ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

有名タレントで客を呼ぶ、是か非か?

2015-07-11 13:56:06 | 地域文化

 フレンドリープラザの運営委員会だった。年に2回、かな?多分。もう随分長いこと委員を引き受けている。いい加減、譲って、他の演劇関係者と交代するってこと考えたいのだけど、今年もどうかよろしく、と頼まれると、世話になってるプラザのこと、できることならなんでもしなくちゃ、という気持ちで今年も席に座っている。

 ここ数回、中心になる話題は、プラザの利用者が減少しているということ。中でも町内の来館者がとても少ないことが課題としていつも上げられている。たしかになぁ、以前の熱気は感じられなくなったよなぁ。演劇に限っても、上演本数が激減しているし、公演当たりの観客数もかなり厳しい。永井愛さんの『鴎外の階段』、あんなに高く評価された作品でさえ、180名、菜の花座並のまばらさは寂しい限りだったし、こまつ座もかつてのような動員力を失いつつある。一度もプラザに足を運んだことがない、なんて町民も数多い。そんな現実をどう打開するか、いつも決まってここに議論が集中する。

 今回の運営委員会で大きな声として上がってきたのは、知名度の高い、てことはテレビに良く出てる有名タレントを呼んだらどう?って提案だった。あの人が来んなら、見てみたい、誰もが飛びつく?興行を打って、まずは来てもらうことでしょ、って考え方だ。前回までは一部委員のつぶやき程度だったものが、今回は他にも賛同者が現れ、それも必要かも?って雰囲気も緩やかに流れた。

 もちろん、館長は、貸し館事業ならともかく、自主事業の貴重な財源を、タレントの顔見せに使うつもりはないと明言していたが、じゃぁ、どうするの?と追撃受けると、解決策には言葉が詰まってしまう。4月の吉里吉里忌など、他市町村や県外らたくさんの人を集めていたり、やはり外からの利用ではあっても、生活者大学校や図書館のように、川西と言えばプラザと高い評判を勝ち得ている実態を、それはそれで貴重だと現状に理解を示す町担当者の助け船もあったが、町民の税金を使って他地区の人たちに喜んでもらってどうする!の批判は、けっこう痛いところを突いている。

 しかしなぁ、タレント呼んで客集め、これって虚しかないか?川西の文化芸術レベル、こんなもんですってギブアップするようなもんだ。そうやって客寄せパンダ見たさにプラザに押しかけた町民が、それをきっかけに菜の花座とかプラザ寄席とか、松川さんのコンサートとかに興味を示してくれるようになるって、あり得ないだろ。逆に、なんだ、地元の連中かそんなの詰まらねえに決まってたべ!ってますます足は遠のくのが落ちだ。

 そんじゃどうすんの?!

 運営委員って立場からすりゃ、館長支持!頑張れプラザ!って応援すりゃそれで済むわけだけど、菜の花座、菜の花プラザシニア団、シニア演劇学校とずっぷりどっぷりお世話になってる身としちゃ、被告人その3くらいではあるわけで、なんとか具体的解決策を提案しなけりゃと頭を悩ませた。タレントに頼らず、地域の人たちをプラザに拘引拉致するにゃどうしたらいいのか?

 一つはアウトリーチ活動、つまり文化芸術の出前だと思う。少ないプラザ職員に地域に出て、本読みしろとか、紙芝居やってこいと言うつもりはない。アウトリーチ活動をプラザの活動の一環として位置づけ、プラザの周辺で活動する様々なグループ、菜の花座、おはなし会キラキラ、ブックブックおきたま実行委員会などをその得意分野でどしどし地域に派遣していけばいい。芸文協会に所属する踊りや合唱の団体だってお願いすれば引き受けてくれるに違いない。いや、お願いじゃなく、登録団体になってもらうってことだ。

 菜の花座ならば、コントだ。人形劇だってできないわけじゃない。地域のお年寄り、婦人グループ、小中学校、幼稚園、プラザが窓口になってニーズを引っ張り出してくれれば、それにマッチする出前の一品を準備しようじゃないか。菜の花座としては、すでにこの取り組み開始している。昨年は小松地区の収穫祭に参加した。今年は、飯豊町からもオファーを受けている。

 町内で活動するいろんな団体、決して質は低くはない。ただ、町民の多くは知らないだけだ。プラザで行われる諸事業も同じこと。こちらから出向いて、文化芸術活動を身近なものにしていく。その際、プラザが中心なって活動が展開していることも伝え、プラザに来ればもっともっと本格的な催し物が見られることを宣伝してくればいい。アウトリーチ活動=プラザ出前舞台・お話し会・紙芝居・人形劇・・・・・、積極的に展開すれば、現状打破の一歩になるに違いない。

 さらにも一つ考えた。それは、町内芸術団体のコラボレーションによるショーステージだ。例えば、日舞グループの踊りと置農演劇部の演歌舞踊、それをつなぐ形で、菜の花座が大衆演劇を披露する。ただ一緒にやるというだけではダメだ。一つのストーリーに沿った総合舞台にする必要がある。例えば、藤柳美香次さんの『八百屋おしち』。素晴らしい舞踊レパートリーをお持ちだ。これをメインにして恋に狂う女の生涯を一つのステージとして作り上げる。これなら、日頃芝居や踊りに縁遠い方たちも興味を持ってくれるだろうし、さらに出演者を広げて行けば、新しい形の町民ショーステージに仕上がっていく可能性、大いに有りだ。うん、なかなか面白くなってきたぞ。

 タレントなんかでお茶を濁すな!地元力の活用だよ!プラザの賑わいには、町民の多くを引っ張り込むことなんだ。みんなが踊り手、みんなが歌い手、みんなが演じ手、そう、千人役者のいる町作り、これは千人アーティストのいる町作り!に発展解消だ!

 

 

 

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