Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

グレイテスト・ショーマン

2022-08-15 | 映画(か行)





◼️「グレイテスト・ショーマン/The Greatest Showman」(2017年・アメリカ)

監督=マイケル・グレイシー
主演=ヒュー・ジャックマン ザック・エフロン ミシェル・ウィリアムズ レベッカ・ファーガソン

えーと、別にミュージカル嫌いじゃないし、ヒュー・ジャックマンが苦手でもないのだけれど、この映画に関する世間の盛り上がりをちょっと冷めた目で見てた。だって、僕は「スターウォーズ」より「雨に唄えば」を繰り返し観て、ボブ・フォッシー監督作に夢中になってた偏った嗜好がある。今どきのミュージカル映画に気持ちがノレるのかが疑問だった。やっと観る気になり、配信で鑑賞。

確かに悪くない。何よりも映画としてのテンポがいい。画面展開がストーリーの展開につながる編集も工夫されているし、誰にもわかりやすい場面作りができているのは好印象。

だけど…ちょっと興行師としてのバーナムを美化しすぎてない?バーナム氏はショーとして観客を感動させたかったというよりも、珍しいものを見せたかったのが先でしょ?多分「ナイトメア・アリー」を観た後だから特にそう思うのかもしれないけど、動機は見世物小屋と何にも変わらないはず。映画のテンポの良さに乗せられて興行師としてのダーティな部分はスルーされている。それだけに「私たちに居場所をくれた」という髭の歌姫や小人症の男性の言葉を、どうもそのまま受け止めきれない。この場面でバーナム氏も、同じように同志や擬似家族のように今は思ってるとかなんとか言ったらまだ納得できたのかも。

いかん。今どきのミュージカル映画を厳しい目で見てしまう自分がいる💧

されど、この映画が素晴らしいのは何よりも音楽。足を踏み鳴らしたくなるオープニングから、心を掴んでくる。重厚なコーラスと現代的なリズムアレンジも受け入れやすい要素の一つだろう。対照的に歌い上げるバラードが、レベッカ・ファーガソン演ずる歌姫が歌うNever Enough。ザック・エフロンとゼンデイヤが障壁が立ちはだかる恋に身を焦がすRewrite The Starsの場面は、サーカスの舞台を駆使した演出が美しい。

そして様々な媒介で使われたThis Is Me。この時代にこの映画が製作されたのは、多様性を認め合う大切さを訴えたかったからに他ならない。それを象徴する力強い楽曲だ。映画の主眼はあくまでもそこにある。僕みたいにバーナム氏の美談とか言うのは天邪鬼?でも音楽は素直に楽しんだよw。少なくとも"ラ出会い始まる陰気なミュージカル映画"より楽曲は好み。





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