Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

名探偵ポアロ ベネチアの亡霊

2023-09-25 | 映画(ま行)

◼️「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊/A Haunting In Venice」(2023年・アメリカ)

監督=ケネス・ブラナー
主演=ケネス・ブラナー ミシェル・ヨー ティナ・フェイ ジェイミー・ドーナン

アガサ・クリスティの「ハロウィーン・パーティ」を原作とする、ケネス・ブラナー=ポアロの第3作。前作の「ナイル殺人事件」がセット撮影や仰々しい演出だったから、次作はどうなるのかと案じていたのだけれど、オープニングからベネチアの美しい風景を満喫できる。コロナ禍がひと段落したこともあるのだろうか。

それにしても「ハロウィーン・パーティ」を舞台を変え、さらに「ベネチアの幽霊」とタイトルまで変えてホラー映画テイストにする趣向。ブラナー先生、ご乱心?。何を狙っているのかと心配になっていた。原作は未読だが、デビッド・スーシェのドラマ版は鑑賞済み。

ミステリー作家の女性から降霊会へと誘われるポアロ。彼女は霊媒師がすごいが、トリックがわからないと言う。その降霊会の後、霊媒師が殺害され、ポアロも危険に晒された。嵐が吹き荒れる中、屋敷に残された人々。彼らは屋敷にまつわる痛ましい過去から亡霊の仕業だと騒ぎ出す。果たしてポアロは犯人を見つけ出すことができるのか。

作家先生がドラマ版とは違って、前半はポアロの助手的な立場で事件に関わる。ポアロを世界で自分の次に頭のいい人物と言う、なんとも高飛車で自意識過剰な女性なのだが、後半は独自の推論を口にしてポアロの推理を混乱させる。しかしポアロにとっては、彼女も容疑者の一人。ドラマ版では、解決へのアイディアを出し、自分の推論を語って「小説ではありませんぞ!」と叱られる存在。

アップルボビングやハチミツなど原作にある要素を配置する一方で、登場人物の立ち位置や関係性は大きく改変されている。ドラマ版で印象的だった男と女の愛憎劇はなく、その代わりに心に残るのはホラー映画的な演出による全編の怪奇ムード。それでも人間関係を複雑に絡ませて、クリスティぽく仕上げているから、結末の謎解きは楽しめる。ドラマ版では、登場しないのに散々悪く言われる失踪中のメイドや、殺しの疑いをかけられる子供が本作では同名で登場するが、むしろ好意的な役柄に改変。ブラナー先生や脚本家は彼らに思い入れがあったのだろか。

医師親子を演じているのは、ブラナーの前作「ベルファスト」でも親子を演じたジェイミー・ドーナンとジュード・ヒル。霊媒師を堂々と演ずるのはミシェル・ヨー。こうしたこじんまりした舞台のクリスティ作品もいいけれど、「ABC殺人事件」や「死との約束」(「死海殺人事件」原作)を、ブラナーのポアロで観てみたい。





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ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE

2023-08-06 | 映画(ま行)

◾️「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」(2023年・アメリカ)

監督=クリストファー・マッカリー
主演=トム・クルーズ サイモン・ペッグ レベッカ・ファーガソン ヘイリー・アトウェル

この「デッドレコニングPART ONE」を観る前に、たまたまなのだが「キートンの大列車追跡」を観ていた。1926年の蒸気機関車のアクション映画と、2023年のオリエント急行で繰り広げられるアクションシーン。キートンは特殊撮影技術もない時代にこれを撮ったのか!!と、とにかく感激する。思えばイーサン・ハントのシリーズ第1作ではTGVが登場したし、鉄道を使った名作は数知れず。鉄道と映画ってほんとうに相性がいい。

どちらも鉄橋から列車が落下するシーンがあるけれど、トム君は簡単には落とさない。ギリギリ停まってセーフ!にせずに、畳みかける見せ場に繋がっているのが実に上手い。高所恐怖症の僕には、「ミッション:インポッシブル」シリーズはマジで心臓に悪い映画だ😰。今回も映画館の椅子にへばりついておりました💧。前作「フォールアウト」でも断崖の隙間に食い込んだ飛行機が少しずつ落下していくシーンがあり、従来横の空間が縦になる面白さがあった。今回はその発展形。スピルバーグは「ジュラシックパーク」の第2作で、本作の列車と同じように断崖にぶら下がったトレーラーの中をカメラが縦に駆け抜けるという妙技をやってのけた。あれも凄かったけど、トム君はその危機場面を繰り返す波状攻撃にしたんだから、すごいよな。

さらに予告編でおなじみのバイクスタント!高所恐怖症の自分は、クライマックスの恐怖感が強烈に残ってしまう映画でございました。これを4DXで観るなんて
無理!無理!無理!😱
映画料金おごってもらっても
固辞!固辞!固辞!😱
レビュー書いてるだけなのに、手のひらに汗が…💧。更年期?ww

シリーズ毎回新たなミッションが登場するけれど、ついにAIに立ち向かう大風呂敷広げてきた。このシリーズのプロデューサーとしてのトム君は、テーマや舞台の選び方、スタッフやキャストの人選まで時代をよく読んでると思う。使い途も分からない鍵だけを追って、よくここまで人が動くよな…とも思うけれど、もはや何が脅威になるかなんて予測不能な時代になっているとも言える。

レベッカ・ファーガソン、今回もカッコよかった。ローマの街を駆け抜けるカーアクションもど迫力。黄色のフィアット≒ルパン三世をイメージしてしまう日本人にはたまらない。鍵を狙って追ってくる組織は複数あって、対立関係も複雑なのに、お話の混乱もなくむしろスッキリしてるのは娯楽映画としてよく練られているということなのだろう。スパイ映画にベネチアはよく似合うと思うのは長年の007ファンの発想だろうか。

ともかく続編!待ち遠しい!😆




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メカゴジラの逆襲

2023-07-04 | 映画(ま行)

◼️「メカゴジラの逆襲」(1975年・日本)

監督=本田猪四郎
主演=佐々木勝彦 藍とも子 平田昭彦 大門正昭 内田勝正 

小学生の頃、長期のお休みに映画館に行くとなると、東映まんがまつりと東宝チャンピオンまつりの二者択一が目の前に。さぁー、どっちか連れて行ってやる!と言われたら、東映動画にどっぷりのロボットアニメ世代だし、民放2局の文化的僻地在住だったから、こういう機会でないと観られない作品が上映されてるのは断然東映。ゴジラ観たいよなぁーと思いつつも、チャンピオンまつりをスルーするお子ちゃまでした。てな訳でその時期の新作である「メカゴジラの逆襲」を観るのは今回が初めて。

前作でゴジラに葬られたメカゴジラの残骸を潜航艇が探していたところ消息が絶たれた。ボイスレコーダーに残った「恐竜だ!」のひと言。海洋研究所の一之瀬は、かつて学会を追われた真船博士が研究していたチタノサウルスだと考えた。真船博士の自宅を訪ねたが、玄関に現れた娘桂から父は死んだと聞かされる。しかしその背景には異星人の陰謀が隠されていた。

本作がシリーズワーストの興行収入だったことから、本作を最後にゴジラシリーズの製作は中止。84年の復活を待つことになる。されど面白くないかと言うとそれは違う。2対1と劣勢のゴジラがいかに勝利するかだけでなく、侵略者の企み、謎を追う国際警察と海洋研究所、桂を信じる一之瀬のラブ展開、真船博士の燃える復讐心、そして復活したメカゴジラの勇姿と見どころは多い。人間ドラマパートのシリアスな雰囲気は今の目線だから楽しめたのかな。

真船博士の娘を演ずる藍とも子は、「ウルトラマンレオ」で隊員の一人を演じていた女優さん。彼女がサイボーグ手術される場面では(明らかに不要なのに)フェイクの乳房が出てくるw。お子ちゃまを映画館に連れて行ったお父ちゃんはドキッとしたかも🤣。

それにしてもゴジラが日本に現れる必然性は全く語られない。チタノサウルスが現れたらゴジラが日本に向かってくるし、唐突に二人の子供が「ゴジラ助けて!」と叫んだら現れる。お子ちゃまのヒーローとしてのゴジラは極まった。




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マルサの女

2023-06-24 | 映画(ま行)

◼️「マルサの女」(1987年・日本)

監督=伊丹十三
主演=宮本信子 山崎努 津川雅彦 大地康雄 桜金造

伊丹十三監督の新作が毎年楽しみだった。それだけに亡くなった時はショックだった。監督第1作の「お葬式」観たのが高校卒業式の数日後。リアルタイムで観ている邦画の映画監督はたくさんいるけれど、こんなにハマった人はいない。「静かな生活」以外は全部観ている。「マルサの女」は大学時代。同時上映は吉永小百合主演「映画女優」。市川崑と伊丹十三の新作二本立てって、今思うとすごいな。

脱税を扱う映画なんて他に聞いたことないし、公開当時は自分がまだ納税者でもなかったから、本編に登場する脱税の手口、独特な登場人物たち、それに対抗する税務署の面々、そして大人の世界がただただ面白くって。税務署のお仕事映画としても、犯罪映画としても面白い。テレビで放送されるから、親に「これ面白いでぇ!」と伝えたら、ファーストシーンでいきなり老人がおっぱい吸ってるから、ドン引きされたっけ😅。

それからウン十年経って、ええ歳した社会人の目線でこの映画観ると、あの頃とは気になるポイントが違う。登場人物を深掘りしてしまうのだ。男性中心のあの時代にシングルマザーでハードワークをこなす板倉亮子。私生活は描かれないが物語の裏で辛いことあるんだろうな、と想像してしまう。それだけに権藤の息子太郎が叱られて家を飛び出す場面でのやり取りで感じる温かさは、公開当時の自分には十分に分からなかっただろな。架空名義の口座はないと言い張る銀行は悪として描かれるけれど、個人情報など難しいことが言われなかった時代のユルさ。「泣いて百万でも二百万でも助かるんならいくらでも泣いてやる」と伊東四朗が電柱に抱きついて泣く場面は、あの頃はただ笑ってたけれど、今ならその気持ちも分からんではないw。

そしてラストシーン。初めて観た時は、権藤が単に観念したんだと思っていた。けれど今観ると税をめぐっては対立する関係でありながらも、お互いを認め合っていることが無言でも感じられるのがいい。酒場に亮子が忘れていったハンカチを権藤が持っていて、それに血文字で番号を記して亮子に返す。あんたに一目置いている、息子のことで感謝している、でも自分を追い詰めた相手、暗証番号は教えるのは観念してるのだけど、些細な抵抗と別れのサイン。改めて台詞の少ないこのラストにシビれた。

本多俊之の有名なテーマ曲。5拍子に艶のあるソプラノサックス。





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劇場版マジンガーZ/INFINITY

2023-06-02 | 映画(ま行)

◼️「劇場版マジンガーZ/INFINITY」(2017年・日本)

監督=志水淳児
声の出演=森久保祥太郎 茅野愛衣 上坂すみれ 花江夏樹

「マジンガーZ」は70年代の巨大ロボットアニメブームの火付役。それまでのアトムや鉄人28号と違って、パイロットが搭乗して操縦するのは画期的で、男子の力への憧れ、変身願望を満たしてくれる重要な作品だった。その後日談として製作された新作。

光子力が社会を支える重要なエネルギーとして平和利用される未来が舞台。弓教授は総理大臣になっており、研究所はさやかが引き継ぎ、主人公兜甲児は研究者となっていた。富士山麓に突如現れた巨大な建造物と美少女姿のアンドロイド。蘇ったドクターヘルと機械獣たちが再び世界を襲う中、兜甲児は再びマジンガーで立ち上がる。

マジンガーZのアニメを毎週見て、ズタボロにやられる劇場版を映画館で観てショックを受け、雑誌テレビマガジンの付録?全プレ?のグレートマジンガーの銀色のカードを手にしてキャアキャア言ってた小学生だった。本作「INFINITY」には、こうした旧作への敬意がきちんと払われているのが好感。もりもり博士の遺影がチラッと登場するのもナイス。

巨大ロボットものもいろいろあるけれど、技や武器の名前を毎回叫ぶのはマジンガーがルーツ。改めて聞くとこれが気持ちいい。少年の気持ちに戻って叫びたくなる。ガンダムはビームサーベル!とか叫ばないもん。視聴者の気持ちを巻き込む仕掛けとして素晴らしい。それにロボットアクションの場面の面白さは、他のアニメとは違う。マジンガーを拘束する機械獣をロケットパンチで弾き飛ばしたり、ホバーパイルダーを一旦切り離して窮地を脱したり、技やマシンの性能をフルに使うアイディアは、弾を撃ちまくるだけのロボットアクションとはひと味違う。さすがは東映アニメーション。量産型マジンガーが、ガンダムのジムみたい。シローが乗ってるのはちょっと感慨深い。

東映まんがまつりの「暗黒大将軍」を彷彿とさせるダメージを負ったマジンガー。その窮地は全人類世界規模の力添えで立ち向かう。こういう展開、日本アニメはほんっと好きだよねー。「エヴァ」のヤシマ作戦にしても、「サマーウォーズ」のアバター大結集にしても。いや、東映がやってるんだもん、これは「ドラゴンボール」の元気玉の発展形なんだろうw。

永井豪作品つきもののお色気担当は、マジンガールズなる戦闘アイドルに託されていて、表現が露骨なのがちょっと残念。弓さやか好きのオールドファンとしては、さやかの露出こそお約束なのにーぃ🤣。

水木一郎アニキの歌声に気持ちがアガる。ご冥福を改めてお祈りします。







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未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活

2023-05-30 | 映画(ま行)

◼️「未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活/Dona Flor e Seus Dois Maridos」(1978年・ブラジル)

監督=ブルーノ・バレット
主演=ソニア・ブラガ ホセ・ウィルカー マウロ・メンドーサ

ブラジル製作の艶笑コメディ。ヒロイン、フロールの夫はカーニバルの夜に死んだ。夫はどうしようも無い遊び人だった。その後、フロールはやさしい男性と結婚したのだが、ひとつだけ不満があった。セックスである。悶々とした日々を送る彼女の前に、一周忌を迎える前夫の幽霊が現れた。しかも全裸で。彼女は再び夫と抱き合った。もうこの悦びを離したくない….。

ブードゥー教の呪文で消えかかる夫を呼び戻す場面が面白い。そして、3人並んで群衆の中に消えていくラストシーン(のお尻)は強烈なイメージとして記憶している。

ヒロインを演ずるのは、ブラジルの美人女優ソニア・ブラガ。この作品の後、ハリウッド資本の「蜘蛛女のキス」や「ミラグロ」などに出演。最近「ワンダー 君は太陽」に主人公の姉が悩みを相談するお婆ちゃん役で出演している。


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メテオ

2023-05-20 | 映画(ま行)

◼️「メテオ/Meteor」(1979年・アメリカ)

監督=ロナルド・ニーム
主演=ショーン・コネリー ナタリー・ウッド カール・マルデン ブライアン・キース

隕石が地球に落ちてくる話はたくさんあるけど、いったいどこがルーツなんだろう。おそらく「地球最後の日」だろか。50年代に映画化もされているが、僕が初めて触れたのは小説だった。小学生の頃に確か祖母から本をプレゼントされたのだ。地球から脱出する宇宙船、衝撃のクライマックスにビビリあがった僕は、それ以来本棚で背表紙見るのも怖くなってw。そんな話はこりごりだ、と思っていたはずなのだが、中坊になって叔父が隕石が地球にぶつかる映画に連れて行ってくれると言うので、喜んでついて行く。それが「メテオ」。

ショーン・コネリー、ナタリー・ウッド、カール・マルデン、米国大統領にヘンリー・フォンダ。まだ中坊だったから映画の知識は乏しかったけれど、少なくとも他の映画でも名前があがり、何かで観たことのある人たちだとは理解していた。007はもちろん、ナタリー・ウッドがヒロインの「ウエストサイド物語」は既に好きだったし、ソビエトの科学者を演ずるブライアン・キースが出演したドラマ「遥かなる西部」を中坊の頃真剣に見てたし。

「地球最後の日」の悲壮感、「妖星ゴラス」の荒唐無稽な展開、「ディープ・インパクト」の人間ドラマ、「アルマゲドン」はまあ置いといて、「ドント・ルック・アップ」の人間の醜さ。隕石が地球に落ちてくるといろんな物語がスクリーンの上で展開されてきた。「メテオ」は何が面白いかって、製作当時は東西冷戦真っ只中。そんな時期に米ソが協力して危機に立ち向かう映画というのが盛り上がる最大の要素だ。

ショーン・コネリー演ずる主人公は宇宙からの危機に備えるために人工衛星にミサイルを積む開発に携わった。しかし、不本意なことに軍事転用されてしまう。そこへ隕石衝突の危機。「メテオ」が他の作品と違うのは、デカいのが一つ落ちてくるだけじゃなくて、規模の小さなものも落ちてくる危機があること。最大の隕石に立ち向かう作戦が進む中で、基地のあるニューヨークに別の隕石が近づいてくるのだ。

ソ連が同様の核ミサイル衛星を持っていることを明かし、奇跡のタッグが実現。巨大隕石に真っ赤なソ連のミサイル、白いアメリカのミサイルが向かう場面が印象的だった。特にソ連のミサイルが登場すると、ロシア民謡みたいなメロディの劇伴が流れるのがいい。音楽担当ローレンス・ローゼンタールのいい仕事。

80年代にテレビ放送後、現在DVD化も配信もリバイバルもないとのこと。今観ると特撮はチープだし、話にも無理があるけど、あの時代にいろんな意味で頑張ってた映画だと思う。




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メイド・イン・ヘブン

2023-04-16 | 映画(ま行)

◼️「メイド・イン・ヘブン/Made In Heaven」(1987年・アメリカ)

監督=アラン・ルドルフ
主演=ティモシー・ハットン ケリー・マクギリス モーリン・ステープルトン

もう一度観たい!と切に望んでいるのだが、この映画DVD化されていない。アラン・ルドルフ監督が手がけたファンタジー映画、「メイド・イン・ヘブン」である。

天国で出会った男女。二人は一緒にいることを望むのだが、女性はベビーとして生まれ変わることに。男性は自分も生まれ変わることを願い出る。30年以内に彼女とめぐり逢うことを条件に彼もベビーとして再び生まれた。二人は再び地上で会えるのか。

課せられた条件というお膳立てが、ハラハラ、ワクワクさせる。音楽ファンにはニール・ヤングやトム・ペティが出演しているのも見どころ。「トップガン」翌年のケリー・マグギリスと誠実そうなイメージ通りのティモシー・ハットン共演。

レンタルビデオで観たのが最後。今観る手段ないのかなぁー。


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(本)噂のストリッパー

2023-03-25 | 映画(ま行)

◼️「(本)噂のストリッパー」(1982年・日本)

監督=森田芳光
主演=宮脇康之 岡本かおり 三崎奈美 太田あや子

70年代に名子役として人気があった宮脇康之。「ケンちゃん」シリーズは子供の頃に見ていて、家には「ケーキ屋ケンちゃん」の主題歌が収められたオムニバスのLPレコードがあった。ドラマの記憶はおぼろげだけど、主題歌は歌えるレベルで覚えているw。

そんなケンちゃんがにっかつロマンポルノに主演した作品で、森田芳光が監督・脚本、助監督は那須博之。高校生の頃「ロードショー」誌に載った紹介記事で、存在は知っていたけれど今回が初鑑賞。2023年3月でサービス終了となるGyao!で配信を見つけた。

ステージで流される昭和歌謡の数々に時代を感じる。オープニングタイトルでは平山美紀の「真夏の出来事」。ヒロイン岡本かおり演ずるグロリアの登場する舞台では、アン・ルイスの「リンダ」が彼女のテーマソングとして繰り返し流れる。竹内まりや作詞作曲、山下達郎のコーラスが美しいこの曲。近頃のシティポップス再評価で巷で聴くことも多いだけに、こんな場面で使われているのか…😟とビックリ。

周りの踊り子さんたちの「はい、いらっしゃーい!」って明るいキャラとは違って、岡本かおり演ずるグロリアはやや控えめ。しかしプロに徹したいのとお金の為もあり、映画のクライマックスでは"まな板ショー"までするようになる。ケンちゃんはその虜になっていく。

配達バイトで知り合った女性といい仲になるケンちゃん。「蛍の光」を1日の終わりに聴きたがる不思議なキャラの女性だ。ところがグロリアが地方巡業から浦安劇場に戻ったのを知って、「恋人が戻ってきたから別れよう」と言い出す。彼はもはやストーカーではないか😰。

ケンちゃんの声かけを無言でかわすグロリアの冷たさ。ラストはちょっと切ない。ロマンポルノとしての見せ場と青春映画ぽさが同居する。

※タイトルは「まるほん」と読む。





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ミクロの決死圏

2023-01-26 | 映画(ま行)

◼️「ミクロの決死圏/Fantastic Voyage」(1966年・アメリカ)

監督=リチャード・フライシャー
主演=スティーブン・ボイド ラクウェル・ウェルチ ドナルド・プレゼンス アーサー・ケネディ

少年だった頃、児童書でこの映画が紹介されているのを見た。多分小学館の「なぜなに学習図鑑」じゃないかと思う。潜水艇で人体に入っていくお話がカラー写真付きで紹介されていて、すげえ映画に違いないと心に焼き付けられた。中学生の時分に伯父の家を訪れたら、書斎の本棚にハヤカワ文庫、名だたるSF小説がずらりと並んでいて歓喜。何冊か持って行けと言うので、迷わず選んだのはアイザック・アシモフによる小説版「ミクロの決死圏」だった。映画を初めて観たのもその頃だったかな。

新たに開発された物質をミクロ化する技術。これをさらに発展させる方法を知る科学者を東側から迎えた。ところが到着後襲撃に遭い、脳内に怪我をしてしまう。潜水艇をミクロ化して血管から患部に近づき、レーザーで治療する作戦を実行することになる。ところが5人の乗組員の中にスパイが?

困難な任務というスリルに疑心暗鬼を誘うスリルの相乗効果。危機また危機。そして何よりも誰もが見たことのないミクロサイズから見る人体。SFX技術やCGのない時代に工夫を凝らした映像が面白い。リチャード・フライシャー監督は、常に挑戦的で誰も手がけないような題材にも挑んできた人。

現代医学なら血管内視鏡の技術である程度やれちゃうのでは?と考えてしまう自分がいる。その考え傍に置いとけw。






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