明日に架ける橋 サイモン&ガーファンクル Sony Music Direct 2003-12-17 売り上げランキング : 13,792 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
あれは中3の3月。高校入試を終えた翌日だった。合格発表まで中1日あって何もすることがない。親はだめだったときのことを考えるべき・・・みたいな顔していたけど、家であれこれ考えるよりも映画観たいな・・・と思った僕は雨が降る中映画館へ出かけた。親は玄関を出る僕に、「あんた、余裕だね」と嫌味?ととれる言葉を投げたのだった。大分のセントラルロキシーでは2本立てが上映されていた。1本はニュートンファミリーの主題歌 Smile Again が懐かしいカナダ映画「イエスタデイ」、そしてもう1本はダスティン・ホフマンの「卒業」だった。
今思うと「卒業」ってとんでもないお話だ。人妻ロビンソン夫人との不倫から始まって、ストーカーまがいの主人公の行動、そして花嫁強奪まで、やりすぎだろ?と思えることばかり。でも僕はその「卒業」にたまらなく魅力を感じた。大学は出たけれど何をしていいかわからない主人公が、高校進学の進路決定を明日に控えた自分と重なったのか、その日の気持ちは覚えていない。でも帰り道に僕はレコード店でサントラ盤を手にしていた。それがサイモン&ガーファンクルとの出会いだった。
以来僕の尊敬するアーティストの筆頭はビリー・ジョエルとポール・サイモンとなる(フィル・ラモーンつながり?・笑)。ちょうどS&Gはセントラルパークのコンサートが行われた頃。2枚組のライヴアルバムも発売された頃だ。僕は代表曲を多数演奏したこのライヴ音源に聴き入った。S&Gのアルバムは「パセリ、セージ、ローズマリー・アンド・タイム」や「ブックエンド」など好きなアルバムばかりだ。でもやはり最も好きなのは「明日に架ける橋」。不滅の名曲たるタイトル曲、ボクサー、フランク・ロイド・ライトに捧げる歌 などいい曲が多いよね。ステレオのある部屋にこもって、アート・ガーファンクルなりきりで高音を張り上げていたのは、僕です(恥)。
僕はその頃からオリジナル曲を作るようになる。そして誰かのために曲を捧げる、という行為に憧れていた。逆に「私のために歌を作って」と言われたら最高だ。これは当時僕が心底思っていたこと。しかもそれがこんな台詞であったなら・・・僕はもう何もいらない。
「ねぇ、私のポール・サイモンになって」