マクロン「社長」の焦り
2018年12月2日(日)
フランスのマクロン大統領が安倍首相に会いたがっているようであります。
12月1日の朝日新聞です。
アルゼンチンで開かれる主要20カ国・地域首脳会議の際に「会談」すると報じられています。
マクロン氏がどのような話をするか、大方の予想では、ルノー、日産、三菱のアライアンスに関して、ルノーが主導権を握ることを了解して欲しいということであるようです。
まぁ、フランス政府はルノーの筆頭株主ですので、口を出すことは当然でありますが、日本政府は日産とは一切関わりはないのでござんす。もっとも、与党自民党は日産から政治献金(という名の賄賂性の高いお金)という美味しいお金をいただいていますので、裏では日産の意向に沿った動きをしかねないと思いますけど。まぁ、表向きは、一私企業に口出しはしません、って態度を取らざるを得ないでしょう。
そんなことは百も承知で、マクロン氏が安倍氏に会って、すがってでもお願いしたいことって何でしょうか・・?
私は、日産にルノーを見捨てないでね、というお願いと思います。表向きはルノーが日産を支配していますので、強気に見えるかも知れませんが、実体は、日産なしにルノーの存続はかなり難しいのであります。
フランス側が、「3社連合のガバナンスは変えないことで世耕氏と合意している」言っていますが、世耕経済産業大臣は「日産のガバナンスに関して他国と約束したことは全くない」と言っています。ここにも、仏側の焦りを感じるのであります。
提携時の生産台数ですが、日産240万、ルノー198万と42万台差です。
昨年は日産581万に対してルノー376万と大きく差ができています。企業の実力は時価総額で見るのが分かり易いと思いますが、約1.7倍の開きがあります。参考までにトヨタの時価総額は約22兆円!
今年の上半期の販売台数でルノー連合がトップに立っています。
ただ、これは、ルノー連合が世界一の自動車グループという訳ではありません。
売上高は、3社足して21.9兆円。(注 この売上高の中には相互に売り買いをしているものがあると思いますので、純計すると少なくなります。)
トヨタは約29兆円!です。ルノー連合の約1.3倍。
マスコミは、自動車の販売台数(生産台数)を比較して、世界一とか何とかと言っていますが、これは誤解を与えます。企業規模を優先して考えるベキです。
参考までに、ダイムラーの販売台数は約330万程度ですが、売上は約22兆円です。企業の実力からしたら、ルノー連合よりか上です。
さてはて、この3社連合の今後の展開ですが、自動車評論家の国沢光宏は氏のブログで「全面戦争の始まりであります」と述べています。
以下、氏のブログ(一部抜粋)です。
つまり現在の取締役7人についちゃ次が無くても良いという決断をしたのだった。当然の如くルノーからすれば超面白くない。近々欠員になった取締役2人の補充をすべく臨時株主総会を開くだろうが、そこで44%の持ち株比率の権利を行使、取締役全員の交代を要求してくることだろう。つまり日産はルノーにケンカを売り、ルノーも買うことを意味する。全面戦争の始まりであります。
次は私のブログです。
https://blog.goo.ne.jp/windy-3745-0358/e/d3a4e1a007fbf844769373b657a166b9
私ゃ、「全面戦争」になるとは思っておりません。マクロン氏が安倍首相に「泣きついて」いる訳ですから、ルノー側には喧嘩をする実力も気力もないということです。現在のアライアンスよりか、日産に有利な展開になることは容易に想像できます。日産が徐々に支配権を拡大していくものと思います。考えてもみてください。能力も実力もない人間(ルノー)が、能力も実力もある人間(日産)の上司としてやってきて、そのような組織が活性化すると思いますか?ということです。