代ゼミの先生の小論文の本を読んでいたら、「どういうことか」という問題で求められているのは、「言い換える」「まとめる」「埋める」の三種類だと書いてあって、なるほどと思った。
~ ①傍線部を〈いい換える〉、②本文中の情報を〈まとめる〉、③抜けている論理を〈埋める〉
これらを区別しないと、〈いい換える〉問題でその辺の段落をまとめてしまったり、〈埋める〉問題なのに傍線部をいい換えてしまったりするんだよね。(鈴木鋭智『小論文のオキテ55』中継出版) ~
すべての設問がきれいに①か②か③かにきれいに分類できるわけではないけど、設問に要求されているのは何かという観点をもってもらうのに、いい説明だと思った。
少し使わせてもらって、様子をみてみよう。「言い換える・まとめる・埋める」の三つの観点。
傍線部が問われるのは、何らかの理由で、そこが「難しい」からだ。
傍線部が「難しい」理由は何か。
そこに難解な語句がある場合、それ自体は難解ではないが本文独特の意味で用いられている語の場合、抽象表現、比喩がある場合。このときは「言い換え」でいい。
傍線部内に指示語があったり、意味段落のまとめの位置に傍線がひかれている場合には、「まとめる」を用いる。
傍線部に論理の飛躍がある場合。出口先生はこれを「AだからZ文」とよんでいた。その飛躍している部分を「埋め」て、つながるようにしてあげる。
②の場合は、本文のどこをまとめればいいかを見つけることがポイントになる。
だから、その見つけ方を教えればいい。
①も、たいていの場合、本文のどこかに言い換えられた表現がある。それをまず見つける。
③は、その論理を読み取ること自体が目標だが、でも本文のどこかに、もしくは全体に書いてある。
基本国語は、与えられた本文のなかにほぼ答えが書いてある、特殊な科目だとも言える。