おかんのネタ帳

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ケイン&アベル 東京初日

2025-02-11 22:46:46 | 演劇・舞台
誰も観たことのない世界初のミュージカルの初日、歴史的瞬間を観てきました!
渋谷の東急シアターオーブのその真ん中、0番に洸平くんがいましたよ!
グランドミュージカルの初主演、それだけでも感動ですが、内容もほんとに素晴らしいものでした。
行けて良かった~!!



『ケイン&アベル』
東宝が名作小説の世界初のミュージカル化に挑み、世界初演として上演する作品です。
音楽、脚本・演出など、クリエイターは海外の方々。あらすじなど詳しくは公式HPで → こちら

公式HPのトップにもありますが、PVもアップされました → こちら
ゲネプロの映像やと思うけど、これだけでも充分、おしゃれで熱い物語が想像できるかと。

プログラムに、ワイルドホーンさん作曲の音楽タイトルが1幕から順に書かれているので、それを参考にして、初日の感想などを記しておきます。
めちゃ長いです。そして、ほぼケイン目線です(笑)

大いにネタバレしてますので、これから観劇する方、ネタバレを見たくないという方はスルーしてくださいね。

開演前の静寂、客席も集中、あの静寂がたまりませんね。

音楽とともに、KANE&ABELと書かれた中央の引き戸状の扉が両側に開いて、
何もない空間に、白い大きなキューブが左右から二つ。
・・・すごい、人力でセットを動かしてます!

映像が映し出され、キューブとキューブの間から、ピンクの可愛い衣装を着たフロレンティナ役の咲妃みゆさんが登場します。
ストーリーテラーの役割で、アルバムを広げてフロレンティナが回想するところから始まるんですね。
年数を重ねたりシーンが替わるときにフロンティナは登場し、「スナップショット」を入れながら、物語をいざないます。

後ろのキューブに時代を示すアナログ写真が次々と映し出され、最後に下手にケイン(松下洸平くん)、上手にアベル(松下優也くん)の写真が映し出されると、それぞれの子役さんがその前に登場します。
音楽とともに、二人の幼少期が、左右対称に、同時に描かれていきます。
「♪宿命の二人」

今回の舞台は、これが特徴的。
二つのキューブ、上手がアベル、下手がケイン、カラーも赤と青という感じ。
同じ楽曲を歌いながら、それぞれの物語が見開きのように左右で描かれるんです。
両方を見ないとあかんけど、対に描かれるから、ある意味わかりやすい。



原作はほんとに壮大な物語で(文庫本上下巻)、特にアベルの幼少期は壮絶です。
ポーランドの森で産まれ、貧困の中で孤児となり、第一次世界大戦の中、ロシア軍に侵略され、男爵の子として城の奪還を託されて銀の腕輪を渡されるヴワテク(のちのアベル)。

片や、同じ日にボストンの名家、銀行家の父のもとに生まれ、多くの祝福の中で育つウィリアム・ケイン。
幼くして父を亡くし、それでもハーバード大で優秀な成績を収め、銀行を継ぐべく期待される中で母も亡くしてしまいます。

ちなみに、ケインは名字で名前はウィリアム。アベルは名前。
旧約聖書にある創世記「カインとアベル」にちなんで書名にしたそうですが、内容は異なります。

ストレートプレイと違って、音楽で物語を進行できるのがミュージカルの良いところやなと。いや、ほんとに。
目を覆いたくなるようなアベルの壮絶な幼少期も明るいイメージになるし。

幼少期が左右で同時に描かれるので、文庫本上巻の大半が、あっという間に進行します。

戦禍を生き延びて、松下優也くん演じるアベルは移民船でアメリカに向かいます。
相棒となるジョージと妻となるザフィアに、ここで知り合います。
ジョージを演じるのが上川一哉くん。ザフィアは知念里奈さん。

船首の映像が映し出される大きなキューブの上で、3人が語り合うシーンがあって。
(結構高いところなので、1階前列の人は見上げることに~)
移民船の乗客たちとここで歌うのが、「♪アメリカンドリーム」
PVにも出てきますが、ほんとに壮大で素敵な楽曲です。
大きな星条旗が下がってきて、まさにアメリカンドリームが今から始まるぞっていう感じ。
もうここで、ワクワクします。

とはいえ、うっとり観てる間はありません。
歌い上げてから、アンサンブルさんたちが大急ぎで衣装を脱ぎだすんですよ。
その間に後ろのキューブが左右に引かれていくと、奥にいるオーケストラが見えてきます。
すっごい! 客席にオケピがないと思ったら奥に! しかも、人数もたくさん~
ここはニューヨークのハーバード・クラブ。
オーケストラもクラブのバンドのように描いてるんですよね。

丸いテーブル、椅子などが登場し、アンサンブルさんたちは、移民姿から素早くドレスアップ、ハーバードクラブのお客様になります。
早業~~! 

「♪最高の時代」
軽快なメロディが流れて、ここで、ケインが登場するはず! 
オペラグラスで待ち構えて洸平くんを探す・・・・中央奥から登場してきたんですよね?
(その瞬間を見逃したや~~ん! 似たようなタキシード姿の男子が多すぎるや~ん 涙)

タキシード姿の洸平くん、めっちゃキリリとして上品で素敵です。
まさにケイン、ええとこの男子! もう、うっとり。
いや、うっとりしてる間はないの。
いきなり音楽に合わせてしなやかに、キレッキレに踊るんです。
PVにもちらっと登場しますが、これはチャールストンなの???

中央に出てきて、洸平くんがソロで歌うのが「♪父の名に恥じぬよう」
NHKあさイチの稽古場風景で登場したあの歌ですね。
音楽監督の塩田明弘さんに指導されてたあの歌。ドキドキして見守りましたよ。
PVにも流れますが、丁寧に、はっきりと、歌詞がわかるように歌い上げます。
ラストの声の伸びもキレイ~ ほっ!

とはいえ、ダイナミックに歌い上げるアベル役の松下優也くんに比べると、洸平くんは繊細で丁寧なゆえに地味目(汗)
なんというてもグランドミュージカルやしね。
グラミュに精通している方々はどう評価しはるんやろ・・なんてことを思って・・・とにかく祈るような気持ちで?見守ってました。

アベルが働くプラザホテル。
アベルがホテル王のリロイと出会うシーンなどがここで描かれるんやけど、とにかくダンスがヒップホップな感じで(よう知らんけど~)おしゃれなんですよ。
「♪ゲームのルール」、アベルがジョージと歌って踊るところは、ほんとエンターテイメント!
このシーンでこんなダンスをするの?って感じです。
ちなみに、上川くんは元劇団四季。一昨年、『アンドレ・デジール 最後の作品』で拝見してます!
めっちゃ歌上手いんですよ。

とはいえ、このプラザにケインも来てるんですよね。(ここ早替えですよね?)
父代わりでもある銀行頭取のアラン(益岡徹さん)と親友のマシュー(植原卓也くん)の3人で下手のテーブルに座るケイン。
コーヒー飲んで、ワインも頼んだりして、3人でなんかしゃべってるの、気になる~。

ここで、ケインとアベルの最初の接触があります。
ワインを注ぐアベルの銀の腕輪をケインがちらっと見るという。
その瞬間、ちゃんとスポットが当たってましたよ。
スローモーションな感じで、ケインが腕輪を目で追うというか。
公開されたPVで観ると、ちらっ、やなくて、しっかり見てましたね!

このプラザでの働きぶりをリロイに見込まれ、アベルはリロイのリッチモンドホテルに勤めることになります。
相棒のジョージも一緒にね。そして、そのリッチモンドでメイドとして働くザフィアに再会するんです。

一方、フロリダで未亡人のケイトに一目ぼれするケイン。
ケインは夫に死なれた未亡人の財産整理の相談を受けに行くんやけど、未亡人やからおばあちゃんかと思ってたら若い女性でびっくりするんですね。
思わずカバンで顔を隠したり、美しさに見惚れてしまったり。ひとめぼれ感がようわかります。

ケイトを演じる愛加あゆさんの歌声がまた素敵「♪波のかなたに」
その歌に、滑り込むように自然に入っていく洸平くんの歌声も素敵です。

ケインが、親友のマシューに恋したことを伝えるシーンはちょっと楽しい。
思わず「おばあちゃんに?」というマシューの返しに、会場から笑いが起こってました~
マシュー役の植原くんは以前、2,5次元ミュージカル『黒執事』で拝見してましたね。
(黒執事ではメイクがすごいお役やったので、友だちに言われるまで、まったく気づかなかったよ~)

そして、リッチモンドホテルで歌うアベルとジョージの「♪俺は右腕」、
銀行員のケインとマシューのシーンでも歌われていました。
それぞれの相棒の歌なんやね。

二人が恋する相手と結婚に至るところも、上手と下手で対に描かれます。
ほぼケインの方しか見てないけど・・・優也くん、ごめん(笑)
左右で4人が歌う「♪愛が始まるとき」、これもほんとに良い歌です。
愛加さんも知念ちゃんも、ほんと上手くて~
ちなみにフロレンティナの咲妃さんもやけど、愛加さんは元タカラヅカ。
知念ちゃんは元アイドルのミュージカル女優さん。井上芳雄さんの奥様でもあります。
・・・知念ちゃんの舞台も拝見してますよ!

リッチモンドホテルで働き始めたアベルは、リッチモンドを黒字にして経営力を発揮するんやけど、時代は世界恐慌へ。
原作で枚数を費やしてるところもサクっと、でも、ポイントは外さずに描いてますね。

リロイを演じるのが、ミュージカル界の帝王、山口祐一郎さん。
堂々とした帝王らしい役、というより、人間的で魅力ある人物です。
株で借金を抱えてしまうテキサス男なんやけど。
アベルの優也くんにもたれかかるように歌う姿が哀感漂いましたね。
というかリロイが歌う「♪潮時」の歌は、「君ならやれる~」みたいな未来を託す歌詞やったと思うけど、この流れでリロイは自死してしまうんです・・・客席が「え?」って感じで息をのみましたよね。
二つのキューブの割れ目に、飛び降りるというより、吸い込まれる感じで・・・
えっ、ここで死んじゃうの~?? 
ほんとに、演劇的というか。すごいシーンがサクサクと~ 
というか、山口さんの使い方が贅沢・・・・

リロイを失って打ちひしがれるアベルを支えるのが、ザフィア。
原作では、経営者としてだんだん大きな人になっていく夫から気持ちが離れていくザフィアなんやけど、ここでは「♪あなたならできる」って励ますんよね。
知念ちゃんの歌声がほんとに力強くて素晴らしい~~

ここで、双方に子どもが生まれて夫婦が喜び合うシーンが描かれるんやったっけ?

ベッドにいるマシューを見舞うケイン。
原作では、病魔に襲われ余命いくばくもないことを知って仕事もせずに飲んだくれて生活が荒れていくマシューなんやけど、そこはさらっと描かれて。
スーツ姿のまま親友マシューのベッドに入り込むんですよね、ケインが。
客席から笑いが起こってました。おぼっちゃまケインの人懐っこいところ。
洸平くんが演じるから微笑ましいのかも。
・・・っていうか、ひぇっ、あんなふうにベッドに入るんか~て、妄想しそうになりましたけど~(苦笑)
ここでマシューが歌う「♪また会う日まで」 
短いフレーズを洸平くんも歌うんやけど、この曲が、二幕のあのシーンにつながるなんてね~~(涙)
マシューはケインの横で、ガクッと・・・ちょっと唐突な感じでびっくり・・・亡くなるんです。

ケインとアベル、二人の最初の対決はケインの銀行。
世界恐慌で銀行は融資を止めます。
そこに現れるアベル。
リロイが亡くなる前に口にした「融資を断ったあの若造」に会いに来るんですね。

リッチモンドを立て直すべく融資を迫るアベル。
自分なら必ず黒字にして返済できるからと詰め寄るけれど、銀行が、ケインではなく銀行が、貸せないんですよ。
怒りをあらわに、ケインの台詞にかぶせるようにまくしたてるアベル。

ここはほんとに会話劇。
洸平くんと優也くんがインタビューで語ってたところですね。

原作では、ケインはアベルへの融資を断りながらも彼に好感を抱くんですよ。
この男はなかなかやりよるな、みたいな。
舞台上でもちらっとそういうとこがあったかな。また、確認しよう。

アベルは融資を断られたことで、怒りがこみ上げて。
リロイを死なせたケインに対して猛烈に復讐心を抱きます。
しかも、リロイに託されたホテルも不審火で燃えてしまうし~~ え~っ、なんてこった!
たたみかけるように展開する一幕のラストはほんとに秀逸。

青いケインと赤いアベル、二人がデュエットする「♪命ある限り」これが素晴らしくて、鳥肌もんです。
PVにも登場するけど、下ハモを歌う洸平くんの低音がぶれないんですよ。
もちろん、煮えたぎるアベルの、優也くんの熱い歌声も素晴らしいけど。
ピタッと合わせて歌い上げる二人に拍手喝采で、幕。
すごーい! もう、ここでスタオベしたくなるくらい素晴らしい!!
二幕が楽しみで仕方ない! 客席もテンション爆上げです。

20分の幕間は、ほぼトイレに並ぶだけで終わるくらい混み合うんですけど、みなさんコーフン状態ですよね。
次はどうなるの?って感じで、列も熱いです(苦笑)

あ~、一幕だけで、めちゃ長いや~~ん。


二幕はもう、さらに、期待と衝撃と感動で記憶も飽和状態で混濁・・・何いうてるん(汗)
とにかく、上手くまとめられませんが・・・

「♪宿命の二人」のリプライズから始まります。
ケイン、フロレンティナ、アベル、3人が並ぶシーンはここやったかな。

そして、銀行家としてのケインと、ホテル事業を拡大していくアベルが描かれます。
「♪成功間違いなし」
優也くんがカッコいいという“タカラヅカばりの階段シーン”もここでしたね。

しかし、時代は第二次世界大戦へ。
この戦争の描き方が面白いですね。
アーミー衣装のアンサンブルさんに交じって、スーツ姿からナマ着替えで戦闘服スタイルになる二人。
ナマ着替えですよ!! (もうドキドキ!)
上手に洸平くん、下手に優也くん。
アンサンブルさんにシャツを脱がされズボンを脱いで、白いタンクトップとサルマタ仕様の?グレイのパンツ姿になるんやけど、ほんと、オペラグラス越しに、え~~っ!!
・・・どなたか、「洸平くんは細マッチョ」ってつぶやいてたけど、ほんとにただの細っこい兄ちゃんではないんです。
脱いでみてわかる、腕とか胸とか筋肉ある人なんですよね~

そんなわけで(どんなわけ?)
ナマお着換え、ほぼケインしか見てないねんけど(笑)、アベルも同じでした(笑)。
すぐ履けるようにキューっと小さく置かれたズボン(下に靴まであって)を履かされ、羽織わされた上着をちゃちゃっと着て(ボタンではなくマジックテープなの?)ベルトを締める。
エアで銃を抱え、ドラムの音に合わせてアンサンブルと一緒に右に、左に、大股で行進。
時々銃を構えて打ち(エアね)、アンサンブルの誰かが倒れる・・・が繰り返されます。
こういうふうに戦争をダンスで描くのって初めて観るね~

原作でも、戦争に参加する二人が細かく描かれています。
それぞれ家族は戦争に行くことを反対しますが、ケインは銀行家として国のため、社会のために役立とうと志願し、アベルは、故国ポーランドのために、実業家として兵士たちの後方支援(野戦での炊事担当)に向かうんですね。

戦場でのケインのソロ。
これが素晴らしい。マシューとのベッドシーンで(←言い方・苦笑)歌われた「♪また会う日まで」のリプライズ。
丁寧に、心情を表しながら歌うんやけど、ほんとに泣きそう~~
めちゃくちゃ見惚れてたので歌詞までしっかり聴き取れてないけども~~(汗)
「死ぬってこういうことか・・・」みたいな歌詞やったかな(汗)

歌い終わって、そのまま戦場に倒れるケイン。
「まだ息がある、誰かは知らないけど、オレはこいつを助ける」と言ってアベルが、ひょいってケインを背負っていきます。
ちょっと重みを感じるような背負い方やったな。

原作では担架で運ばれるんやけど、ケインはおぼろげな意識の中で見覚えある後ろ姿を確認していました。
舞台でもそういうくだりはあったのかな~ また確かめよう。

戦争が終わって、それぞれがわが家に帰ってきます。
上手のキューブに赤系の壁紙のアベルの家、下手に青系のケインの家。
勲章をいっぱい付けた軍服姿で奥から颯爽と登場するアベル、対照的に、車椅子を押されてわが家に戻ってくるケイン。
「♪戦争から戻って」
ケイトとザフィアが歌いながら、それぞれの家族の様子が見開きで描かれます。

ほぼケインしか見てないけど・・・あっという間の描かれ方やけど、ちょっと切ない・・・

銀行、ホテル経営、それぞれ仕事に戻って、ケインとアベルが歌う「♪今が瀬戸際」
セットのキューブが動き、二人も動いて、階段を上がっていきます。
セットの壁をめくったら?階段が出てくるんやけど、セットが動いてるからか、洸平くんちょっと開けにくそうにしてましたね!

二幕は、ケインとアベルが左右で描かれながらデュエットするシーンが多くて、お二人の歌にしびれっぱなしなんですよ。
野心家らしく?アベルが高音を担当するんやけど(たぶん、全部)、洸平くんの低音がすごく安定しててしっかり聴こえます~~
ほんと、素敵!

そして二幕から始まるのが、ストーリーテラーだったアベルの娘のフロレンティナとケインの息子のリチャードの恋。
成長したそれぞれの子どもたち。
二人のシーンはほんとに可愛くて、この物語の癒しです。

実業家アベルの娘というのを隠してデパートの手袋売り場の売り子として働き始めるフロレンティナ。
彼女を見初めて、手袋を買いにやってくるのがリチャード。
演じるのは、洸平くんの事務所の後輩、金髪の竹内將人くん。
東京藝大、英国王立音楽院を出たバリバリのエリートゆえに、さすがに歌うまいし声も良い。
「♪手袋みたいに」咲妃さんとのダンスも可愛い。

二幕も、ほんとに、一気に物語がすすんでいきます。
原作読んでるからいろんなことがわかってるけど、この早い展開、読んでなくてもわかるのかなぁ。

原作ではたっぷり描かれていますが、アベルはケインの銀行の株を買い集めて銀行を乗っ取ろうと画策。
それもこれもケインが憎いから。
同じようにケインを憎んでるヘンリー・オズボーンとアベルが出会ってしまい、順風満帆なケインの人生が不穏に。

ヘンリー・オズボーンは、ケインの父が亡くなった後に母が再婚する相手。
体の弱い母はヘンリーの子を宿して、それが原因で命を落とすんやけど。
ケインは、彼は財産目当てで母と結婚したと思ってるんよね。胡散臭いんやもん。
ヘンリーを演じるのは、今拓哉さん。
ベテラン俳優が憎たらしい役をほんとに憎たらしく演じてます。

金の無心をしにきたヘンリーと再会し、危険を感じて、アベルに電話するケイン。
話し合いたいという申し出を、アベルは一刀両断。
ヘンリーから聞かされていることをアベルはいうんですね。(台詞は正確ではないですが)
「母親を殺したのはケイン」「ヘンリーのお金を奪ったのもケイン」と。
絶句するケイン。なんてこった~~!
「聖書の創世記に書いてあることとは真逆だよ、ケインさん」とアベル。
旧約聖書に登場する「カインとアベル」は、兄カインが嫉妬から弟アベルを殺すという話。
聖書とは真逆、つまり、殺されるのはケインの方だとアベルは言ってるんですよね。
憤りをかみ殺して、何とか誤解を取り消そうと、「誰もいないところで二人で会いたい」というケインに、アベルはいうんです。
「今度あんたと会うのは、天国だ」

冷静なケインが、ここから一気にアベルに対して憎悪を感じるようになるんですね。

一方で、恋に落ちるフロレンティナとリチャード。
お互いが誰なのかを知ってからも、さらに愛が強まって・・・二人がほんとに可愛い。

フロレンティナがアベルにリチャードのことを打ち明けた瞬間のアベルの激昂。
ケインもまた、リチャードとフロレンティナとの結婚を許しません。
洸平くんとリチャードを演じる竹内くんとは7歳しか違わないけど、ここでは本当にお父さんなんですよね。
優也くんもやけど、老いてからの演技がほんとにうまい。
二人とも、中年を過ぎた父の顔なんよね。

ケイトを演じる愛加さんが夫に向かって歌い始めるのが「♪もううんざり」
かたくなに互いを恨みあうケインとアベル、この二人に訴える妻たちの歌がすごい。
それに応えるようにケインとアベルも歌う。
やがて上手から、それぞれの息子と娘が旅行カバンを持って現れて、ここで、6人のハーモニー、声量も大きくてほんとに圧巻です。

愛娘の言葉に、いったん折れて、リチャードに会ってもいいと思うアベルやったけど、状況が一転します。
憎悪にかられるケインは、上院議員にまでなったヘンリーがアベル名義で行ったという贈賄容疑を告発・・・・
ずっと冷静だったケインが、とうとうやってしまうんです(汗)

ヘンリーの自殺でアベルは収監されずにすむんやけど、これが原因で、ケインは銀行の頭取をおろされることになります。
舞台ではサクっと描かれてるけど、原作では誰が敵で誰が味方なのかという、ハラハラの展開があります。

リチャードとフロレンティナは本当に希望の星。
許してくれない父親を見限って二人で結婚してシカゴへ。男の子も生まれる。
アベルばりに仕事のできるフロレンティナはアパレルの事業を拡大していく。
もちろんリチャードも優秀で、彼女の事業を経理面で支えていこうとします。

10年後、そのフロレンティナが生まれ故郷のニューヨークに出店。
「♪私にはできる」は「あなたならできる」のリプライズ。
フロレンティアの歌声も素敵。

お店のオープン記念パーティの日。
上手から、それを眺める初老の紳士の姿が。

原作を読んだ時、このシーンはどのように描くんやろうって思ってたから、杖をつきながら歩く初老の紳士の後ろ姿を見て(なんせ上手席なので)涙がこぼれてきました。
老いたケインです。
洸平くん、なんで、こんなに年寄感を出せるの、なんで、老いてるのに、そんなに美しいの~~
・・・とはいえ、こちらを向いたときも帽子をかぶってるから顎のあたりしか見えへんねんけども。 

下手からも、同じように登場する初老の紳士。こちらがアベル。

二人が歌う「♪なんのために」、
ゆっくりと歩き、舞台中央ですれ違う老いた二人。

原作では、株の操作でケインを頭取の座から降ろすことに成功するアベルですが、この時、自分の喜びが小さいことを感じるんですね。
ケインもまた、アベルが収監されなかったと知ってほっとしたり。でも、職を失うことで心臓発作を繰り返してしまうんです。

舞台中央ですれ違う時、アベルが振り向いてケインを見てたような。
原作では、アベルの手首にある銀の腕輪を見てケインが過去のもろもろに気づくんやけど、舞台でもそうやったのかな。
二人が歌う歌詞にありましたっけ?
感動で胸がいっぱいで、このへんちゃんと観れてないし、聴けてへん、というか、もういっぱいいっぱいで記憶できてない・・・(汗)

ここからラストに向かって原作を読み返してみたんやけど、舞台シーンと被って、泣けてしまった。
原作では、弁護士が保管してたシカゴの銀行の元支配人が書いた手紙をアベルが読むんやど、舞台では、ケインの妻ケイトが、夫の遺品として出てきた書簡をアベルに渡すという設定になってました。

アベルが、相棒のジョージに眼鏡を持って来させて、文字を目で追いながら、驚き、声を上げ、ジョージにいうんです。
「あの200万ドルを貸してくれたのはケインだったんだ」「彼が私を救ってくれたのだ」(こんな感じの台詞やったかと)

この時、後ろの二つのキューブが左右に開いて、奥からグレイのグレンチェックのスーツを着たケインがゆっくり歩きながら、「♪君の名に恥じぬよう」・・・1幕最初にケインが歌った「♪父の名に恥じぬよう」のリプライズソングを、ゆっくり、間をおきながら歌うんです。

知らん間に、私のほほを涙が流れていきます。
もう、たまらんのよ、ここは。

ケインがアベルの真後ろに立った時に、下手から、リチャード、フロレンティナ、そしてその子(孫の)ウィリアムが登場、ウィリアムがアベルに駆け寄ります。
その子の背中を押すケイン・・・・もう、この辺りでは号泣ですよ。
ここでフィナーレ・・・・感動のうちに幕。

物語の結末を知ってるのに、やっぱり泣いてしまいました。
こんなふうにドラマチックに描くんやね~~
すごい大河ドラマやった!

いったん暗転してからカーテンコール。  → こちら 
オーケストラの音楽とともに、横一列に並んだアンサンブルの人たちから。
二列に分かれてお辞儀があって、子どもたち3人が上手、下手から走って登場。
次に、リチャード、ヘンリー、マシュー、ジョージ、ケイト、ザフィア、アラン、リロイ、フロレンティナが中央へ、ラストは上手からケイン、下手からアベルが小走りに登場。
優也くんと洸平くんが中央でハグしてがっちり握手。
歓声が最高潮になって、客席一斉にスタオベ。

センター7列目あたりいたワイルドホーンさんが真っ先に立ち上がったからスタオベになったらしいねんけど、一気に観客が立ち上がったからか?
舞台上で「え、これどうする??」って座長の洸平くんが戸惑って、お隣の優也くんに聞いてましたね。
で、いったんハケて、再度登場して、舞台挨拶が~~ こちら

洸平くん、「本日はケイン&アベル世界初演初日にご来場ありがとうございます!今日ご覧いただいたお客様、歴史的な瞬間に一緒に立ち会っていただけたかなと思います。いかがでしたか。楽しかったですか?」(いつも洸平くんは、楽しかったですか?って聞いてくれるね~)
「皆様に素晴らしい作品をお届けすべく、11月から稽古、稽古、稽古・・・テキレジ(台本改訂)、テキレジ、テキレジ・・・をしてきました!
今までどんな作品でも共演者に恵まれてきましたが、今回はこんなに素晴らしいキャストの皆さんとご一緒することができて、何よりボクの愛する相棒、ご紹介してもいいですか(歓声!!) 松下優也~~(大歓声!)」
愛する相棒って言いましたよね? ふふっ
紹介された優也くん、「・・・・こんな素敵なキャストの皆さんと、今、言ってくれた最高の相棒、洸平くんと共演できたこと、めちゃめちゃ幸せです」 
最高の相棒ですって!! 相思相愛になったのね~!

そして、言うてましたね。「ボクら、めちゃめちゃ伸びしろのあるカンパニーだと思うんで」って。
キャストも歓声を上げてたけど、洸平くんも、「間違いない。こっからさらに~」 っていうてましたね。

舞台初日ということもあり、アメリカのクリエイターの方々も紹介してくれました。
通訳さんを連れて、音楽のワイルドホーンさん、脚本・演出のダニエルさん、作詞のネイサンさん、編曲のジェイソンさん、振り付けのジェニファーさんが登壇。
豪華やわ~~初日だけある~~
印象的な言葉は、「我々が作ったクレイジィな作品をキャストの皆さんが演じてくれた」、みたいな言葉。
クレイジィ、突拍子もないとか、創造的な、とかの意味でしょうかね。

さて、書き足りないことはいっぱいあるけど(こんなに書いておいて!?)、とりあえずの初日の感想&レポでした。
プログラムと、原作も引っ張り出しての忘備録になりました。

なんせ、この日と翌日で全く別の演劇を3本観るという相変わらずのバタバタ。
とはいえ、ちょこっとのメモと、記憶をたどって書き始め・・・プログラムと原作本を見ながら書き足してたら、長い・・・汗
記憶にないことは書いてないけど、記憶の間違いはあると思うので、間違ってるところがあれば、覚えてる方、こっそり教えてくださいませ~~

『ケイン&アベル』
その後、評判は上々のようで、グランドミュージカル通の方々がご覧になったり、同業の方がご覧になったり。
洸平くんをホメてくださる方がいっぱいいて、安心しました。
そして、初日から回を重ねるごとにブラッシュアップして、舞台は、すごいものになってるらしいです・・・
追いチケする人も多数・・・・

東京は2月16日まで。
大阪公演は、2月23日から。




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