Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

キングダム2 遥かなる大地へ

2022-08-21 | 映画(か行)


◼️「キングダム2 遥かなる大地へ」(2022年・日本)

監督=佐藤信介
主演=山崎賢人 吉沢亮 橋本環奈 清野菜名

前作もなかなかの出来だったが、第2作はダイナミックなアクションが楽しめる娯楽作となっていた。1作目の時は、山崎賢人くんの喋りが今どきヤンキーにしか聞こえなくて、今ひとつ乗り切れないところもあった。どうも慣れてきたのか(笑)、2作目で王の危機を救いに現れた時は妙な安心感がw。

今回は魏の侵攻に後手に回った秦軍が、既に占領されている丘の陣を奪うべく無謀とも思える攻撃をしかける戦場を描く。ちょっとくどい?と思えるくらいに丁寧な戦況の説明もあり、どのくらい秦軍が窮地に立っているのかが誰にもわかりやすい。それだけにその状況を覆さんと戦い続ける信たちの活躍から目が離せない。

2作目の主軸となるのは信を中心とした成長物語だ。誰よりも強くなって武功をあげると躍起になっている信が、戦場でいかにして戦うのかを知恵として学び、また将としていかに戦を動かすのかを個性的な上官や将軍たちから学んでいく様子が面白い。特に暗殺を学んで育つ一族の娘との出会いは重要な意味を持つ。そして見せ場が二重三重に畳み掛けてくる。

佐藤信介監督作は「図書館戦争」もそうだが、派手な見せ場がありながらも、個である主人公の成長物語と、公である政治的なストーリーの展開のバランスがいい。「キングダム」という題材に出会ったことでその手腕とスタイルの進化が楽しみだ。コロナ禍で大勢のエキストラを使うことも中国でのロケもできない中、大群衆シーンはCGによる合成で完成させたと聞く。僕は違和感なくすんなり映画に入り込めた。

役者陣も個性的なメンバーが原作のイメージを壊さずにいい仕事をしている。今回も大沢たかお演ずる王騎将軍、いいところで登場。アニメ版に寄せたあの喋りで信に語りかける貫禄。復讐に燃える娘を演ずる清野菜名の思い詰めた眼差し。弱々しい伍長には、「カメラを止めるな!」監督役の濱津隆之が好演。来年の続編が楽しみ。

コメント
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