Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

チャーリーとチョコレート工場

2005-09-17 | 映画(た行)

■「チャーリーとチョコレート工場/Charlie And The Chocolate Factory」(2005年・アメリカ)

監督=ティム・バートン
主演=ジョニー・デップ フレディー・ハイモア ヘレナ・ボナム・カーター

 ジョニー・デップはかつてラッセ・ハルストレム監督の「ショコラ」に出演した。ジュリエット・ビノシュに「あなたに似合うチョコレートはこれね」と言われて、小粒のチョコを口に含み不思議な表情をした。実はジョニー・デップはチョコレートが苦手!。あの場面の表情はマジだったのだ。そんな彼が演ずるのは世界最大のチョコレート工場を持つウィリー・ウォンカ氏。これは因縁なんだろうか。しかし、ここでもデップはこの特殊なキャラクターを見事に演ずる。上沼恵美子のように饒舌で、つんくのようにアイディア満載で、TMレボリューションのようにド派手なキャラ(もちろんルックスも近いのだが・笑)。「シザーハンズ」の目の演技も素晴らしかったけど、ここでは豊かな表情でウォンカ氏の喜怒哀楽を表現する。うーん、素晴らしい。父親(クリストファー・リーってところが素敵!)と再会する場面の感情を抑えた表情。不器用な親子愛を感じさせるじゃない。

 ロアルド・ダールの原作に家族愛というスパイスを効かせてつくられたこの映画。原作を読んで劇場に足を運んだ方は、チャーリーが工場から家族の元に戻ってからの展開に驚くことだろう。でも一方的に幸せを手にする原作のラストよりも、ウォンカ氏の心も救済されるこのラストが僕は好きだ。わがままな子供達に手を焼く情けない親たちの姿からも家族って何だろうと考えさせられもする。ジョニー・デップみたさに劇場に訪れたお母さんよ、あなたはバイオレットのお母さんになっちゃいないか?お父さんよ、娘に言いなりのベルーカのお父さんになっちゃいないか?ソフト化されたら子供と観よう。きっと親子で楽しめるはずだ。

 まぁしかしそんな堅いことは抜きにして老若男女この映像美に酔いしれるがいい。これはそういう映画だ。日常生活を忘れさせてくれる。原作を読んだとき、ティム・バートンらしい題材と思ったが、映画を観てますますそう思った。今のハリウッドでは彼にしか撮れないだろう。前作「ビッグ・フィッシュ」で大人の表情をみせたティム・バートン。前作も素敵な映画だったけど、今回の突き抜けた面白さは最高。ウンパ・ルンパ族を演ずるディープ・ロイの顔が頭から離れないっ!。今夜はきっと夢に出てくるゾ。音楽のダニー・エルフマンはいつもミステリアスなスコアから、80年代のオインゴ・ボインゴ時代を思わせる楽曲、70年代テイストのロックナンバーまでとにかく大活躍。

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