昨日、気象庁から「館林地域気象観測所の移設に伴う今夏季期間における最高気温の公表について」という報道発表資料が公表されました。
館林地域気象観測所は、平成30年6月13日に、元の館林地区消防組合本部(館林市美園町)から西に約2キロ離れた群馬県立館林高等学校(館林市富士原町)に移設。同観測所は夏季において全国でも記録的な高温となりやすい地域にあることから、今夏季の間(7月2日より3か月間)、移設前の場所で観測された毎日の最高気温について公表されてきました。以前であれば自分で集計したところですが、最近時間的な余裕がなく、昨日の発表資料にビジュアルにまとまっていたので、その集計結果のまとめを引用します。

旧観測地点はアスファルト舗装の多い住宅街にありました。一方移転先は風通しの良い校庭の一画に設置されています。

上が現AMEDAS観測所、下が旧AMEDAS観測所 (上毛新聞社HPより引用)

さて、その結果です。日平均気温、最低気温、最高気温の推移を比較したグラフです。橙色(旧観測所の最高気温)と赤色(新観測所の最高気温)に注目。35℃を超える猛暑日なると旧観測所のほうが少し高めの傾向にありますが、ほとんど変わりません。

数値化したまとめです。全期間を平均すると、平均気温で0.2℃、最高気温で0.4℃、最低気温で0.1℃、新観測所の方が低くなっています。最高気温でもっと差が出るかと予想していたのですが、それほどでもありませんでした。最高気温で最も差があったのは9月6日の1.4度。旧観測点は33.2度、新観測点は31.8度でした。
館林では2017年に最高気温ランキング全国1位の日が12日もありましたが、移設後の今年は1日もありません。熊谷で日本一を更新した7月23日の記録を見ると、旧観測所40.1度、新観測所39.4度と0.7度の差となっています。

風向や風速の傾向もほとんと変わりません。
新旧観測地点のデータにはほとんど差がないと判断すべきでしょう。館林はヒートアイランド化が進んでいるわけでもないため、周囲が田畑であってもちょっぴり涼しい程度の差にとどまっているようです。全国の最高気温ランキングは0.5℃以下の差で決まることがほとんどなので、新観測所での最高気温の微妙な低下が、暑さが売りの館林の知名度を若干下げてしまったことは事実です。
6年前の気象庁移転時(大手町→北の丸公園)にも、新旧観測地でのデータが公開されました。この時は冬季の最低気温が1.4℃も下がり、冬日も大幅に増加し、統計データに不連続性を生じてしまいました。今回の館林の移転は、暑さNO1争いへの影響を除けばそのような問題は無さそうです。
参考)気象庁移転時のデータ比較
2012年の気象庁観測地点移転
館林地域気象観測所は、平成30年6月13日に、元の館林地区消防組合本部(館林市美園町)から西に約2キロ離れた群馬県立館林高等学校(館林市富士原町)に移設。同観測所は夏季において全国でも記録的な高温となりやすい地域にあることから、今夏季の間(7月2日より3か月間)、移設前の場所で観測された毎日の最高気温について公表されてきました。以前であれば自分で集計したところですが、最近時間的な余裕がなく、昨日の発表資料にビジュアルにまとまっていたので、その集計結果のまとめを引用します。

旧観測地点はアスファルト舗装の多い住宅街にありました。一方移転先は風通しの良い校庭の一画に設置されています。

上が現AMEDAS観測所、下が旧AMEDAS観測所 (上毛新聞社HPより引用)

さて、その結果です。日平均気温、最低気温、最高気温の推移を比較したグラフです。橙色(旧観測所の最高気温)と赤色(新観測所の最高気温)に注目。35℃を超える猛暑日なると旧観測所のほうが少し高めの傾向にありますが、ほとんど変わりません。

数値化したまとめです。全期間を平均すると、平均気温で0.2℃、最高気温で0.4℃、最低気温で0.1℃、新観測所の方が低くなっています。最高気温でもっと差が出るかと予想していたのですが、それほどでもありませんでした。最高気温で最も差があったのは9月6日の1.4度。旧観測点は33.2度、新観測点は31.8度でした。
館林では2017年に最高気温ランキング全国1位の日が12日もありましたが、移設後の今年は1日もありません。熊谷で日本一を更新した7月23日の記録を見ると、旧観測所40.1度、新観測所39.4度と0.7度の差となっています。

風向や風速の傾向もほとんと変わりません。
新旧観測地点のデータにはほとんど差がないと判断すべきでしょう。館林はヒートアイランド化が進んでいるわけでもないため、周囲が田畑であってもちょっぴり涼しい程度の差にとどまっているようです。全国の最高気温ランキングは0.5℃以下の差で決まることがほとんどなので、新観測所での最高気温の微妙な低下が、暑さが売りの館林の知名度を若干下げてしまったことは事実です。
6年前の気象庁移転時(大手町→北の丸公園)にも、新旧観測地でのデータが公開されました。この時は冬季の最低気温が1.4℃も下がり、冬日も大幅に増加し、統計データに不連続性を生じてしまいました。今回の館林の移転は、暑さNO1争いへの影響を除けばそのような問題は無さそうです。
参考)気象庁移転時のデータ比較
2012年の気象庁観測地点移転