◼️「キングコング対ゴジラ/King Kong vs Godzilla」(1962年・日本)
監督=本田猪四郎
主演=高島忠夫 佐原健二 浜美枝 若林映子 藤木悠
初めて映画館で一人で観た映画って何ですか。
僕は小学生の頃、1977年春の「東宝チャンピオンまつり」で観た「キングコング対ゴジラ」だった。
😫「ゴジラとキングコングやぞ。観たい。連れてけ」
😾「忙しい。金渡すから一人で行ってこい」
そう親に言われて地元の東宝へ。チケット買う時に「お父さんやお母さんは?」とか尋ねられないだろうかとドギマギ。お子ちゃまには大劇場がものすごく広く感じられて、どこに座ろうとキョロキョロ。併映は「巨人軍物語 進め‼︎栄光へ」「円盤戦争バンキッド」「まんが日本むかしばなし(桃太郎)」「ヤッターマン」。正直言うと、ヤッターマン2号アイちゃんの変身シーンを大画面で見られたことに異常に感動した(恥)。
さて。お目当てだった「キングコング対ゴジラ」。今回BS 12の放送でウン十年ぶりに観た。なにせ東宝チャンピオンまつりは短縮編集版だから初めて目にする場面やら、こんなんだっけ?と思うことあれこれ。子供心に強烈に残っていたのは、南の島人たちの歌声。
♪あーしーあのらい、あせけーあのらい
大劇場の暗闇、お子ちゃま一人であれを聴くオープニングに、なんか心細い気持ちになったのを思い出した。
二大怪獣の出現に右往左往する人間たちの姿も描かれるけど、あの手この手で応酬する初期の昭和ガメラよりもどこか残念な感じがするのは何故だろう。北極の氷山からゴジラが登場していきなり砲火が浴びせられるけど、そんな軍事基地が近くにあるもん?平田昭彦ら科学者の意見もなんか投げやりに聞こえるし、クライマックスでキングコングがパワーアップするくだりも強引にしか思えない。こんなんだっけ?パシフィック製薬の有島一郎部長を中心としたコメディパート、高島忠夫と藤木悠のお気楽ムード。ゴジラ第3作にしてここまでゴジラ=核の脅威の色彩が薄まっていたのか、と改めて思う。
キングコングが浜美枝を握って国会議事堂に登る場面は、オリジナルへの敬意の表れ。浜美枝と若林映子の「007は二度死ぬ」ヒロイン揃い踏み。この辺は加点要素😊。そもそもはパシフィック製薬がスポンサーをするテレビ番組の視聴率稼ぎから始まった騒動。企業名の冠がついたテレビ番組の裏側では、今もこういうすったもんだがあるんだろうか。