■「レッドクリフPartII-未来への最終決戦-/赤壁 (Red Cliff PartII)」(2009年・中国=アメリカ=日本=台湾=韓国)
監督=ジョン・ウー(呉宇森)
主演=トニー・レオン 金城武 チャン・フォンイー ヴィッキー・チャオ
「Part1」を劇場で観たくせに「Part2」を長らく放置していた。実は僕、今だから言うけど「三国志」が苦手(汗)。そもそも高校時代から中国史は苦手中の苦手。ヨーロッパ史に出てくる人物名はすらすら出てくるのに、中国史は何度読んでも王朝名と出来事やら皇帝が一致しなかった。ましてや「三国志」は、ただでさえ登場人物が多いのに、似たような名前のもいるわ、相関関係が複雑だったり。せめてアニメ版でも見ておけばいいのだろうが、横山光輝版のアニメは地元大分は放送されなかった。「Part1」を観る前に、基本知識がないと・・・と中学生向け文庫で予習したくらい(恥)。最近は、中学生の息子がその「三国志」文庫を読破して、僕よりはるかに詳しくなっている始末。
概略的なストーリーは理解した上で「Part2」に挑んだ。アクション映画はお得意のジョン・ウー監督だが、往年のスペクタクル映画みたいなおおがかりな映画を撮ってみたかったんだろうね。実に丁寧な編集と俯瞰や遠景・近景を交えた撮影で、今何がどう動いているのかがきちんとわかる。近頃のアクション映画って、編集があまりに細かくてカットが次々に変わっていくので何がどうなっているのか理解できないこともある。ジョン・ウー監督は、アクションシーンは苦労して撮っているのだから、観客にもじっくり楽しんでもらいたいのだろう。お得意のスローモーションもその手法のひとつなんだろうけど、ジャッキー・チェンみたいに同じアクションを何度もスローで見せたりせず、くどくないのがいい。
それにしても、「レッドクリフ」は三国志ファンには不評のようだ。僕程度の知識でも、曹操を満場一致で逃がしちゃうラストがおかしいのは理解できる。改変は表現の自由だからいいにしても、観る側にとってはこのオチは納得できない。川を挟んでにらみ合う両軍の緊張感も間延びして感じてしまう。だが、赤壁の戦いを大スケールで映像化できたこと自体は偉業と言っていいだろう。
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