水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

ニューヨークのイギリス人

2010年12月11日 | 日々のあれこれ
 お弁当をお休みしたのと、講習第一クールが終わった開放感で、仙波交差点付近にあるセルフ食堂の半田屋さんへ。
 アジフライ、中華風唐揚げ、冷や奴、味噌汁、小ライスの計550円というちょっと豪華なお昼を食す。
 といってもビジュアルは決して豪華には見えないし、素材うんぬん言える値段でもないが、ほどよい満足感は得られる。
 有名店で5500円のランチを食したからといって、必ずしも同じ満足を得られるとは限らない。
 ハイからなお店のおしゃれなコースより、カツ丼大盛的なごはんの方が性に合っている人もいるということで、でもそれゆえに人として劣っているというものでもないのだ。
 B級のなかに優れたB級があり、A級のなかに低品質のA級がある。
 けっきょくジャンルのちがいであり、どちらかがえらいというものではないのだろう。
 吹奏楽は音楽のなかではB級と扱われることも多いが、音楽として劣っているわけではないし、A級と扱われるオケが常にいい音楽であるというものでもない。
 もちろん、それぞれのジャンルのなかに、いいものと悪いものはある。
 だからといって、ジャンルそのものがすぐれているとか、劣っているとかはたぶんない。
 もし吹奏楽がクラシックに比べ劣っているように見えるとしたら、ジャンルとして未成熟な面があるからだろう。
 日本の吹奏楽を牽引してきた東京佼正ウィンドオーケストラの演奏会に一昨日でかけた。
 課題曲を演奏して、親しみやすい名曲をいくつかやって、有名な吹奏楽の大曲でしめるといった、お子様向けの演奏会ではない。
 クラリネットと指揮のポールメイエ氏がプロデュースした、ジャズの要素を取り入れた吹奏楽作品ばかりのプログラムだった。
 そのせいか超満員の客席といった状態ではなかった。
 演奏はすばらしかった。
 前半、ビッグバンド編成を従えて、ポールメイエ氏がクラリネットソロと指揮をする。
 そのままブルーノートトーキョーでやってぴったりの曲がいくつか。
 かっこいい。ていうか外人さんて、やっぱかっこよく見える。
 かっこよさ偏差値の等しい日本人とフランス人がいたら、やっぱ日本人は一歩見劣りしてしまう。 
 オケを見にいったときも感じるけど、基本的に西洋の楽器は西洋人に一番似合うのは、もうDNA的にしょうがないと思う。
 後半はメイエ氏の指揮によるフルバンドでバーンスタイン「シンフォニックダンス」とガーシュイン「パリのアメリカ人」。
 「ウィークエンドインニューヨーク」をやるために、ぜひとも聞きたかった。 採点終わってないけど行ってよかった。
 メイエ氏の奔放な棒は、すっかり大御所になってしまったメンバーの方々を落ち着かせない。
 前のめりの棒がほどよい緊張感となって渾然一体の音楽を紡いでいく(なんか吉田秀和みたくなってきたぞ)。
 この日得られた満足感は、A級とかB級とか、クラシックとかジャズとか吹奏楽とか関係なく、あの日あの場にあった楽器群が奏でた、かっこよく心地よい音楽だった。
 当日券も、高校生対象の割引もあったようだ。こんどはみんなを無理に誘って来よう。
コメント (1)
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