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お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

007/黄金銃を持つ男

2023-05-27 | 映画(た行)

◼️「007/黄金銃を持つ男/The Man With The Golden Gun」(1974年・イギリス)

監督=ガイ・ハミルトン
主演=ロジャー・ムーア クリストファー・リー モード・アダムス ブリット・エクランド

ロジャー・ムーアのボンド第2作。原作者イアン・フレミングの従兄弟であるクリストファー・リーが悪役スカラマンガを演じる。

ボンド殺害予告と思われる黄金の銃弾がMI6に届く。一方で太陽光をエネルギーに変える装置ソレックス・アジテーターをめぐる事件にも関係していたボンド。マカオで謎多き富豪と接触するが、そこに殺し屋スカラマンガの陰が。意外と入り組んだストーリーなのだが、飽きさせないのはロジャー・ムーアのボンド映画特有のコミカルなテイストのせい。前作のペッパー保安官再登場やドジっ子スパイのメアリー・グッドナイトがストーリーをひっかき回すことになるし、ボートでの逃走シーンで現地の子供が絡んできたり、手に汗握るはずの場面をユーモラスにしてしまう。これはこれで楽しい。

ロジャー・ムーアのボンドってまず女性ありきの傾向あるけれど、今回は言い寄られることばかり。ドジっ子スパイのグッドナイトはボンドとイチャイチャしたいばっかり。スカラマンガの情婦アンダーソンも、ボンドの部屋を訪れてスカラマンガ殺害を頼む一方でボンドを誘惑するし。スカラマンガとの決闘こそが映画のクライマックスと思いきや、グッドナイト嬢の失敗から本当の危機が。あれがなかったら、あの施設が平和利用されてたかもしれないのに。クリーンエネルギーの利用が叫ばれる今観ると、なんとももったいなく感じてしまう。

この映画、改めて観ると鏡の使い方が凝っている。スカラマンガは、屋敷に現れる殺し屋との対決を楽しむために数々の仕掛けを用意しているのだが、相手がどこにいるのか混乱させるために鏡が多用されている。時代の流行に乗っかるのがこの時期のボンド映画。舞台は香港やマカオだし、この前年に製作された「燃えよドラゴン」の鏡の間を意識したのだろうか。ベッドシーンでも鏡の向こうから危機が迫るし、踊り子の楽屋でも大きな鏡が印象的だ。その鏡に一瞬撮影クルーが映り込んでいる演出ミスがある。探してみてね。







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