水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

社会性

2016年02月02日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「社会性を身につける」

「社会性を身につける」とは、マナーを身につけることを言う。
 たとえばビュッフェ形式の食事。
 一箇所にとどまってひたすら盛り続けること、好きなものだからと全部とってしまうこと、トングを元の場所に返さないこと、こぼしたものをそのままにしておくこと、どれもマナー違反だ。
 ホテルの方は、各プレートの料理の減り具合を見ながら、補充分を調理している。この肉料理はふつう二、三切れずつとるから、あと10人ぐらいでなくなりそうだ、そろそろ補給しようと計算する。列に並んでいる人も、自分ぐらいまではあるだろうと視界に入れているはずだが、何人かがそんな空気をものともせず、さらうように山盛りにとってしまったら、どうだろう。
 すぐ後ろに並んでいる人もイラっとするし、ホテルの人もかるくイラっとする。この学校は、しょせんその程度のものなのだろうと、無意識に判断する。
 松茸御飯がかりに出たとして、松茸ばかり選んでとったり、イチゴショートケーキだけを山盛りにしてみたりするのも、みっともない。
 自分の欲求のまま、食べたいものを食べたいようにふるまっていいのは、相当長く見積もっても幼稚園に入る前までではないだろうか。
 ちなみに、数少ない経験からの判断ではあるが、値段が高いホテルのビュッフェは、お客さんのの取り方もきれいだった。格安のパック旅行で泊まった宿の朝食バイキングとは対照的だった。
 部屋の過ごし方も同じだ。
 一部屋を4人なり7人なりで使用するのだから、自分のスペースはこれくらいかなという目安は立つはずだ。自分の荷物や衣服をところかまわずまき散らしている人は、決して悪気はないのだろうが、周囲はイラっとしている。
 怖いのは、他のメンバーもきれいにするのがバカらしくなって、部屋全体がゴミ屋敷化してしまうことだ。すると、ものがなくなる。なくなっていないのに、「○○がない」と騒ぐ人が出てくる。
 「おまえ、盗ってないよね」みたいなニュアンスの言葉が発せられると、友だち関係があやしくなってくる。人間関係が実に脆い一面をみせることになる。
 他人の存在を意識し、他人をイラっとさせないのがマナーだ。
 細かい「イラ」の積み重ねは、怪我や事故につながる。
 何でもないような細かい気遣いの積み重ねが、人間関係を豊かにする。
 なんといっても、マナーの一番の基本は、あいさつだ。
 ホテルの方にあいさつをしよう。レストランの方に、廊下ですれ違った方に、ルームクリーニングにきた方に、元気よくあいさつしよう。
 スキー場の関係者にあいさつしよう。レンタルスキーの業者さんに、リフト乗り場でほうきで雪をはらってくれる係の人にあいさつしよう。
 もちろん、インストラクターの先生に元気よくあいさつし、たくさん習おう。
 眠いから眠そうな顔をする、気分がノってないからやる気のない顔ですごすのは、おしっこしたいからオムツにするのと同じで、許されるのはせいぜい三歳くらいまでではないだろうか。
 誰かよくわからない人にも、自分からあいさつをしよう。それが、大人への第一歩だ。

 

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