Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

メタル・ブルー

2012-05-23 | 映画(ま行)

■「メタル・ブルー/Iron Eagle ll」(1988年・アメリカ)

監督=シドニー・J・フューリー
主演=ルイス・ゴセットJr. マーク・ハンフリー スチュワート・マーゴリン

 前作「アイアン・イーグル」は大嫌いな映画だ。強きアメリカ一辺倒なお話といい、自信過剰で挫折知らずの主人公といい、米国礼賛映画に見えて仕方がなかったのだ。しかしこの続編はなかなか面白い。対立しあう米ソの兵士が合同作戦に招集され、いがみあいながらも友情を感ずるようになっていくお話。米ソ対立を背景にしながらも、デタントへの予兆が感じられる映画なのだ。それに前作にはなかった(国境を越えた)色恋沙汰もあるから、さらにスリリングになっている。80年代のアメリカ映画は、「若き勇者たち」を筆頭に反ソ感情が画面からにじみ出るような映画が多かった。それからすれば大きな描写の変化だ。そして、この「メタル・ブルー」製作から数年後、現実社会でソビエト連邦は崩壊することになる。

 前作と違い、ルイス・ゴセットJr.を始め、登場人物たちの人柄がきちんと描けているのがいい。ただ、ソビエトの女性パイロット、ヴァレリーが妙に冷静な役柄だけに、主人公との恋を通じて彼女の中のオンナが目覚めるところをもうちょっと描いて欲しかった。クライマックスのミサイル基地攻撃場面は、決死の覚悟で作戦を遂行するサスペンスと、その裏側で核が投下されるか否かのサスペンスが併走する見事な構成。米ソ共同作戦を進めておきながら、一方でそれを覆す核攻撃を計画する政府。そんな紙一重の不安定な政治状況の恐ろしさ。それを思わずにはいられない。まぁ結末は都合がよすぎるけどね。

 冒頭、前作の主人公と今回の主人公がランデブー飛行する場面から始まる。前作同様ロックをガンガン流しながらフライトする。冒頭のロックナンバーは、ラヴァーボーイのマイク・レノ。他にはアリス・クーパーやリック・スプリングフィールドがサントラに参加。前作でルイス・ゴセットJr.扮するシンクレアが好きだった ♪Gimme Some Lovin' も収録されてます。


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