局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

娘 製作中 で あれこれ思う

2010-09-24 09:13:06 | 家族あれこれ(犬も含めて)
12月にある娘の出るダンスの舞台。
夏の間にストーリーや各種ダンスの組み立ても決まり、練習もすすんでいるらしいが、それと同時に舞台装置や衣装の準備もしなければならない。
娘は今年で最後だし、衣装の責任者になったのであれこれ忙しいらしい。

 

 

デザインする。
そして試作品の製作。



娘のやり方は 教科書的ではない。古着屋などで安く買ってきたものを解体してそれを元に新聞紙で型紙を起こしたりしてちゃっちゃと作る。
(しかし作り出すまで時間がかかるし夜行性なので迷惑は迷惑である)

パーカーを解体して衣装試作中



ドルマン袖のカーブを新聞紙で試作しているところ だそうだ

ワタシは元々縫い物関係大嫌いだし立体把握も苦手なので見ていてもまるでイメージがわかない。
この辺のDNAは立体把握得意のオットの方から遺伝したものであろう。

形が決まるとそれを元に使う布地やその他小物を決める 馬喰横山や日暮里などの問屋街や古着屋、小さな輸入業者など廻って値段交渉から発注まで。

簡単な作り方の図とともに それぞれのパート一人一人が使う布の長さを裁断して渡す。



エライ手間隙かかる作業である。

ワタシもたまに見るのは面白いが、朝リヴィングに作業の残滓があったりすると腹立たしくて喧嘩になることも日常。
何より娘がこの作業でいらついているのである。

衣装関係のことは一応一目おかれているらしいので 各ダンスパートの子たちは 「まかせるよ」と最初は言うらしい。
「ホントにまかせてくれるわけね」と何度か念押ししてこのような作業を重ねて 決定! とした後、ダメ出しされることがあるんだって。

それもすごく簡単に
「やっぱ これ変更してよ」とか「色だけ変えて」とか ヒドイ奴は開口一番 「俺の趣味じゃない」とか

娘は もう布の発注済みだったり カットしてあったりする段階なのにそれを言われて困り果てるらしい。
昔から 外にでるとあまり感情的にはならない娘。不機嫌はウチで発散するからワタシは腹立たしい。

この前衣装の打ち合わせから帰って来た時にどうしてそんなに不機嫌なのか問いただしたら ↑こういう経緯があるらしい。

「そんなの 一度まかせるって言ったんだから文句言わせなければいいじゃない」と言ったら

「文句って言うかみんなはやっぱり良いもので踊りたいってことだからその気持ちはわかるのよね。だけどこのデザインを決めて作って色々問屋なんかに行ったりする過程ってのがどれだけ大変だかわかってないんだよ」 と言う。

「今までワタシはね、自分のやってることが大変だってみんなに知らせるのが嫌だったんだ。でもあれだけ簡単に決めたものを変更して なんて言われると ある程度どんだけ大変かって主張しなければダメだってことがわかってきた」 らしい。

「そうよ。それは言わないとわからないって部分あるんだから言ったほうがいいよ」

「でもそれってかっこ悪いじゃない」

「そんな事言ってられないよ。それにあんた一人の事じゃないんだし衣装手伝ってくれるメンバーもいるわけでしょう?その子たちのためにも自分たちの立場の主張ってのはしなきゃだめなのよ」

「まあね・・・」

三つ子の魂じゃないけれど 小学校からミッション系でノホホンと過ごしたってことがムスメのこのスタンスを作ってきちゃったんだろうなって改めて考えさせられた。
敢えて自己主張しなくても同じような環境の子たちが小さい時から集まっていた中で 「あの子はこんな性格」とか「この役割はまかせよう」とかでおのずと役割分担が決まっていた。

それに学校の教育の根本で 「人はわかってくれなくても神様が知ってらっしゃいます」っていうのがあるわけね。

ムスメは決してその場で優等生でも良い子ちゃんでもなかったけれど ある程度はこの精神ってのがどこかに染み付いてるところがある。

ワタシなんぞ 非クリスチャンだし ムスメの受けている教育ってものを (そりゃ~良い所はあるけどそうも言ってられないよな~)と一部懐疑的というか客観的な目で眺めてきたので 娘の感じるところと一般の解離性ってのがわかるのである。

そのうち書こうと思っているけど 私が敬愛する作家の 曽野綾子氏が主張する 「損を承知ですることの尊さ」っってのが世の中から消え去っていこうとしている風潮が最近の嫌な事件の元やカサカサした世の中になっていく傾向の元になっているとも思う。
しかし親という立場からすれば わが子が 「損をして傷ついてる」ってのをハタで見ているのも それはそれで切ないものなんですよね。

それに検事が証拠を改竄して無実の人を陥れるって仰天するような事件が起こる昨今ですよ。
こんな風に 「神様は知ってらっしゃいます」なんて言っててどうにもならないことになったらどうすんだい?と言いたくなるじゃありませんか・・・

悲しいことだけど現実の社会ってワタシの予想を上回って悪化しているような気がする。

美意識は美意識で保って行きつつ現社会はうまく渡っていかなきゃならないって教育するのって大変だよねって思ってため息をつきたくなる。

コメント (8)
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