自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

池見流の’本当の私’を取り戻す。

2013年04月14日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

岡本太郎氏の破天荒人生の薦め・・・ 平成25年4月14日

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真の自己に向かうために(昨日の続きであるが)、

二つのアプローチがある。

池見博士の理論によると、表面意識の第一層から 

真我がある第6層に 段階を経て向かうか、 あるいは、

第六層の真我を直観的に悟り、ストレートで本当の自我を

知るという方法がある

 

普通、一番外側が表面的な現象としてとらえられるから、

物質から精神へ移行するように、外面から内面への移行が

一般的だろう。

“本当の私を求めているけど、なかなか そこに到達しないと

いう声に対して、池見博士は、心療的にいくつかの弊害要因

分析している。

それらは、社会的、教育的、家庭的な、本人の意思とは無関係

造りだされる要因だ。


玉ねぎに喩えるならば、本質の自己は、玉ねぎの芯にあたり、

一枚一枚めくって、玉ねぎの芯に到達できるといえる。

そのためにも、こうした要因を客観的に知ることで、

めくりやすくなるかもしれない。

 

それらの要因とは、

1)  人格の根底にある、幼児期などの深層心理に潜む

ゆがんだ心の癖、たとえば 反抗期の不自然な通り過ぎ。


反抗期は、 自然な親離れの現象であるが、親に従順になるよう

育てられた場合、おとなしく 親に刃向わない子供が良い子だと

する親の期待に合わせて 反抗を押し殺して、成長した場合。

言い換えれば、人間らしい発達を阻害させられた場合、

あるいは、親の愛の獲得のために 親に服従することで、

自我を押し殺した場合などに、歪みの発生の種が見られる。                

   

おとなしすぎる子供は、生来的に、社会的問題になりかねない。

池見博士の言葉によると(以下引用)、

“人間らしい本能的な衝動、イド(セックスなど)に関する自由な

感覚が抑えられていて、思春期になっても、恋人ができず、周囲の

人間関係でも自由な感情を抑圧してしまい、窮屈な生き方をする子供が

できてしまう・・・


人生早期に心の中に無意識の暗闇できるうえでの一つの大切な

ポイントとなる”(以上引用)

 

2)  人間疎外の風潮:能率を上げるという現代的課題を

優先させるために、専門的な仕事の分化が行われていく。

たとえば、力仕事専門、事務職専門、数学的能力を使う

部署専門など。 


こうした社会の組織の枠組みの中にはまって無理に適応して仕事を

続けていると、知・情・意 という人間本来備わっている

バランス崩してしまいがちだ。

 

部分的に 人間の能力を 切り取って使うことがごく普通に

行われている昨今、それがどのように、影響を与えているか、

社会的現象の中に結果が出始めている。


それに対しての批判は、大阪万博会場の太陽の塔というシンボルを

創作した 岡本太郎氏の言葉に表されている。

“芸術というのは、現代社会の中で捨象された人間たちが、

その全体的な人間像を取り返すための懸命な努力だ”(以上) 

 

全体的な人間像を忘れた、仕事一途な人たち、一時、問題になった、


残業時間が 月平均200時間以上、過労死するような状況に

おかれることも、人には総合的人間性を取り戻す芸術を愛でる

余裕もないだろう。

こうして、ストレスにがんじがらめになっていくと、人間の6

にあたる、セルフの確立どころか、そこへ向かおうとする、

健全な思考も、がんじがらめ動きのとれない、無意識の暗闇

に押し込まれていき、追い詰められていく。

 

3)  社会的価値観:それぞれの国には 時代の社会的価値観という

フィルターが常に現存している。


それにより、考え方や生き方に無意識の規制がひかれ、場合によっては、

弊害を及ぼしかねない。


宗氏の養生論で(過去のブログ参照:4月8日) 長生きの秘訣で第一に

挙げられていたのが、常識に則らない、破天荒な人生のすすめ だった。

自分の価値観を確立し、まわりに迷惑を及ぼさない程度に、

自分の内面の目で、自分自身を評価していく分には、そうした、

社会的フィルターによって、排斥されることに脅かされない人生が

送れるだろう。                        

  

社会的価値観を批判的にみているのではなく、不当な抑圧の開放

の必要性をここでは言っている。 


池見博士は たとえば、フロイトの例をあげている。

“フロイトは人間の性衝動を開放することに、治療的意味を見出した”。

フロイトの生きていた ビクトリア王朝では、社会的価値観として

“性生活自体、なるべく意識にのぼらせてはならない” という

社会的常識があった。


当時の、そうした価値観の圧力に屈していた心にフロイトは、

開放を与えた。

フロイトは、こうした、欺瞞的社会に、新しいタブーとされている面に

メスをいれて、閉ざされていた門を開き、多くの屈折した感情を

正常化させることに成功した。

 

4) 従来の治療法の限界:セルフを導くための診療方法の確立の

不十分さもまだ限界があると博士はいう。


人間この未知なるもの”を解明するのには、微々たるものであり、

治療者や指導者が持っている理論の枠を相手に押し付けるだけの

方法では解決は難しいとしている。 

人間の性格や習慣の精神分析学と行動療法の発展が、今後もっと

期待されるところだと博士は言う。

                                                 

5) 観念的言葉の先行:心身療法でいう、セルフの気づきという

意味は、言葉、観念の思考ではない。 

それは体験的でもあり、言葉による把握を越えた直観的な禅的な

気づきいう意味である。

 

言葉の限界があることを博士は痛感している。

だから、 非言語的なイメージの意義と観念の世界に閉じ込める

言葉の遊戯に陥らない注意が必要だとする。


近年では そうした動きを反映してか、ますます、絵画や彫刻、

音楽を活用した療法が盛んになってきているようだ。

イメージによる思考の重要性、右脳と左脳のへの働きかけが

全体的に行われるようになることが、昨今の心身医学的療法の

手段ともいわれている。

                                          

こうしてみていきながら、博士は最後に、還元論、決定論への

反省として、患者本人の意思の尊重と主体的決断重点を置く

という現代の考え方に対して、注意を促している。


動物実験を中心としたデータで決定論的に下した考え方に

捉われることがないようにというのがそれである。

たとえば犬の条件反射(パブロフの条件反射)の実験によって

人間の幼児期における 性格形成と結び付け、機械的に

パターン化させて、ケースをあてはめるといった、決定論に

捉われがちな観方に 陥らないようにという警告でもある。


人間それぞれ 心模様が異なり、生活環境や育児環境、

背景の社会的価値観、心身論、宗教哲学信条、身体の特徴

などなど、総合的に全体的に見ていくところに心身医療の根幹

があるのだろう。


心身医療の究極的な方向性として、セルフの開発、6番への到達

を提唱されているのと同様、自然治癒の発揮でも、東洋行法の

6番への気づきが根底にある~といえるだろう。


自然治癒力セラピーや形而上的癒しの観点からも、池見博士の

提唱する本来の自分の気づきが、癒しの根源にある。

本来の自己を取り戻すことの重要性がここにあると思う。

 

 

池見 酉次郎(いけみ ゆうじろう)博士について:、

大正4年(1915年)612 - 平成11年(1999年)625日)

日本の心身医学、心療内科の基礎を築いた草分け的な日本の医学者。

旧制福岡中学(現福岡県立福岡高等学校)、九州帝国大学医学部卒業。

戦後、アメリカの医学が日本に流入した際、心身医学の存在を知る。

昭和27年(1952年)にはアメリカミネソタ州のに留学し、帰国後、

日野原重明、三浦岱栄らと共に昭和35年(1960年)日本心身医学会

を設立し、初代理事長になる。

翌昭和36年(1961年)九州大学に国内最初に設立された精神身体

医学研究施設(現在の心療内科に当たる)教授に就任し、

内科疾患を中心に、心と体の相関関係に注目した診療方法

を体系化、実用化に尽力した。

九州大学医学部名誉教授、自律訓練法国際委員会名誉委員長、

日本心身医学会名誉理事長、

国際心身医学会理事長、 日本交流分析学会名誉理事長などを歴任。

書に「心療内科」、「セルフコントロールの医学」などがある。

平成11年(1999年)625日肺炎のため、福岡市内の病院で死去。84歳。

 

参考)

”セルフ・コントロールの医学” 

s・57年9月1日 日本放送出版協会

 

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