おかんのネタ帳

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母と暮せば 琵琶湖にて

2018-11-18 23:46:30 | 演劇・舞台
またまた、書くことがたまってきて・・・汗

忘れないうちに?昨日観た舞台のことをちょこっと・・



びわ湖ホールで、こまつ座の「母と暮せば」を観てきました。

数年前に、演劇鑑賞会の例会で、「父と暮せば」を観ました。
井上ひさし脚本の舞台で、原爆投下で亡くなったお父さんが、
生き残った娘を励まそうと、幽霊になって家に現れるというお話。

井上ひさしは、戦争に対して、原爆投下に対して、
かなりの怒りを持っていたようで、広島、長崎を忘れてはいけない、
そのためにも、書かねばいけないと思っていたそうです。

長崎のことを書く前に亡くなられたので、
今回の作品は、井上ひさし原案・畑澤聖悟作、になっています。
山田洋次さんが映画にされた作品でもあります。

「木の上の軍隊」という作品も戦時中の兵士の話で、
「父と暮せば」「母と暮せば」と合わせて、
「戦後”いのち”の三部作」と、山田洋次さんが命名したとか。

つまり、「命」について書かれている作品なんですね。



「母と暮らせば」は、長崎の原爆で亡くなった息子が、
生き残ってしまった母に、前を向いて生きてもらいたいから現れるんです。

富田靖子さんと松下洸平くんの二人芝居。

富田靖子さんは昔はアイドルやったし、映画やドラマでも活躍。
最近は、お母さんの役をすることが多くなりましたね。
年齢的にも、ま、確かにそういう年代やけど。

洸平くんは、去年の「魔都夜曲」を観て以来ですが、
達者な役者さんやし、終演後のトークでも、
富田さんが、「洸平くんが全部言ったので」というほど、
そつなく、おしゃべりも上手です!

音楽もやってるし、ピアノもうまいし、すごいなぁ。
・・・応援してるイケメン俳優さんの事務所の後輩・・・
マネージャーさんも確か同じ人やったと思うけど・・・

そんなことはともかく(苦笑)
息子の母に対する愛情、母の、息子への愛情、
母と息子の絆というか、それが強く感じられる作品です。

原爆投下で亡くなったのは「仕方ない」という息子に、

「仕方なくはない、神が投下したのではなく、人間の仕業なんだ!」

母がそういうふうに叫ぶシーンがありますが、
これは、井上ひさしの思いなんでしょうね。

ところどころ、母子の笑えるやりとりがあります。
ほっこりするところです。

でも、なんで息子が幽霊になって帰ってきたか・・

母は、あの日送り出した息子が被爆したことが悔しくて悲しくて、
生きる意欲をなくしているんですね。

助産婦という、命にかかわる仕事をしてた母、
被爆者ということで「もういいです」と断わられ、妊婦に食べ物を渡すのも拒まれて・・・
それから、助産婦の七つ道具をしまい込んでしまってたんですね。

息子は、あの日のことを母に語ります。
熱か、熱か、熱か、と言いながら悶え苦しんで・・・

「もう一度だけ、母さんに会たか」

そう叫びながら・・・

原爆投下のシーンは、洸平くんに赤い光線が当たり、
その中でもだえ苦しむ姿に・・客席も重苦しくなりました。

「ボクの分まで生きてくれんね、母さん」

息子は、母を元気付けます。
具合が悪いなら医者へ行けと言い、
ご飯もちゃんと食べて、助産婦の仕事もしなさいって、いうんです。

「これを飲んだら大丈夫」

そう言って、コップに塩水を入れて母に渡します。

ラストに、息子は帰っていくのですが(どこに??)、
・・・階段から降りてきたので、階段を上がっていきます~

「町子(恋人)の子どもは男の子だから」と母に言うんですね。
・・幽霊やし、わかるん?なんて思うのですが、
そうやって、母を励ましてるんですよね。

母はその言葉を聞いて、しまってあった助産婦のカバンを取りにいき、
七つ道具を並べ始めます…息子が母のその姿が好きだというてたシーン・・

上演時間は1時間20分ほど。
なので、休憩をはさんで、スペシャルトークが30分ほどありました。

こまつ座代表の井上麻矢さん、富田さん、洸平くんの3人。
麻矢さんは、鑑賞会でもお世話になってますが、ほっこりする方です。
先月も、例会が終わってからの打ち上げに来てくださったようで、
勉強会でも各地を回られてるし、お忙しい方です。

富田さん、洸平さんは、どちらも誠実な俳優さん。
湖岸のホテルで前泊したそうですが、(琵琶湖ホテル?)
浜大津の、ライトアップされてる噴水を見て感激したそうですよ。

「ここはシンガポール??」(笑)

麻矢さんは「琵琶湖の方々にメッセージを」って、
何度も、客席の私たちを「琵琶湖の人」と呼んでました~(笑)

東京公演のあと、2週間も間が空いて、富田さんと久しぶりに会った感じで、
舞台の母と子と、同じ気持ちになれたかも。
そう洸平くんが言うてましたね。

なので、母と話しがしたくてしたくて、ついつい急いでセリフを言ってしまって、
びわ湖ホールが最速の上演時間になった、らしいです~
(ほんの少しらしいけど)



中ホールのロビー前から見る琵琶湖。

千秋楽は12月の兵芸中ホール。
それまでに、千葉とか信州?とか行くらしいです~

日本人として、知っておきたい原爆のこと、
広島、長崎で、多くの人の命が失われたこと。

忘れてはいけませんね。