ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

油断大敵、草ぼうぼう!

2015-07-26 10:11:05 | 農業

 甘く見ちゃいかんよ。日本の風土は雑草大国なんだ。瑞穂のイネにも最適環境だが、雑草めらにも願ってもない居心地なのだ。忘れちゃいないが、つい、自分の努力を過大に評価したくなる。除草機3回も押したから、Uホーで株元2回も丁寧に削ったから、もう、草は大丈夫!無理矢理そう思いこむ。そして、後々、大変な苦労に打ちのめされる。

 だいたい1ヶ月も田を這いずり回り、7月の炎天下も耐えに耐えてくると、こんだけやったんだ、もう勘弁してよ、って甘えも生じてくる。それがイネ見て、草を見ない不遜な態度に拍車をかける。逞しく育ったイネの刃先は固く鋭く、除草の腕を刺し傷つける。肌の弱い人なら腫れは何日もひかない。そんな事情も無言の言い訳になる。人間楽をしたいとなれば、いくらだって理由は思いつくものなんだ。

 昨年は、キカシクサって言う畑のスベリヒユを小型にしたような雑草が一面こび広がり、稲刈り時には数10センチにも伸びてバインダーを詰まらせ苦労させられた。イボクサだとか、丈がイネを越えるものさえ出て、機械が束ねたイネ束からいちいち引き抜くというバカバカしい作業を強いられた。去年の失敗を繰り返さないためには、穂が出るまでの数週間、油断せず、諦めず、雑草を刈り続けるしかないのだ。

 田んぼを何度も行き来していると、雑草の生え方は一様でないことがわかる。草の種類も違えば、勢いも異なる。ほとんど草が生えていない場所もあれば、びっしりと田面を覆い尽くし、イネを締め上げているような部分もある。毎年、大量に発生し、旺盛に生育する場所があるのは、そこに種が落ちて育つからだろう。代掻き後、芥と一緒に吹き寄せられた雑草の種が大量発生する場合もある。理由が判っていれば、適切な対処も可能になる。闇雲になりふり構わず除草する愚を避けることができるはずだ。だから、除草に入る時には、なんとか法則性を見いだそうと観察し反省を繰り返す。

 わかったことの一つは、生育が悪いイネの周囲は雑草が繁るということ。イネミズゾウムシなんかにやられた時は典型で、取れども刈れども怒濤の勢いでイネを吊し上げる。今年の場合、イネミズゾウムシは出ていないので、堆肥が少なく初期生育が遅れたイネの回りがひどいことになっている。もう一つはっきりしていることは、畝間が広いと雑草がはびこるってことだ。まぁ当然と言えば当然で、日もよく当たるし、養分もイネに遠慮するとこなく吸えるから雑草の天国になる。今年は田植機を代えたから、慣れない機械操作で畝間が空いてしまった箇所が多々あって、そこも雑草たちには住み心地の良い快適環境となってしまったようだ。

 理由がわかれば対応もできる。まずは、万遍なく堆肥を入れること。有機農業25年の田と言えどもまだまだ地力は不足、十分な堆肥で初期生育を助け、早めに茎数を増やして田の面を覆うことが大切だ。田植機の扱いはどうやらマスターできたから、来年は畝間が広がるなんて初歩的ミスは犯さないはずだ。と、ここまでは対処可能な領域。実行すれば少しは雑草天国は減るだろう。でも、でも、水田環境はイネにも草にも最適環境!草との戦いは避けることはできないってことだ。

 倦まず弛まず油断せず、8月の出穂のその時まで、除草に励むしかないんだよな。

 

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