■「007 スペクター/Spectre」(2015年・イギリス)
●2015年アカデミー賞 歌曲賞
●2015年ゴールデングローブ賞 歌曲賞
監督=サム・メンデス
主演=ダニエル・クレイグ クリストフ・ヴァルツ レア・セドゥ モニカ・ベルッチ
ダニエル・クレイグが演ずるジェームズ・ボンド第4作。
往年の007ファンにはお馴染み悪の結社スペクターが登場。
その首領ブロフェルドは、これまでテリー・サバラス、ドナルド・プリーゼンス、
チャールズ・グレイそしてマックス・フォン・シドーと名優が演じてきたが、
本作では曲者を演じさせたら抜群のクリストフ・ヴァルツが憎たらしい悪役をこなしている。
悪役に存在感があってこそ「007」は楽しくなる。
過去3作品の悪役はみーんなこの配下だったという展開。
でも、昔を知ってるからこそどうも煮え切らない思いが残った。
ダニエル・クレイグの007シリーズは、
ジェームズ・ボンドがいかにしてダブルオー要員となったかを描いた「カジノ・ロワイヤル」から
ボンドの生い立ちに触れた前作「スカイフォール」まで、ボンドの人物像に迫る物語。
そこに加えてブロフェルドとボンドの個人的なつながりという設定にどうしても僕は合点がいかない。
確かに衝撃的な展開だけど、スパイ映画にそんな因縁めいたストーリーが必要?
ただでさえダニエル・クレイグのボンドは私情で行動することが目立つので、
こういう展開も許されるのかなぁ。
ロンドン五輪の開会式くらいしか、
ダニエル=ボンドが女王陛下の忠実な諜報員という姿を見てない気がするのだがww。
人間くさいボンド像は嫌いじゃないけど、
僕がスクリーンで観たいのは過去を思って苦悩するボンドではないんだよなぁ。
そんなダークサイドな部分がありつつも、「スペクター」は一級の娯楽作。
メキシコが舞台のヘリコプターアクションシーンは、これをCGなしでやっているのか!と驚かされる。
雪山でのド派手な飛行機の滑降も圧倒される。
やっぱり映画館で観ておくんだったなぁ(泣)。
さらに往年のファンがニヤリとできるオマージュが散りばめられてるのも嬉しい。
「女王陛下の007」が好きなもんだから、
雪山の頂上にある研究施設とか見るだけでワクワクしてしまう。
そしてモニカ・ベルッチ、レア・セドゥと豪華なボンドガールも素敵。
映画『007 スペクター』最新予告編