昨日は、舞台の感想を書きかけて・・結局丑三つ時を過ぎ・・
いろいろ調べながらなので・・・それでも、書ききれませんでした。
「焼肉ドラゴン」。
鄭義信さんは私よりほんの少し年下やけど、ほぼ同世代。
姫路に生まれ、姫路城の内掘りのあたりで生まれたそうです。
国有地に住んで立ち退き云々は、ご自分のお父さんの実話らしい。
姫路出身の、私の大好きな俳優さんが出演するというので、
昨秋の、鄭さん作・演出の「GS近松商店」の舞台を観に行ったのですが、
観劇の前に、鄭さんのことをいろいろと調べていて、
「焼肉ドラゴン」の再々演があることを知ったんです。
実は、2011年の再演の時に、桂吉弥さんの、
笑福亭銀瓶さんが出てる「焼肉ドラゴン」を観て感動した、
というつぶやきを見て、銀瓶さんが出てはるのを知ったんですね。
銀瓶さんも在日の方ですが、ハングルは全然できなかったらしいのに、
勉強して韓国語落語をしたり、韓国で落語会もされている噺家さんです。
何度か落語は聴かせてもらってるんやけど、シュとしたオトコマエの噺家さん。
銀瓶さんが出てるなら、よけいに観たいなぁと思ったんです。
銀瓶さんのツイッターをフォローしてるんやけど、
たまたま、昨秋、銀瓶さんのつぶやきに、
「私は新歌舞伎座の、鄭さんのGS近松商店を観に行きます」
なんて、返信を送ったら、
「鄭さんの世界観はいいですよ。僕は『焼肉ドラゴン』に
出させてもらったのですが・・」
というようなお返事をいただいたんですね。
「それ、観たかったんです~ 観られなくて残念」
という返信を送ったら、しばらくして返信がありました。
「来年、再演されるらしいですよ。僕は出ませんが」
「東京しかないんでしょうか・・」
すると、また、しばらくして
「関西公演もあるようです。ぜひ、観に行ってください」
「ありがとうございます。行きます~」
わざわざ、調べてくれはったんですね。
いかに、銀瓶さんがこの作品を愛してはるかがわかりました。
今回も、観劇に来られてたようです。
お会いできませんでしたけど、楽屋にも行かれて、
銀瓶さんが演じた長谷川役の、大沢健さんと会われたようですよ。
在日の人たちばかりの中で、唯一、日本人の役。
キャバレーの支配人で、三女の恋人、しかも鬼嫁?がいてという・・
ちなみに、鬼嫁?の役は、あめくみちこさん。
めっちゃ秀逸で、可笑しかったし、すごかったです~
キレイな着物を着て、髪も盛ってるのに、振り乱して格闘するし。
さっすがですね。大阪弁も上手いし。
しかも、あめくさんは二役で、鬼嫁の妹であり市役所の所員さん。
「姉はクレオパトラ似ですけど、私は、楊貴妃似ですのん」
とにかく、爆笑でしたよ。
鄭さんが描きたかったのは、昨今の日韓の関係もさることながら、
歴史の中に忘れさられるかも知れない時代の風景を、
記録しておきたいという気持ちもあったようです。
初演時、脚本を書くのに1年を費やしたそうですが、
伊丹空港近くにあるN地区を、実際に取材し、
九州の炭坑が閉山したためにやってきた在日の人が、
空港を造るために、そのあたりに住んだということを知ったとか。
それが、後の「パーマ屋すみれ」の作品のベースになったそうです。
劇場でもらったA3版のチラシ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/ac/d67b3e96dae78598026f9fa3266280d7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/08/e742a73d0bca616c4f4ccf3f1eefab13.jpg)
三部作は、「焼肉ドラゴン」と、終戦後、1950年代の頃の九州の、
港町が舞台の、「たとえば野に咲く花のように」と、
1960年代の九州の炭坑の町に住む家族の物語「パーマ屋すみれ」の二作。
通し券で買ったので、二作とも観に行く予定です!
鄭さんは、自らを「棄民」と表現しはるのですが、
昭和の時代の片隅で、差別に苦しみながらも生きていた人々の生活を、
在日の、マイノリティである自分が書かないとと思っているようです。
韓国と合同で制作した初演と、2011年の再演の時は韓国公演もあったとか。
今回はなさそうやけど、「パーマ屋スミレ」は福岡公演もあるようです。
「焼肉ドラゴン」は、反戦を訴えるでもなく、差別を告発するでもなく、
政治的、思想的なことが描かれるでもない、ドタバタ喜劇です。
しかも、ラストもけして報われない。
恋人と北朝鮮へ向かった長女は、きっと帰ってこれないやろうし、
韓国へ渡った次女が、幸せになるかどうかもわからない。
妊娠して、奥さんからダンナを奪い取った三女も、生活は不安定そう。
「・・・働いて、働いて、働いて来たのに」
お父さんのセリフは、重いし、悲しい。
「これも運命、宿命なんや」
そうなんかなぁ・・・
パンフに載っている次女役の中村ゆりさんのコメントに、
稽古場で、お父さんのセリフの、「返せ・・・、息子を・・」
を聞いた鄭さんが、涙をぬぐっていたとありました。
ご自分が書いた脚本やのに。
ストーリーだけを読んだら暗いけど、笑いは満載です。
コテコテの喜劇やのに、泣ける舞台。
今月末に、2作目を、観に行きます~
鄭さんの出自から現在までのことはインタビューで → こちら
いろいろ調べながらなので・・・それでも、書ききれませんでした。
「焼肉ドラゴン」。
鄭義信さんは私よりほんの少し年下やけど、ほぼ同世代。
姫路に生まれ、姫路城の内掘りのあたりで生まれたそうです。
国有地に住んで立ち退き云々は、ご自分のお父さんの実話らしい。
姫路出身の、私の大好きな俳優さんが出演するというので、
昨秋の、鄭さん作・演出の「GS近松商店」の舞台を観に行ったのですが、
観劇の前に、鄭さんのことをいろいろと調べていて、
「焼肉ドラゴン」の再々演があることを知ったんです。
実は、2011年の再演の時に、桂吉弥さんの、
笑福亭銀瓶さんが出てる「焼肉ドラゴン」を観て感動した、
というつぶやきを見て、銀瓶さんが出てはるのを知ったんですね。
銀瓶さんも在日の方ですが、ハングルは全然できなかったらしいのに、
勉強して韓国語落語をしたり、韓国で落語会もされている噺家さんです。
何度か落語は聴かせてもらってるんやけど、シュとしたオトコマエの噺家さん。
銀瓶さんが出てるなら、よけいに観たいなぁと思ったんです。
銀瓶さんのツイッターをフォローしてるんやけど、
たまたま、昨秋、銀瓶さんのつぶやきに、
「私は新歌舞伎座の、鄭さんのGS近松商店を観に行きます」
なんて、返信を送ったら、
「鄭さんの世界観はいいですよ。僕は『焼肉ドラゴン』に
出させてもらったのですが・・」
というようなお返事をいただいたんですね。
「それ、観たかったんです~ 観られなくて残念」
という返信を送ったら、しばらくして返信がありました。
「来年、再演されるらしいですよ。僕は出ませんが」
「東京しかないんでしょうか・・」
すると、また、しばらくして
「関西公演もあるようです。ぜひ、観に行ってください」
「ありがとうございます。行きます~」
わざわざ、調べてくれはったんですね。
いかに、銀瓶さんがこの作品を愛してはるかがわかりました。
今回も、観劇に来られてたようです。
お会いできませんでしたけど、楽屋にも行かれて、
銀瓶さんが演じた長谷川役の、大沢健さんと会われたようですよ。
在日の人たちばかりの中で、唯一、日本人の役。
キャバレーの支配人で、三女の恋人、しかも鬼嫁?がいてという・・
ちなみに、鬼嫁?の役は、あめくみちこさん。
めっちゃ秀逸で、可笑しかったし、すごかったです~
キレイな着物を着て、髪も盛ってるのに、振り乱して格闘するし。
さっすがですね。大阪弁も上手いし。
しかも、あめくさんは二役で、鬼嫁の妹であり市役所の所員さん。
「姉はクレオパトラ似ですけど、私は、楊貴妃似ですのん」
とにかく、爆笑でしたよ。
鄭さんが描きたかったのは、昨今の日韓の関係もさることながら、
歴史の中に忘れさられるかも知れない時代の風景を、
記録しておきたいという気持ちもあったようです。
初演時、脚本を書くのに1年を費やしたそうですが、
伊丹空港近くにあるN地区を、実際に取材し、
九州の炭坑が閉山したためにやってきた在日の人が、
空港を造るために、そのあたりに住んだということを知ったとか。
それが、後の「パーマ屋すみれ」の作品のベースになったそうです。
劇場でもらったA3版のチラシ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/ac/d67b3e96dae78598026f9fa3266280d7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/08/e742a73d0bca616c4f4ccf3f1eefab13.jpg)
三部作は、「焼肉ドラゴン」と、終戦後、1950年代の頃の九州の、
港町が舞台の、「たとえば野に咲く花のように」と、
1960年代の九州の炭坑の町に住む家族の物語「パーマ屋すみれ」の二作。
通し券で買ったので、二作とも観に行く予定です!
鄭さんは、自らを「棄民」と表現しはるのですが、
昭和の時代の片隅で、差別に苦しみながらも生きていた人々の生活を、
在日の、マイノリティである自分が書かないとと思っているようです。
韓国と合同で制作した初演と、2011年の再演の時は韓国公演もあったとか。
今回はなさそうやけど、「パーマ屋スミレ」は福岡公演もあるようです。
「焼肉ドラゴン」は、反戦を訴えるでもなく、差別を告発するでもなく、
政治的、思想的なことが描かれるでもない、ドタバタ喜劇です。
しかも、ラストもけして報われない。
恋人と北朝鮮へ向かった長女は、きっと帰ってこれないやろうし、
韓国へ渡った次女が、幸せになるかどうかもわからない。
妊娠して、奥さんからダンナを奪い取った三女も、生活は不安定そう。
「・・・働いて、働いて、働いて来たのに」
お父さんのセリフは、重いし、悲しい。
「これも運命、宿命なんや」
そうなんかなぁ・・・
パンフに載っている次女役の中村ゆりさんのコメントに、
稽古場で、お父さんのセリフの、「返せ・・・、息子を・・」
を聞いた鄭さんが、涙をぬぐっていたとありました。
ご自分が書いた脚本やのに。
ストーリーだけを読んだら暗いけど、笑いは満載です。
コテコテの喜劇やのに、泣ける舞台。
今月末に、2作目を、観に行きます~
鄭さんの出自から現在までのことはインタビューで → こちら