚染水を太平洋に30年かけて垂れ流す、それも8月だという。健康に生きたい人たちは、寿司も刺身も食べられなくなる。ならば最後の小さな抵抗は、北海道札幌でまだましな海鮮料理を食べよう、と秘かに決意した。

香港では、人気の日本水産物の売れ行きが落ち込んでいる。韓国や台湾でも影響が出るだろう。

 

 他人に迷惑をかけない点では、よくできた息子や孫が同行してくれた。安心して10年ぶり最後の札幌行きを敢行(観光)した。7月12日に羽田を発ち、15日に戻る楽しい食べ歩き!

 

<人間は食べるために働く=食に思い出を残す動物か>

 今振り返ってみて、冥途の土産というとまだはるか先の話だが、我が人生最高の贅沢三昧の3日間を過ごすことが出来た。その前の311の4日後に、フクシマ放射能に詳しい専門家が「315の午前10時から11時にかけて都内の戸外にいた都民は、かなり強い内部被ばくを受けた」と指摘してくれて驚いた。妻は2011年後半から咳が止まらなくなった。品川区の病院は咳喘息と診断、治療を受けたが効果なし。五反田の大病院で精密検査をすると、既に肺腺癌ステージ3。抗がん剤を処方されると、瞬く間に廃人同様になって、2013年11月23日に旅立った。非業の死だ。

 

 315の夫は、木更津市の埴生の宿にいたため315の被害を受けなかった。昨年1月、同じマンションの友人が突然、肺がんで急逝した。信濃毎日新聞OBのSさんも、それに時事通信OBのペンの盟友・長沼節夫さんも急性白血病で亡くなっている。大平正芳さんと同じ虎の門病院。日刊工業新聞OBの大野さんも。チェックするとかなりの知り合いが、2011年から沢山命を失っている。

 

 ちなみに東電フクシマ3号機は、東芝製である。原爆の原料でもあるプルトニウムを加工したMOX燃料を使用していた。中性子をまき散らす核爆発を起こしていた。東芝は次男・正文の命を奪った東芝病院を経営していた。反省も謝罪もしない東芝と縁が切れない遺族を強いられている。そう思っていたら韓国の徴用工問題も、日本財閥の反省謝罪なしに、韓国の右翼政権が韓国財閥の資金で処理すると言い出した。本丸の日本財閥には、反省と謝罪という文字がないのだ。

 日本財閥はフクシマ汚染水でも同じ手口で処理する。IAEAを買収し、トリチウム汚染水は「国際基準に合致している」という怪しげな言動で隣国を押さえつけようとしている。どうなるのか?

 

 もう寿司は食べられない。覚悟の札幌行きとなった。亡くなった妻の最期の言葉に「子供が沢山いてよかった」と。今回の札幌行きで同じ思いをした。

 

 人間も動物、動物は生きるために食べる。札幌の夏の海鮮料理と生ビールは、たまらなくおいしい。特に8月のトリチウム汚染垂れ流しを目前にして余計に腹に染みる。ただし、韓国人や中国人など海外の観光客は、間違いなく複雑な反応を見せるだろう。

 

 もうデジタルIT社会では老人は泳げない。子供や孫と一緒だから、おいしい寿司や刺身に舌鼓を打てる最後の機会となった。生ビールで喉を潤していると、間もなく海鮮料理が次から次へと運ばれてくる。お店の手際がいい。若い男性もいれば女性も。赤坂や新橋の高級料亭の仲居さんではないが。

 注文が振るっている。目の前のテーブルに小型のパソコンが置いてある。そこに多くのメニュ―が出ており、お目当ての料理をポンと押すと、厨房に瞬時に届く。注文するとすぐに料理が運ばれてくる。目を見張ってしまった。

 

<高谷治朗先輩もいない札幌、安倍晋三のススキノ無縁>

 10年ほど前に札幌を訪れた時は、懐かしい道新(北海道新聞)の元政治部長の高谷先輩と会うことが出来た。東京タイムズをやめたとき、お世話になった親切な人だった。

 筆者は、社長の徳間康快と中曽根後継問題で衝突した。岸信介の娘婿の安倍晋太郎を担いだことに、護憲リベラルの宮澤喜一がいいという筆者の間で対立、結局、辞表を出すことにした。このような時は退職金が少ない。「自民党派閥」(ぴいぷる社)を書いて、出版パーティーを開いた。当座の生活をやりくりするためだった。

 このとき真っ先に大学の先輩である高谷先輩に相談すると、彼は在京政治部長会の永久幹事の共同通信の松崎さんと相談し、出版会の発起人に全政治部長にしようと一決した。こんなことは前代未聞である。日本記者クラブの大広間で盛大に開催した。快挙である。このような例は後にも先にもない。

 

 こんなこともあった。自衛隊の対馬基地視察を、防衛庁が政治部長会に呼びかけてきた時のことである。宿は国民宿舎だった。朝食に水揚げされたばかりのイカが卓に花を添えた。高谷さんが早朝に、島に戻ったばかりの漁船からイカを手に入れたものだった。生きのいい魚を札幌で食べていた高谷先輩ならではの、さりげない思いやりだった。札幌の刺身や寿司は確かに最高の味だ。特に中トロには舌を巻いた。

 

 札幌は高谷先輩を思い出させてくれる場所だ。早稲田大学OBの長男は東京で生活しているのであろうか。次男・正文と同窓である。

 

<アイヌと沖縄の悲劇も重くのしかかる北海道>

 息子がとってくれた札幌のホテルは、駅近くの三ツ星ホテル。 

 円激安効果で外国人の観光客が目立った。韓国人が一番多かった。次いで中国人。欧米人は少なかったが、周辺の街並みは東京の日比谷か東京駅前のビル街に似ている。違いは空気か。車も東京に比べて少ないのがいい。

 

 新千歳空港から札幌間の快速電車が実に快適だ。東京と成田の快速よりも感じがいい。札幌の郊外を走っていると、このあたりで自由に猟をしながら暮らしていたアイヌ民族を思い出すと、やはり心が痛む。アメリカン・インディアンよりも厳しい運命に叩き込まれた。前回来たときアイヌ民族の歴史と伝統を残すという運動家に取材した。道新記者になっていれば、おそらくアイヌ研究にのめり込んでいたかもしれない。

 高谷さんは朝鮮問題だと聞いた。学生運動もしていたようだ。ノンポリではなかった。弱者への視点がジャーナリスト精神に不可欠である。安倍晋三は父親の北海道行きにカバン持ちでついてきて、よく知るススキノに飛び込んで修行した、と清和会OBに聞いた。我は今もってススキノと無縁。

 アイヌは東北の地にも沢山住んでいたようだ。アイヌの人たちの悲運を考えると、薩摩藩に侵略された琉球の沖縄の人たちの悲劇も思い出させてくれる。自立するための抵抗運動の原点は、やはり生きるための食糧に辿り着く。

 貴重な食糧源である海を放射能汚染水で、生き物を殺しかねない海洋投棄は許されるものではない。非は日本政府・東電にある!

2023年7月23日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

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コメント(1件)

 コメント 1

1.唐澤辰巳

 IAEA買収というニュースを最近全く見ませんがどうしたのでしょうか?中国や韓国も原発処理水を海に流していますが何故国際基準を満たしている日本の処理水に反対するのでしょうか?

 
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