無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

大干ばつの秘儀「畝間灌水」(根を深く張る水やり)

2018-08-06 12:03:48 | 日々の自然菜園

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本日、のち

今年は、梅雨も6月雨が全くなく、空梅雨の上、長野市は大干ばつです。
関東甲信越の7月上旬の梅雨明け宣言後の7/5の台風による雨量3㎜移行、1カ月間雨が全くありませんでした。


そこで、かねてより計画していた伝家の宝刀、秘儀「畝間灌水」を決行しました。
(写真は、スクールの田んぼの横のダイズに畝間灌水しているところです。)

元々は、田んぼだったので、雨が降ると、3~5日間は水が溜まり、ミニトラクターは、3~5mで粘土がロタリーにからみつき動けないほどでした。
3年の土壌改良の末、重粘土の元田んぼを自然菜園に切り替え、不耕起栽培で水持ち、水はけのよい菜園にできました。

そのお蔭で、大雨が降った日でも、半日後には水たまりが消え、野良仕事ができるほどです。

不耕起栽培は、水はけが良くなる分、干ばつに弱い弱点がありますが、土の団粒構造の発達で、多少の干ばつ(14日間)は水やりをせずに普通に育てることができ程です。

ところが、今回、平均気温が例年の3度高い最高気温30℃(平均33℃)越えの毎日、さすがに、多少のジョウロの水程度では、太刀打ちできず、サツマイモが枯れる事態まで来ました。

そこで、


元も畑だったところは、手灌水(ジョウロ)から灌水チューブで夕方2~3時間の水やりに切り替え、










隣の田んぼのままのところの水口から塩ビの水道管100で、2日間、夕方~早朝まで畝間灌水を決行しました。

畝間灌水とは、畝と畝の間の通路に、日の入り~日の出までに水を走らせる水やりのことです。

乾ききった元田んぼの大地は、水をなかなか染み込もうとせず、全体に水を届けるのに、2日間かかってしまいました。

①畝間灌水は、日中は根が煮えてしまうので、厳禁です。
また、②1日以上湛水(たんすい:水がたまった状態)にしていると根ぐされしまうので、必ず半日~3日間一度染み込むのを待って行うと効果的です。

なお、③灌水後通路に入ると、土が硬く締まるので、自然透過してから、すぐに歩かない方がよりよいものです。


うちの場合、通路の緑肥mixと普段から少しずつも、モミガラを敷いているので、自然透過後歩いても土が締まり硬くなりにくく普段からしています。






ところが今回運がいいことに、近所の農家さんから大量のモミガラを処分してほしいと依頼がちょうどあり、これはラッキーだったので、自然透過した通路にモミガラを一気に敷きつめることができました。

そして、1週間後に、雨の予報(1mm)がありましたが、降っても降らなくても深く水を染み込ませたかったので、




夕方~早朝にかけて再び畝間灌水を行いました。

結局、周辺の地域ではゲリラ豪雨だったのですが、当地では、全く降らなかったので、畝間灌水を徹底しました。


1週間前に比べて、1回ですべての領域に水が回り、大量投入したモミガラも水で沈み、通路に馴染みました。

約1カ月間雨がないので、自然草も伸びず、野菜も大きくなれずでしたが、畝間灌水のお蔭で、最近ようやくナスも、ピーマンたちも余裕が出てきてこれから遅めの本格的な収穫になりそうです。

自然が自然な状況であれば水やりは、極力しない方が根性のある根が張るのは間違いありませんが、
不自然なほど高温続きで、雨が全くなく、地下水位も低くなってくると、話は違ってきます。

その場合、夕方~日の出までの間に、水が深くたっぷり染み込み、1週間は雨が降らなくても余裕な位しっかり水やりをする必要があります。

手順としては、

①ストチュウ水で夕方たっぷり一株ずつジョウロで葉に水をかけながら行います。
②1株あたりバケツ1~2杯を3回ほどに分けてゆっくり深く浸透するように、水を染み込ませます。
③その前後に、たっぷり草マルチを重ねてあげるとよりよいでしょう。


一番良くない水やりは、晴れた高温の日中に、さっと水をかけることです。
焼け石水ですし、むしろ根や葉が痛み、枯れやすい根になってしまうからです。

今年は異常気象なので、ここまで畝間灌水を決行したのは初めてです。
それ位異常な状況でした。

今日で1カ月間最高温度30℃超え、雨なしですが、田んぼ(川)の水のお蔭で、何とか野菜が育っております。
去年は長雨で、元田んぼでしたが、水はけが良く、根ぐされも起きなかったのですが、今年は逆でした。

元田んぼは長雨と干ばつに弱い傾向がありましたが、今回のケースで、根本的な改良と対策をすれば、元田んぼでも野菜が育ちやすい環境を調えることができることができました。

明後日に雨マークが出ておりますので、是非、夕立だけでも降って大地に潤いが欲しいところです。

◆◇◆お知らせ◆◇◆

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参考テキスト:『自給自足の自然菜園12ヶ月』(宝島社)153~174ページ

●問合せ・申し込み先●
千曲市役所経済部農林課農業振興係服部
電話026-273-1111(内線7244)
Email:nousin@city.chikuma.nagano.jp(件名を「自給稲作入門講座」として送信下さい)




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城山公民館「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。
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今年度は、いつもの第1水曜日に
長野市城山公民館 18:30~21:25(当日、記録用動画撮影いたしております)
18:30~19:45座学
19:50~21:25質疑応答


新年度も第一水曜日で、「無農薬・自然菜園入門講座」を行います。
◆次回以降の予定
【テーマ】
新年度スタート「これならできる!自然菜園入門講座~野菜編~」
7/4(水)梅雨の草対策、草マルチを極める、「ニンジンとダイコン」
8/1(水)夏野菜の延命法、秋野菜の真夏の種まき、定植のコツ「ハクサイとキャベツ」


お楽しみに~




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コメント (4)
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