『愛知大学昼間部学生自治会(山本雅之委員長、約4600人)の定例学生大会が11日、豊橋市町畑町の同大豊橋校舎で開かれ、大学がデリバティブ(金融派生商品)取引で118億円の損失を出し、その穴埋めのために学費値上げをする動きが出ていることに反対する決議などを可決した。学生大会には約800人の学生が参加し、山本委員長が「大学は、わたしたちの父母が苦労して払った学費をマネーゲームで損失し、本当に許せない」と訴えた。 また、「豊橋校舎から経済学部と国際コミュニケーション学部を名古屋駅前の笹島に移転する計画を進めているが、学生生活や学生自治を破壊することになる」と発言し、笹島移転反対も決議した。』読売新聞
愛知大学側がハイリスク、ハイリターンと言われている危険な金融商品取引に失敗して、損失を補填する為に大学の学費を値上げに転嫁するのは筋が通らないことです。愛知大学の学生や保護者に尻拭い、では大学側の損失責任問題が帳消しになるだけです。愛知大学側が、受験料収入の増加も望めず、入学金や授業料は値上げも出来ず、文部科学省補助金削減も有り大学経営が苦しくなり金融取引商品に利益を求めたのでは思います。昨年の9月16日のアメリカのサブライムローンに端を発したリーマンショックの影響で 、デリバティブ金融派生商品の取引で、118億円の損失を愛知大学が出してしまったのですが。同じく愛知県の南山大学は34億円、東京都の駒澤大学が154億円、立正大学が148億円、慶応大学が225億円の損失を出しました。慶応義塾大学の運用資産は、約1000億円と言われ評価損はだいたい2割の額に相当します。株式価値や外貨資産価値が急落する中評価損が2割で済めばまずまずではないかと専門家の指摘も有ります。慶応義塾大学が、創立150周年の記念事業の為に集めた募金は2008年12月22日現在で272億円有り、このまま評価損が損失として確定されると慶応義塾大学の寄付金の大半が吹き飛んでしまうとも言われています。(2009年3月期で<慶応義塾大学は保有有価証券の含み損が366億円に拡大した。)
駒澤大学は曹洞宗、立正大学は日蓮宗の宗教系の大学人なので、大学の経営基盤として大学の運営資金上の心配は無いと思いますが。金融派生商品取引で損失を出した大学は、今後入学金、授業料を値上げをするところが多くなるでしょうか。世界同時不況、未曾有の金融恐慌と言われる中、入学試験の受験料や入学金や授業料を上げるとどのような結果が出るでしょうか。入学金、授業料の減免制度を導入する私立大学が多くなっている中で、学費値上げをした愛知大学に学生が集まるかどうかは疑問です。深刻な不況下の日本で、学費値上げで保護者の経済的負担をこれ以上増やすような事をせずに学費の減免制度や大学としての支援、奨学金制度の拡充をすべき時では有りませんか。慶応大学は、週刊誌によれば学費4割り引きにすると言う時代です。金融商品取りきに失敗して、大学経営が破綻する大学が出て来ると今後思われます。私立大学は、文部科学省からの補助金交付を受けていますから、私立大学の経営の公開と財務内容の健全化を図る責任が有ります。私立大学の財務内容の開示、ディスクロージャーをすべきだと思います。健全な大学経営をしているの大学なら寄付金も安心して集まると思います。愛知大学は、東亜同文書院の卒業生が創立した伝統ある愛知大学ですから、卒業生や地元企業に協力求め大学経営の正常化を図るべきでは有りませんか。
愛知大学大学の歴史・ホームベージより引用
『愛知大学』の校名は単なる場所的な発想ではなく、フィロソフィア、つまり「知=智を愛する」という言葉に語源を持ち、創立者たちの”本学をして永遠に智を愛する者達の殿堂たらしめよ“との崇高な理念が込められている。
愛知大学の前身東亜同文書院(後に大学)は、1901年中国上海に設置され、日本の海外高等教育機関として最も古い歴史をもちます。当時貴族院議長であった近衞篤麿が、東亜同文会を設立。東亜同文会の理念は教育文化事業によって日中友好提携を成し遂げることにあり、そのための人材育成が東亜同文書院大学の設立目的でした。 アジア随一の国際都市であり、当時の文化や流行の発信地でもあった上海で、学問の自由を尊ぶ校風のもと、中国・アジア重視の国際人を養成。しかし、日本の敗戦によって東亜同文書院大学は中国に接収、半世紀にわたる歴史の幕を閉じたのです。その折、同大学最後の学長を務めた本間喜一(後に最高裁判所事務総長)は、新たな大学の設立を決意。1946年5月、本間学長の呼びかけに東亜同文書院大学の教職員、学生の多くが集い、同年11月15日に愛知大学は中部地区唯一の旧制 法文系大学として誕生しました。
建学の精神として「世界文化と平和への貢献」、「国際的教養と視野をもった人材の育成」、「地域社会への貢献」を掲げ、現在もその具現化に向けて、取り組んでいます 愛知大學設立趣意書
<西暦
| 月 | 項目
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| 1898 |
| 東亜同文会成立、会長近衞篤麿貴族院議長
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| 1901 | 5 | 中国・上海に東亜同文書院(政治科・商務科)設立
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| 1907 | 6 | 5期生より中国調査旅行開始
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| 1916 | 4 | 同文書院中国語テキスト『華語萃編・初集』出版
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| 1917 | 4 | 上海西郊の徐家匯虹橋路に新校舎完成
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| 1918 | 7 | 中華学生部新設<11月、第1次世界大戦終結>
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| 1920 | 10 | 書院20周年式典、修業年限4年に延長、『支那省別全誌』全18巻刊行完了、『支那研究』創刊
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| 921 | 7 | 専門学校令による外務省指定学校となる
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| 1926 | 3 | 近衞文麿、院長に就任。(~1931年12月)
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| 1930 | 12 | 書院生反戦ビラ配布、学生検挙事件
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| 1931 | 4 | 作家・魯迅が東亜同文書院で講義
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| 1939 | 4 | 大学予科1回生、160名入学
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| 12 | 東亜同文書院大学に昇格
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| 1944 | 2 | 本間喜一学長就任
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| 1945 | 8 | <第2次世界大戦終結>
敗戦により閉校。
中国側により接収
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| 1946 | 1 | 旧大学令により、
愛知大学設立。予科併設
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| 11 | <日本国憲法公布>
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| 1947 | 4 | 法経学部(法政科・経済科)開設
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| 1949 | 4 | 学制改革により、新制大学移行
法経学部(法学科・経済学科)、文学部(社会学科)設置
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| 1950 | 4 | 文学部・文学科増設
短期大学部第2部・法経科(豊橋・車道)、文科(豊橋)設置
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| 1951 | 3 | 私立学校法により、学校法人愛知大学に組織変更
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| 1953 | 4 | 大学院法学研究科・公法学専攻、経済学研究科・経済学専攻(各修士課程)設置
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| 1955 | 4 | 華日辞典編纂処(現、中日大辞典編纂所)設置
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| 1956 | 4 | 文学部・史学科増設/文学専攻科・国文学専攻設置
法経学部第2部(法学科・経済学科)設置
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| 1957 | 4 | 大学院法学研究科・私法学専攻(修士課程)増設
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| 1958 | 4 | 文学部・哲学科増設
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| 1959 | 4 | 短期大学部(女子)文科設置
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| 1961 | 4 | 短期大学部(女子)生活科増設
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| 1963 | 4 | 法経学部・経営学科、法学研究科・私法学専攻(博士課程)増設
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| 1966 | 4 | 法経学部第2部(豊橋)開講
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| 1968 | 2 | 「中日大辞典」刊行
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| 1977 | 4 | 大学院経営学研究科・経営学専攻(修士課程)増設
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| 1978 | 4 | 大学院経済学研究科・経済学専攻(博士課程)増設
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| 1979 | 4 | 大学院経営学研究科・経営学専攻(博士課程)増設
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| 1988 | 4 | 名古屋キャンパス(三好町)開校
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| 1989 | 4 | 法経学部改組 法学部1部・経営学部(名古屋)、経済学部1部・2部(豊橋)、法学部2部(車道)配置
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| 1991 | 4 | 大学院中国研究科・中国研究専攻(修士課程)、文学研究科・日本文化専攻、地域社会システム専攻、欧米文化専攻(各修士課程)増設
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| 1993 | 4 | 大学院文学研究科・地域社会システム専攻(博士課程)増設
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| 1994 | 4 | 大学院文学研究科・日本文化専攻、欧米文化専攻、中国研究科・中国研究専攻(各博士課程)増設
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| 1997 | 4 | 現代中国学部設置
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| 1998 | 4 | 国際コミュニケーション学部設置
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| 1999 | 4 | 文学部文学科改組。日本・中国文学科、欧米文学科配置
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| 2000 | 4 | 短期大学部学科名称変更
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| 2001 | 4 | 大学院法学研究科・公法学専攻(博士課程)増設
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| 2002 | 4 | 大学院国際コミュニケーション研究科・国際コミュニケーション専攻(修士課程)設置
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| 2002 | 10 | 文科省「21世紀COEプログラム」(国際中国学研究センター)採択
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| 2003 | 9 | 文科省「特色ある大学教育支援プログラム」(現代中国学部)採択
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| 2004 | 4 | 車道新キャンパス開校
法科大学院設置、法学部3・4年次生を車道キャンパスへ移転
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| 2005 | 4 | 経営学部・会計ファイナンス学科設置
文学部改組、人文社会学科設置
短期大学部改組、ライフデザイン総合学科設置
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| 2006 | 4 | 会計大学院設置
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| 2007 | 3 | 学校法人桜丘学園と相互提携協定を締結
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| 7 | 文科省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(現代中国学部)採択
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| 8 | 文科省「専門職大学院等教育推進プログラム」(法科大学院)採択
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| 2008 | 3 | 東邦高等学校と相互提携協定を締結
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