ミョウガにゃ早生?と、晩生?あるって話し、去年書いた。我が家のミョウガは後の方だってこともね。7月の末に知り合いの農家からお裾分けしてもらって、初ものはすでに体験済み。人間、一度喰っちまうと、何がなんでも喰いてぇ!って意欲が減退しちまうもんだよな。初もの礼賛、旬信仰なんてやつは、そんな意識に支えられてるわけだ。
だから、ミョウガに対する涎たらすような食欲はすでに薄れているんだが、とは言っても、あの不思議な清涼感、食物からちょっと離れた香味と歯ごたえ、ありゃこたえられられねえさ。なんか、仙人の食べ物、神饌!って感じもするなぁ。
ただ、このミョウガってやつ、往々にして発見が手遅れになるのさ。特に晩生の場合、収穫時って晩夏だろ、そうめんとか冷や麦の季節は終わっちまってるからね。初ものはすでに喰ったし、食べたい時期はすでに過ぎてる、しかも、鬱蒼と茂ったミョウガの藪、外見じゃほとんど目に付かない。気が付けば、あれ終わってた?ってことになる。
今年も危ういところだった。たまたま、ごみ捨てに家の裏側に回ったからよかった。その時ふと、ミョウガのやつを思い浮かべたから助かった。でも、お、おい、花咲いてるぞ!うーん、なんとか食えるか?!大慌てで藪に潜り込んで収穫。あちゃちゃ、花咲いちゃって歯ごたえも香りも落ちる、残念!でもまぁ、せっかく見つけたんだし、大切にいただくか。
待てよ、ちょいと離れたこっちの株はどうだい?
おお、こっちはちょうど出始めたところだ。株元から5センチくらいの花房が顔を覗かせている。これはいい。わずか1メートル離れてるだけなのに、この違い。血統が違うのかもしれんが、ともかく、食べごろのやつが見つかった。よしよし、こっちの株を毎日見回っていけば、しばらくはミョウガを楽しむことができるだろう。
とってきたミョウガ、さっそく豆腐の味噌汁に薬味として、いやいやそんな品のいい食べ方じゃ減らない、ザクザク刻んでドバっと実として投入。あとは冷蔵庫で保存して、待てよ、糠漬けの床に入れてもいいんじゃないか、キュウリ専用ってわけじゃないんだから、よしっ、入れよう。あとの残りは、そうだ、ミョウガの甘酢漬けってのも魅力的だな。となると、もっと取って貯めておかなくちゃね。ってことで、これは明日以降のお楽しみだ。
やぁぁ、気が付いて、本当に良かったよ。ミョウガ、楽しませてもらうぞ。それにしても、繁殖力旺盛だなぁ、ミョウガって。いつの間にか、家の東側を完全占拠しちまったよ。