水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

ソロモンな日々

2012年10月10日 | 日々のあれこれ

 十数兆円の復興予算が、われわれの血税が、復興とは何の関係もない方面でどんどん使われている。
 「被災地の真の復興のために日本全体の経済再生が大事」というような文言が、基本方針に盛り込まれているためだそうだ。
 たしかに、日本全体が幸せになることで、日本中の景気がよくなることで、巡り巡って被災地にもなんらかのよい影響がもたらされることは間違いないだろう。
 ならば、福島の除染よりも、沖縄の国道整備とか、反捕鯨団体対策費とかの方がたまたま優先されていたとしても理屈は成立するのかもしれない。
 お役人てかしこいね。ちょっとした言葉をうまく盛り込むことで、広い範囲で、様々なことに財源を使えるようになっている。
 法律の条文に直接書いてないことでさえ、解釈の仕方でいろいろ読み替えて運用してきたのが我が国だ。
 言葉で書いてあるなら、理屈はどうにでもなる。
 日本の官僚たちの国語能力は、われわれ国語教師が育ててあげた結果、かくもエクセレントなものになっている。
 ただ国語教師たちは、言語能力は育ててあげたけれど、その力を何のために用いるべきかを判断する能力は育てられなかった。
 でも、それは国語科のせいではないな。だいたい学校の先生レベルの言うことに左右されるような生徒さんは、国の予算を決められる立場にまではならないだろう。
 この予算の運用の仕方を見ると、以前の「未履修問題」など問題のかけらにもならないようなものに思えてくる。
 少なくともわれわれは、自分たちの権益最優先ではなかった。
 筋論にしたって、東京都の私学協会会長さんだけがおっしゃっていたが、私立高校の裁量の範囲でできる「未履修」だったと思う。そう思っている人はいたと思うけど、それを口に出していえるのは、お上との力関係では都の私立だけだったのも現実だ。
 あれ以来、とにかくすぐに謝ろうと言った本校校長に、しばらく対応に追われてて学校説明会の日に供された登利平の鳥弁さえのどを通らずに「水持さん半分食べて」と言った校長に、なんとか元気になってもらいたいと思い、「見てろよ、うまくやってる県立高校め」と思いながら、そのあとバリバリ働いてるつもりだし、誰も言わないけど、うちの先生方はけっこうベースにその時の気持ちはあると思う。ずうっと後になってから実はうちも未履修でしたとか手を上げたようないくつかの私立には負ける気しないし。
 あれっ? なんか、ちょっと思いの丈を吐露するみたいになってしまった。
 それよりもソロモンだ。
 早くソロモン出ろ!と願うここ数日、ほかの小説を読む気がしなかった。
 『ソロモンの偽証第3部』が今日発売になるはずなので、西部地区高校音楽祭の打ち合わせに行きますと言って学校を早めにでて、ブックファーストによってみたが、まだ並んでいなかい。
 打ち合わせが終わり、いったん学校にもどり練習を終えて電話してみたら入荷しましたと言うではないか。
 くぅ~っ。少し早く行きすぎた。明日から、試験問題づくりとソロモンのせめぎ合いがはじまってしまう。

コメント
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