水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

実力テスト

2011年01月12日 | 日々のあれこれ
 実力テストの採点をしていたら、当初予定していたよりも詳しく説明すべきであることに気づき、急遽プリントを用意したりしたので、忙しい日になった。
 評論の問題は、自分でも理解に自信のない部分があったのだが、もちろんそんなそぶりをみせてはいけない。
 プリントをつくり、漢文の問題を解いてもらっている間に、次の時間の現代文の予習をし、空き時間にお弁当を食べながら古文の解答を考え直しという自転車操業になる。
 もちろん、授業に入れば何でもない顔で、「ここは何言いたいのかわかる?」と聞き、考えてもらっている間に必死で自分も考える。
 ちょうど水鳥が水面をすうっと進みながら、水の中では必死にあがいているのと同じ一日だった。
 今回の実力テストは、トータルではセンター試験より難しいレベルになったが、さすがに上下の差がひらく。
 センター試験形式の問題ではほんとうの国語の力は測れないという意見もまま聞かれるが、ばっちり測れるとあらためて思う。
 だいたい、そういうことを言う人の国語力が基本的に低いのだけど。
 採点しながら、この子がこれくらいしかとれないのは、きっとこういう原因だろうと見えてくる部分もあるので、今後ピンポイントで指導してくことも必要かなと思ったりした。 
 まあ一番の原因は語彙力の問題なのだが。
 それは本校だけの問題ではないだろう。
 かぎられた超優秀な学校の生徒さんにくらべた場合、生まれてから現在にいたるまでに蓄えてきた語彙量が異なるうえに、高校に入ってから意図的に語彙を増やそうという勉強をしてないので、ていうか英語や数学にいそがしくて手が回らず、少し難しい文章になると身体が受け付けなくなるのだ。
 1問解いたら、そこでどんな言葉を学んだかを蓄積していってもらおうと思う。
 あと評論なら、その文章を読んだことで、どんなものの見方に気づいたか。
 出口汪先生だったかな、評論を一問読むことは新しいものの見方を一つ身につけることだ、とおっしゃっていた気がするが、そういう感覚で解いてもらわないと、今後現代文はのびる子はのびるけど、のびない子は何時間やっても同じになってしまいそうだ。
コメント
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