ステージおきたま

無農薬百姓33年
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がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

締め切り直前、参考本に逃避する俺!

2017-08-18 09:44:15 | シニア演劇

 台本締め切り10日前、参考にって、本4冊も買い込むのって、これ、ぜったい逃げだよな。締め切り踏み倒し、もう既定の事実にしちまってるし。約束守らないって、最低!

 アイディア浮かばないから本読む、それほとんど気休めだから。窮地の先送り、借金返済のために、次々借りまくって地獄に引きずり込まれるようなもんだ。どうせ、読んだからって書くもの見つかるわけじゃないんだから。

 て、わかっちゃいるけど止めらない、ホイ、スイスイスーダラダッタ、で、今回手にしたのはこんなラインナップ。

 「科学はどこまで進化しているか」池内了、「ロボットの心 7つの哲学物語」柴田正良、「アンドロイドは人間になれるか」石黒浩、「人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか」石黒浩・池上高志の4冊。

 そう、狙いはロボット、いや、アンドロイド。すでにコントにゃ活躍中のペッパーをもじって、『見守りロボットパッパー』なんてのを書いてるから、今さら、面と向かって勉強でもないんだ。どうせ、それらしくでっちあげるだけのことだから。ただ、ちょっとばっかし、もっともらしい蘊蓄なんかも取り込みたいってスケベ心。ダメだねぇ、卑しいねぇ。

 お盆の貴重な休日、いや、いつだって休日だけど、1日1冊、ロボット本と格闘した。そうなんだ、まさに死闘!すでに細胞の多くが死に絶え、残りも機能停止しかかってるぶよぶよの脳にとっちゃ、これはかなりの難物だった。カボチャに入れ歯でかじりつくようなもんだった。

 まず、池内先生、この人、どうしてこんなに科学全般先端知識を自分のものにしてるんだろう?!宇宙、地球、生物、医学、エネルギー、物理、の全6章、今、科学が分かっている、分からないことを簡潔かつ丁寧に教えてくれた。が、宇宙、物理はまったくわからない!ただただ、字面を追うだけで精一杯。無力感ていうより、完全にお手上げ、感想は、俺って馬鹿だなぁ!それだけ。ロボットのこと、まったく触れられてなかったが、日ごろから、軍学共同に厳しく異を唱え、原発稼働に根源的に立場から反対を表明されている池内先生に敬意を表して、最後まで読み通した。いや、眺めとおした。

 「ロボットの心・・・」も笑っちまうくらいわからない!なんか、哲学者って、同じ言葉でもまったく違う辞書や文法で語ってるんじゃないか?ってくらい手も足も出なかった。それも、著者曰く、やさしく書くと分かりやすい、だって。改めて、俺って馬鹿!ただ、章の初めに置かれたオリジナルのショートストーリーはどれも面白くって、この先生のユニークな人柄は十分に感じられた。

 アンドロイド研究の第一人者石黒先生の「アンドロイド・・・」は、先生自身を映したイシグロイドやマツコデラックスのマツコロイドなんか、現物を通しての語り掛けだけになんとか付いていけた。それと、少しだけど、参考になる部分もあった。ロボット相手だと人間は正直に話せる、とか、アンドロイドの言うことは素直に聞く、なんてのは、今回書こうと思ってる内容にぴったしだよ。人間を理解するためにロボット研究をしているとか、見かけの中に心は宿るとか、究極的に無機質の生命が生まれるだろう、なんて話は、もう、すっ飛びすぎてて、文学的ですらあった、すげぇぇぇ!

 最後に「人間と機械のあいだ・・・」。これは石黒先生と人工生命の研究者池上高志先生の新しい機械人間「オルタ」をめぐる共同研究、共同思索の記録だ。心ってなんだ?池上先生って人は、脳のニューロン伝達系をセンサーで置き換えて、その様々なセンサーのネットワークが自律的に動く先に生命を作り出そうとしている?人らしい。一つ一つプログラムを組んで、あらゆる事象に対応していく従来のロボットとはまったく別の発想だ。なんかよくわからないんだが、なんかわかる。いや。わかる気がする。これまでのがんじがらめの頭を抉りだして引っ掻きまわされたような爽快感?この人の言ってることが将来実現するのか、どうか、見当もつかないが、これまでの進歩の道筋とはまったく別の未来が人類には待ち受けているのかもしれないって気にはなった。

 って、ことで、台本にはほとんど役に立たない4日間の読書だったが、まあ、こういう、自分の馬鹿さ加減を確認するってこともけっこう重要なことだ思うし、なんか、人間の将来についても、頭の一部を切り開いてもらったようで、まったく新しいスイーツに出会ったような嬉しさも味わえて、無駄ではなかった、と、思い込むことにしよう。

 ほんじゃ、その疑似的満足感の消え去らぬうちに、台本勝負とまいろうか。

 

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