1学年だより(有名人になる方法)
有名人になりたいと思ったことはあるだろうか。
いろんな分野の有名人を目にして、自分もいつかあんなふうになってみたいと夢想することはあっても、現実にそういう人生を送ることはないだろうと漠然と考えているのが、私たちの普通の感覚だと思う。
まして自分には、特別な技能や才能、並はずれた容姿や歌のうまさ、ダンスの能力はない、Jリーグで活躍できるほど上手ではないし、ノーベル賞をとれるほど頭がいいとは思えない、強運の星のもとに生まれたわけでもなさそうだ。
でも有名人はいいなあ、すごい車に乗りたいなあ、芸能界のきれいなお姉さんと結婚できたらいいなあ、ま、違う世界の話だけどね … 。
ふつう一般人はそんな感覚で生きている。
しかし、その気になれば、ある程度の確率で有名人になる可能性を多くの人はもっていると、勝間和代さんは言う。
~ 「はじめに」で、わたしは、相当の決意と目的意識、そしてある程度確率の高い方法論を繰り返し行えば、高い確率で有名になれると書きました。
「えーーーー!?」と思う人も多いかと思いますが、じつはダイエットと同じで、そこにはある程度、王道があると考えています。さまざまなダイエットや身体を鍛える方法が、本に、DVDに、講座に、そしてテレビにあふれているにもかかわらず、実際に身体がきゅーーーっとしまっている人が少ないように、結局、方法がわかってもそれをやらない人が多いため、なかなか有名にならないだけのことだと思うのです。(勝間和代『「有名人になる」ということ』ディスカヴァー・トゥエンティワン) ~
勝間さんはこのように述べて具体的な手順を提示していくのだが、それに従ってやるかどうかのところに大きな分岐点があるはずだ。
「有名人になる」は「成功を勝ち取る」に言い換えるとなお分かりやすいかもしれない。
どうすれば成功するかを説いた本は巷にあふれている。そこには、様々な方法論が具体的に示されている。著者は、その方法論に基づいて実際に成功を勝ち取った方々だ。
ノウハウを惜しげもなく公開していただいているのだから、それを読んだ人々が同じようにやれば、成功に近づく可能性はかなりある。
仮にある「成功本」がベストセラーになって10万部売れたとして、そこに示された成功のノウハウを実践にうつす人がどれだけいるだろう。
なるほど自分もやってみようかと考える人は万単位でいるだろう。
実際にちょっとやってみる人も何千人か存在するだろう。
しかし最後までそれをやりきる人は現実には少なく、成功するかどうかは結局のところ最後までやるかやらないかにかかっているのではないかと思うのだ。
1学年だより(有名人になる方法2)
では、どういう方法で有名人になれるというのか。
~ その方法論は、ひとことで言えば、自分をある商品ととらえて、その特徴を把握し、どのセグメント(分野)のどの顧客であれば受け入れられるのか、そして、どのチャネルを使ってどのようにアプローチすれば売れるのか、その仮説をつくり、PDCA(Plan計画→Do実行→Check検証→Action改善)サイクルを回して実行する、その繰り返しです。つまり、通常のビジネスと同じです。 ~
自分とはどんな人間なのか、これを知ることが第一になる。
自分が他人と違っているのはどういうところか。
他人と比べてどういう分野が強く、どういう分野が弱いのか。
ある分野で成功をおさめ有名になろうと思ったとする。
しかし、その分野が自分という人間の能力や資質とはかけ離れたものであった場合、いくら努力してもせいぜい人並みになるといった程度で終わるだろう。
もし他人より強い分野、またはあまり多くの人が手を出してない分野であったなら、正しい方向性の努力を積み重ねることで、人から抜きんでることができる確率は高くなる。
勝間氏は、パチンコやパチスロでむやみに打っている人はお金を減らすだけだが、釘や目を読める人はお金を増やせると例をあげて説明している。
自己の分析に基づいた努力こそが、自分を有名人にする確率を高めるという。
「有名になるって自分の目標じゃないから関係ない」と思い始めてる人もいるだろうから、言い方を換えよう。
勝間氏は、有名人になる方法は「普通のビジネス」と同じだと述べている。
つまり、仕事をする、成功をおさめる、目標を達成する行為も、同じなのだ。
たとえば、「将来あの大学でこういう勉強をしたい」と思ったとする。
そのためには、まずその大学に入るための勉強をしなければならない。
受験科目は何? 何点とれば受かるか? そのためにどんな勉強が必要なのか?
自分の弱いところは何? 得意な分野は何? いつまでに何をやるべきなのか?
釘を読まずにパチンコをうってもだめなように、自分の苦手な分野をほったらかしたままではだめだし、限られた貴重な時間をどう使うかの戦略も必要だ。
そのうえで、最後までやりきれるか。
冷静に分析したなら、みなさんのほとんどは、かなりタイトな計画が必要になるだろう。
しかし、やろうと思えばやれる。その具体的方法は明らかにされている。
多くの先輩方もそうやって結果を出してきたのだ。