■「スターウォーズ エピソード1:ファントム・メナス3D/Starwars Episode1 - The Phantom Menace 3D」(2012年・アメリカ)
監督=ジョージ・ルーカス
主演=リーアム・ニーソン ユアン・マクレガー ナタリー・ポートマン ジェイク・ロイド
エピソード1が公開された1999年。いろいろ思い出すことがある。北九州市に初めてシネコンがオープン。僕がそこで初めて観たのはこのエピソード1だった。予告編が日本で初めて放送されたのは、確か「ニュースステーション」の番組内。翌日の朝、僕が担任していたクラスの男子たちの話題もエピソード1。彼らは”なんかすごいものを見た””あれは何なんだ”とわくわくした雰囲気で話していた。教卓に向かった僕は、彼らにこう言った。「それに関して語ってやりたいことは山ほどある。でも、まずやるべきことをやろうか!」と言って出席をとったっけ。そしてその年、僕は父親になった。その子は後にブログでルークと呼ばれることになるのだが。
3D映画を観る度に「スターウォーズ」だったらどんなだろう・・・とずっと思っていた。背景まで世界をきっちり作り込んである映画だし、宇宙船のドンパチはきっと客席に向かって飛んでくる。3D映画は基本的に奥行きがあるもの。過度に飛び出す映像は技術的に可能だが、2時間の劇場映画でそれをやると観ている人は疲れてしまうのだそうである。だから映像にスケール感があって細部まで楽しめる映画となれば「スターウォーズ」はその筆頭。エピソード1から順に3D化されるのは、僕らにとっては新たなムービーイベントになるだろう。あの場面はどう見えるんだろう・・と今から楽しみ。
シリーズ最初のエピソードだけにエピソード4~6の旧3部作につながるディティールが嬉しい。見どころのひとつポッドレースの場面は、公開当時には「これ「ベン・ハー」の戦車レース場面のパクリやん!」と感じて冷めてしまったのだが、改めて観るとそのスピード感と編集はよくできている。今どきの映画では、アクションの激しさが災いして何を見せたいのかよくわからないものがある。クライマックスの宇宙戦につながるように、アナキンの非凡さがきちんと表現されているな、と思った。ダースモールの勇姿を再びスクリーンで観られたのも嬉しい。ディティールや技術にどうしても目がいってしまうのも「スターウォーズ」なのだが、ルーカス監督は民主主義について考える映画でもある、と言っている。エピソード1では惑星ナブーに暮らす異民族が協力し合う「共存」がひとつのテーマとも言えるだろう。