トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

出水の前に

2012-06-23 | 水辺環境の保全

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 台風四号による出水で、泥水地で越流が発生した。越流と漏水は構造を破壊する二大要因だから放っておく訳にはいかない。午前の早い段階から降雨の予報だったが、本格的梅雨到来の前に、早めに修繕に出かけた。

 越流を起こした部分に土を盛り上げ、それぞれの池をつなぐ水口の断面積を拡幅した。これで四号台風の出水量までは安全範囲に入った。堤のかさ上げには土が必要なのだが、周囲に運べる土は無い。考えた末に、泥水地の一角を拡幅しながら土を調達した。「放っておく訳にはいかない」から「掘っておく」事で解決させたのである。

 結局、降雨が予想より早くなって中途半端で逃げ帰ることになってしまった。

 


キリギリス鳴く

2012-06-23 | 勢子、雨毒に侵されて呻く

Photo_2  四号台風によってフイールド入り口の梅二本が根倒しされてしまった。ようやく結実するようになった二本だが、これで枯れ死するかもしれない。

 梅畑にしたくて周辺に苗木を補植してあるが、結実するには数年が必要だ。この二本、昨年は数が少なかったから、完熟させてかじっただけで、今年は梅ジュースでも造ろうかと思案していたのに、採集は容易になったが、切り捨てざるを得ないか、大きく切り詰めて起こし、再生を図ろうか…。

 22日、思案して眺めていたらキリギリスが鳴いている。初鳴きは不器用そのものだけれど、頭の中では「伐り伐りす!」とささやいている。


**生命の循環

2012-06-22 | 小父のお隣さん

 羽化しても翅の縮れはそのままの片羽のとんぼ餌となりて生く

 蛆虫は皮膚から溢る芋虫の残り僅かな生命愛おし

 田に落ちて捕らえられたるケラ虫の腹に吸い付くアメンボの山

 母蜘蛛は子蜘蛛の血肉となりにけり生みし子蜘蛛へ還る母蜘蛛


「頂きます」の世界

2012-06-22 | 勢子、雨毒に侵されて呻く

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 栗の幹に緑のツートンカラーで、とっても綺麗な幼虫がいた。「お洒落で美しい!」と感動しつつ覗き込んでビッ栗仰天するしかなかった。そこは生死をかけた死闘の現場だった。最初はゴミかと思ったのだが、くねくね動いているから生物と判った。体長6mm程度で頭部を幼虫に突き立てている。寄生蜂の幼虫なのだろうか、「要注意!」と知っていても、どうにもならない状況になっている。人智の及ばぬ世界なのだ。

 虫を外せば、大きい幼虫は助かるだろうか。小生にとってフイールドの生物は、原則的に「触れない・捕獲しない」できている。特別の理由は無いけれど、そうなのだ。大きい幼虫は「幼虫図鑑」で「ウスタビガ」と判明したが、背中の黒点は寄生痕らしい。幾つかの資料を総合すると、尾部に取り付いているのは「食い込む姿」ではなく、「体内から出てきた状態」らしい。コマユバチの仲間だとすると、複数寄生している可能性が高い。黒点の数だけ体内にいるのだろう。

 すでに、ウスビタガの幼虫は蛹になる能力は失っているのだが、一つの命を頂いて多くの命が生まれる現場だ。「育ての親」とも言えるウスタビガの幼虫に合掌…


刈り払い

2012-06-21 | 今日は真面目に

Photo_2   エノキの植栽地の下草刈りをする。既に繁殖力旺盛の植物は蔓草が主流になり、カナムグラが一大勢力を謳歌している。

 残りはママコノシリヌグイ、カラスウリ、クズなどが主な蔓草だ。既に支柱や下がった枝、幹によじ登り始めた。この程度だと、周囲を刈り払い機でなぎ倒せば蔓の途中で切断できる。燃料が足りなかったから、樹の周囲だけで全面刈り払いまでは出来なかった。


お菊虫

2012-06-21 | 蝶の食草園

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 バタフライガーデンとは言えないが、庭で羽化する定番がジャコウアゲハである。何株か育ったウマノスズクサを食草にして、今年も幼虫が育っている。早くから姿を見せて一株食いつくし姿を消した幼虫が、リンゴの誘引ロープで蛹になっていた。「お菊虫」と言われても、あの「八百屋お菊」を連想する人は周囲にはいない。蛹をみて「菊の花びら」を連想するのがオチだろう。

 18日、蛹が黒く変色していた。「病気か羽化直前か」判断つきかねて、早朝の観察をするつもりだったのだが、20日の四号台風一過の朝、すでにもぬけの殻だった。19日には中身があったのだから、数時間の差で機会を失った。台風が悪い。

 他の幼虫は、ミツバにキアゲハ、カラスザンショウに?アゲハ、ホトトギスにルリタテハ、アケビにアケビコノハ、スミレのツマグロヒョウモンくらいしか確認していないけれど、カタバミにはヤマトシジミが舞っている。どの種類も羽化の現場は見たことが無く、記憶にあるのは「お蚕さん」だけだ。


**ササユリの花

2012-06-21 | 性向有毒の翁なれば

Photo_4ササユリの花弁を外し受粉する株盗人のゆえと言えども

ササユリの花弁外せば緋の色のおしべ頷く風も無いのに

ササユリのこの花数を見せたくも見せれば消える花の場は無し

ここにあり誇示する花弁折り取りて受粉済ませばササユリ眠る


林内整備

2012-06-20 | 今日は真面目に

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 沢の奥の茶畑跡の林床を整備した。徒長した茶樹を伐り取り、笹竹も刈り払い林床を露出させた。適度に木漏れ日が入り、夏の日陰には絶好の場所になった。小生等が利用することは無いけれど、東は尾根に続く杉林、西は田んぼ跡でオニワラビの原とネザサの藪が続く。南北の斜面は雑木で、森を楽しめる雰囲気は十二分にある。

 林床は、笹竹の刈り払いで地際から刈り払い機を当てたから植生は無残になったけれど、既に進出していたフユイチゴの緑で覆われて回復するだろう。今度はイチゴ摘みが楽しみな場所にもなるはずだ。


コガネグモ出る

2012-06-20 | 小父のお隣さん

Photo_4  「もう女郎蜘蛛がでた?」と思ったらコガネグモだった。体長は15mm程度だけれど黄金色の腹部のラインが美しい。撮影の仕方が悪かったようで黄金色の美しさは出なかったけれど、巣の真ん中に陣取っている姿は逞しさを感じる。

 ところが結構臆病の様で、うっかり張り糸に触れたら一瞬で葉の影に移動してしまった。少々拍子抜けした。コガネグモは堂々として欲しい。


*初上陸

2012-06-20 | 感じるままの回り道

              初夏日追って雨風初台風

              台風の一夜でホタル田に浮けり

              雨風に打たれへたれた早苗かな

              夏至祝う台風二つ寄りにけり

              台風の叩くガラスに我の影


泥水地の刈り払い

2012-06-19 | 水辺環境の保全

Photo_3  今期、何回目になるのか、泥水地の葦が伸びてきたから刈り払った。周囲に植栽した幼樹にはカナムグラや葛、ママコノシリヌグイなどの蔓草が巻き付いている。これらは一本一本、鎌で処理しなければならない。

 水辺を刈り払っていたらイトトンボが多数羽化していた。まだ飛翔力がなく、ふらふらと飛び立ち、すぐに止まってしまう。

 そのため、奥のほうの3つの池は、しっかりと刈り払う事が出来なかった。手前の浅い水辺には苗がトレーに入ったままある。稲作の田植えをするつもりは無いが「虫の餌植え」はしなければならない。そのためには次々と角を出してくる葦を掘り取ってから…なので貧乏暇なしだ。


*寸景

2012-06-19 | 小人閑居して憮然

               葦刈るも葦軽々と角をだす

               桑の実を欲しくて枝を曳き折りぬ

               ヤマユリの消えし地表の窪みかな

               ノイバラの棘十二分脚無残


アキアカネ羽化

2012-06-19 | 小父のお隣さん

Photo_3  ムギワラトンボかと思ったのだが一回り小型だい。アキアカネのメスではないかと思う。

 トンボ類の羽化直後は、翅が展開して飛翔できる硬さになっても、見た感じは濡れたような光り方をする。あえて飛び立たせるような野暮はしないけれど、美しいきらめきではある。

 水辺が増えたお陰でトンボの種類も多くなった。作業の行き帰りに立ち寄り、しばし眺めるのも楽しみの一つになっている。

 少年時代、群れて飛んでいるアカトンボや蛍の中に飛び込んだものだ。顔に当たるほどの密度だった。そんな光景は信じてもらえないだろうが、パラチオンなどの農薬が使用されて以後、水辺の生物は激減した。


イトトンボ現る

2012-06-18 | 小父のお隣さん

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 夏至を目前にしてイトトンボの数が急に増えた。水辺の土手を歩くと何匹も飛び立つが、何時までも空中に留まらないし距離も飛ばない。種類に確証は無いがイトトンボ類に間違いはなく、あえて言えば「モノサシトンボ」なのかどうか…。図鑑と比較しても明確な相違点が判る訳でも無い。

 ただイトトンボ類は、他のトンボ類と比較しなくても飛翔力が少ないようなので、見ていると物悲しさが湧き出る。そんなわけで、堤の肩の部分から水面を覆うように繁茂してきたウツギを刈り取った。これで水面空間が広がって飛翔し易くなったろう。

 泥水地は厳冬期に一度干上がっているが、ヤゴなどは全滅しなかったのだ。か弱さと逞しさの境界は、これからも分からないままの世界だろう。


ショートカット

2012-06-18 | 月例会

2012/06/17(日)9:30~14:00

会員 8名

活動 遊歩道の整備(短縮路の新設)

 除竹地のひこばえ除去が急がれるのだが、降雨で濡れており、作業不適だから予定通りの歩道整備を行う。ルートの新設距離は10m程度だが、幼児でも利用できるように傾斜を緩和し広くした。これはエスケープルートとしても使え、普段は短縮回路としてルート設定の多様性が得られた。泥水地から直接、尾根左右の沢奥に入ることが出来る。本日の気温31度になった。       1Photo_5 2Photo_6 3Photo_7

 1:丸太ダムからの放水路へ割り丸太の架け橋に続く畑跡への登り口。

 2:畑跡から遊歩道への接続路

 3:北側の林内遊歩道との接続地点