横浜市教育委員会は20日、いじめ防止対策推進法に基づく調査の結果、市立小中学校で計2件のいじめが認定されたと発表した。

 調査報告書によると、2018年度に小学6年生だった男子児童は、長期にわたり同級生から「ゴリラ」「きもい」などの悪口を言われる▽股間を殴られる▽尻をほうきでたたかれる――などのいじめを受けた。掃除の際、使用済み洗剤水を含んだスポンジを首筋付近で絞られ、服の中を汚されることもあったという。

 児童は1年生の時からランドセルを引っ張られるなどして心身の苦痛を訴え、2年生と3年生の時に保護者がいじめを理由に転校させたいと学校に申し出たが、許可を得られなかったという。6年生の時は18年12月から翌春の卒業まで欠席。中学2年生になった今も重度のストレス障害との診断を受け通院中という。

 市の「いじめ防止基本方針」では「学校いじめ防止対策委員会」を常設し、定期的に開催することとしている。だが当該小学校では常設されていなかった。調査報告書は、組織的な対応がされず、担任主導の場当たり的な対応に終始していたと指摘した。

 また、18年度に中学2年生だった男子生徒は、クラスのSNSグループが従来のものとは別に新しく作られたことで自分が外されたと感じ、心身の苦痛を受けたという。3年生に進級した19年春から卒業するまで不登校になった。(松沢奈々子)

転校を認めないのは、臭いものには蓋でいじめをもみ消し、隠して置きたいのが学校側の本音ではないでしょうか。

教育現場での子供の命と人権を大切にする教育人権論の大切さを忘れています。