水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

小論文の基本 覚え書き

2012年02月24日 | 国語のお勉強

 次々と私大の合格発表があり、3年生たちが笑顔で部にもどって来はじめている。
 添削を担当した子の朗報も届いてきたので、ちょっといい気になって、ポイントというか、今年とくに気をつけたことを書いておきたい。

1 とにかく課題文の内容をつかむこと
 「課題文を読み、思うことを述べよ」というタイプのものが最も多いパターンだが、勉強を始めたばかりの子に書いてもらうと、本当にフリーに書いてきて、その結果課題文があってもなくても関係ないような文章になっている。
 与えられた課題文の内容をきちんと読み取ることが大前提だ。
 まず現代文としての読解力が問われるわけで、ふつうの国語のテストは自信がないけど、小論文なら文字を埋めればなんとかなるのではないか … ということはあり得ない。
 「○○について書け」という問題で「△□」について書いてあったなら、600字書いても1000字書いても、零点になる。 
 書き始める前に、与えられた課題文を読み取り、それをメモしてから、書くべきことを考えないといけない。
 この段階が、つまり現代文の読解力の問題で多くはつまづく。

2 課題文に書かれた筆者の主張に対して、基本的に賛成の方向性で考えを述べる。
 「課題に対してYESかNOを述べるのが小論文」という有名な指導法があるが、少なくとも本校の生徒さんが受験する大学の問題にはあてはまらなかった。
 課題文として与えられる文章は、ふつう一般的な評論やエッセイだ。
 それらの文章は、もともと世間様に対してもの申したいことがあって書かれたものだ。
 一般論、一般的通念、世間の常識とは異なる内容が書いてある。
 そうでなければ書かれる意味がないから。
 だから課題文の主張にNOを唱えようとすると、結果として一般論と同じ意見を書くことになる。
 課題文よりも凡庸な主張が、課題文よりも稚拙な文章で書かれたものができあがる。
 読まされる側は、つまりその課題文を選び、多くの高校生に読んでほしいと意図した大学の先生は、うんざりするだろう。
 基本的にはYES。それを自分なりにどう理解したか、そのアピールが一番大事だ。

 だから小論文といえども、書くべき内容は実は決まっているのだ。
 「自由に論ぜよ」と書いてあるからといってほんとに自由に論じたら、普通の試験とちがって簡単に零点になる。
 以上を意識しておくだけでも勉強の方向性が見えると思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする