■「ワンダー 君は太陽/Wonder」(2017年・アメリカ)
監督=スティーブン・チョボスキー
主演=ジュリア・ロバーツ ジェイコブ・トレンブレイ オーウェン・ウィルソン
冒頭で子供がジャンプする映画ってなんか期待できる・・・
と思うのは大好きな「リトルダンサー」のせいなのかww。
少年オギーは生まれつきの頭蓋骨異常で手術を繰り返し、他の子供とは違う顔をしている。
そのせいで母親と自宅学習を続けてきたが、10歳で初めて学校へ通い始める。
容姿のせいで周囲の反応を気にするオギーだが、やがて彼に親しみを感じる子が現れるようになる。
陰口やいじめ、困難に遭いながらも家族や友達、先生の支えで学校生活を続ける。
その勇気は次第に周りの生徒たちを変えていく。
いい人しか出てこないとか、性善説な映画、とかいろんな感想はあるだろう。
だけど子供目線を貫いた潔さは、
オギーの特殊な状況を越えて誰でも直面するであろう人間関係が描かれることで共感できる。
友人たちの視点が挿入されるのもナイスだけど、
いわゆる難病もの映画で"手のかからない"存在として描かれる兄弟姉妹を、
姉ヴィアの心情が綴られる中盤できっちりすくいあげているのが好感。
これに両親の目線が入っていたら、ここまで爽やかな印象では終わらなかっただろう。
特にジュリア・ロバーツ演ずる母イザベルはオギーに向き合う為にいろんな犠牲を払ってきたはず。
書きかけた論文データがフロッピーディスクに入ってる演出で、
それがいかに長い期間なのかをスマートに見せる。
「うちの家族は息子(サン)を中心した太陽系」は、家族の関係をうまく表現した台詞で印象的だ。
難病の現実的厳しさが描きたい映画ではなく、あくまでも主眼は少年と周囲の人々の成長物語。
多くの人に受け入れられる映画となればと思う。
子役の魅力に頼った映画と毛嫌いする方もあるかもしれないが、
爽やかな感動作を撮るに値する子役が今いることが幸せなことだと思うべきだと思うのね。
だって、子供が可愛らしい時期なんてあっという間。
映画ファンとしてそれを見守るのも、親目線みたいな幸せなんではないだろか。
「スターウォーズ」の小ネタも楽しい。
あと、姉の理解者として登場するおばあちゃん。
「蜘蛛女のキス」で知られるブラジルの名女優ソニア・ブラガを久々に見られたのも嬉しい。
映画『ワンダー 君は太陽』本予告編