Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

メグレと若い女の死

2024-07-26 | 映画(ま行)


◾️「メグレと若い女の死/Maigret」(2022年・フランス)

監督=パトリス・ルコント
主演=ジェラール・ドパルデュー ジャド・ラベスト メラニー・ベルニエ

ジョルジュ・シムノンの原作シリーズは読んだことがない。主人公のメグレ警部(本作では警視)がメガネ少年探偵に出てくる警部の元ネタという程度の知識しかなくて(恥)。ジャン・ギャバンがメグレを演じた映画は存在は知っているが観たことはない。そんな僕が「メグレと若い女の死」に挑んでみた。だって、監督がパトリス・ルコントなんだもの。

身元不明の女性の死体が発見される。所持品とは不釣り合いな高級ドレスは、ナイフでメッタ刺しで血に染まっていた。メグレはそのドレスを手がかりに被害者のパリでの生活に迫っていく。夢を追ってパリに出てきた女性たちの生活が浮かび上がってくる。

ジェラール・ドパルデューの演技は終始抑え気味で、彼の他の出演作で見られる暑苦しいまでの存在感も、真相を突きつけるポワロのようなミステリーの派手さは全くない。被害者女性の身辺を探るうちに、メグレ自身が重ねていく心情を、ボソボソした台詞と行動から味わう人間ドラマが映画の主軸になっている。ジャン・ギャバンが演ずるメグレも寡黙なキャラクターだと想像できるが、そのイメージも重なっているのかな。本作は人情話の刑事ものと理解したが、他の作品はどうなんだろ。ギャバン版を観てみたい。

全体を通して貫かれるのは暗くて淡い色彩の映像。もの寂しいムードは、パトリス・ルコントの主要作にも通じるところ。それなりに満足できたけれども、僕が物足りなさを感じているのは"男と女"の話じゃないからなのかも。




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