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T206 ⑩ 裏面 ヴィンテージカード

T206のコレクションについて、私の集めたものを紹介しながら、いろいろ書いてきたが、もう1つだけ、おまけに書いてみたい。全種類集めることが究極の目標であり、シリアスなコレクターは、印刷ミスなどによる違いも全て考慮して、全種類の収集に意欲を注ぐ。但し、本当の意味で全種類ということになると、カードの裏側に何が書かれているかまで考慮すべきと考える人がいる。T206を最初に紹介した記事で、T206は、アメリカのタバコ会社が、共同で作成した「おまけ」と書いた。実は、このT206のカードの裏には、それぞれのカード会社の宣伝が書かれている。従って、T206のカードについて、裏側まで考慮すると、それこそ、集めなければいけない種類が膨大なものになってしまう。全ての選手と全てのたばこ会社の組み合わせが存在するわけではなく、かなり限定されていると思われるが、それでも裏がどうなっているかを気にするコレクターはかなり存在するようである。実際、T206のカードの取引価格は、裏の宣伝がどこのたばか会社かによって違うのが普通である。
なお、裏側の宣伝については、面白い話がある。このT206のシリーズの目玉商品は、かの「ホナス・ワグナー」「タイ・カップ」「サイ・ヤング」の3枚だと思われるが、この当時、「タイ・カップ」という銘柄のたばこがあって、裏側にタイ・カップというたばこの宣伝が印刷されているものがあるそうだ。ということは、表がタイ・カップの絵、裏がタイ・カップというタバコの宣伝というカードがごくわずかに残存しており、「真のタイカップ・カード」としてT206コレクターの垂涎の的ということらしい。
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フェデラー シャツ テニス

男子テニスプレーヤー、ロジャー・フェデラーのシャツのコレクティブル。昨年、200週連続世界ランキング1位という大記録を達成し、現在も記録を更新中とのことである(女子の最高は、グラフの186週)。人によっては、史上最高のプレーヤーということらしい。
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T206 ⑨ Spade Cincinnati ヴィンテージカード

さてこのカードで、私が保有しているT206を9種類を全て紹介し終わることになる。最後に、日本でT206を入手する方法について、簡単に説明しておきたい。日本にT206の本格的なコレクターが存在するかどうかは知らないが、日本でT206を集めることは実際問題としてかなり困難であった。アメリカもちろんそのようなものを扱っている店は見たことがない。コレクター同志で交換しあうといっても、日本にコレクターがいるかどうかも判らないし、そもそも交換しあうカードをどこから入手するかという問題がある。ネット・オークションに出品されることもあまりないと思われる。T206を専門に扱う海外のネット販売の店がいくつかあるようだが、私自身としてはその信頼性が今一つ判らなかった。ところが、近年こうした状況を一変させる出来事があった。それは、ある会社が、アメリカでのT206コレクションの人気に目をつけ、このカードの復刻版を製作し、その復刻版の何枚かに1枚という割合で「本物のT206カード」を「大当たり」ということで混入させて、販売したのである。
これによって、日本でも、その復刻版を買って、運が良ければそのなかに「本物」が入っているということで、宝くじのようなものだが、本物を入手する道が開けたのである。そうなると今度は、そのあたった「本物」がネット・オークション等で買えるようになる。しかも、その本物は、これ以上傷まないように、特別製のケースに入れられており、集めるのに大変便利になっている。
私がこれまで紹介してきた9枚のT206は全て、その復刻版の中から「当たり」ででてきたケース入りのものである。9枚の入手方法の内訳は、自分で復刻版のなかから当てたのが1枚、ネット・オークション経由が3枚、他のコレクターから譲り受けたのが5枚である。「世界最古のカード」ということで1、2枚持っている人は多いと思う。持っていても別にしょうがないし、全種類あつめることは絶対に不可能なので集める気にならないし、というのが正直なところだろう。
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ヨギ・ベラ MLB

戦後のNYヤンキーズの黄金時代を築いた名捕手ヨギ・ベラのピンストライプをあしらったコレクティブル。ジョー・ディマジオ、ミッキー・マントル、ホワイティー・フォードらと同年代の選手である。後に、ヤンキース、メッツの監督としても名を馳せた。背番号8は当然ヤンキースの永久欠番である。通算本塁打は引退当時は大リーグ記録。ワールドシリーズ出場13回で、優勝の証とされるチャンピオンリングを10個持っているそうだ。
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T206 ⑧ Frill NY A ヴィンテージカード

T206の図柄は、大きく選手の絵が描かれており、その下に描かれた選手が特定できるように文字が書かれている。その文字の書き方が面白いので紹介しておく。まずその選手のラストネームが表示される。但し、同じラストネームの選手がいる場合は、ファーストネームをイニシャルで表記することにより名前を特定できるようになっている。次に、その選手が所属するチームが本拠地を置く都市の名前が表示される。但し、1つの都市に2つの大リーグのチームがある場合には、チームを特定できるように、アメリカンリーグの場合は「AMER」、ナショナルリーグの場合は「NTL」と表示される。こうした表記法は、非常に合理的であると同時に、アメリカにおいて100年前から野球チームがその都市と深く結びついてきたことを物語っていて面白い。また、そうした厳密な表記法があると、どうしても間違いも生じ易い。それらを見つけて間違いのあるカードということで集める人もいるらしく、T206のコレクションをバラエティあるものにしているようで、それも面白い。
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闇の守り人 上橋菜穂子

「精霊の守り人」の続編。この「守り人」シリーズは、既に全10巻で完結しているとのこと。昨年の暮れに、このシリーズと「しゃばけ」シリーズの両方を読み始めてしまったため、他のすぐにも読みたい本を読む時間がとれずに歯がゆい感じだ。本書も、前作や「獣の奏者」同様、わくわくするストーリー、歯切れの良い文章、納得のいく結末の3拍子そろった異世界ファンタジーだ。だんだん、この異世界の雰囲気にも慣れてきたので、ますます読み進めるのが楽しみだ。(「闇の守り人」上橋菜穂子、新潮文庫)
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T206 ⑦ Dubuc Cincinati ヴィンテージカード

T206には、514選手のカードがあると書いたが、カードの種類は514よりも多い。それは、何人かの選手のカードは、当初校正ミス等でスペルを間違ってそのままおまけとして配布してしまい、途中で修正したものが製作されたからとのことである。T206のコレクターの基本は、できるだけ種類を多く集めることであるが、シリアスなコレクターは、そうしたスペル・ミスのあるカードと、ミスを修正した後のカードを両方集めてこそ、完全なコレクションであるとの信念をもっているらしい。そのため、こうしたミスの修正前と修正後のカードは、枚数がそれぞれ少ないため、取引価格が跳ね上がるケースが多いようである。アメリカのT206に関するサイトなどをみても、こうした「バリエーション」に関する情報が非常多く飛び交っている。現在では、さすがにそうした修正前・修正後のバリエーションが新しく発見されることはないようだが、とにかく当時の記録が残っていないので、今でも全く新しいバリエーションが発見される可能性はゼロではないようだ。
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サム・スロートン サイン AVP トーマス 

映画AVPの考古学者トーマス役、サム・スロートンのサイン。彼の祖父はドクター・フーの俳優パトリック・スロートン、父親はロイヤル・シェークスピア協会の幹部とのことで、俳優一家の出らしい。
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T206 ⑥ F Smith Chicago A ヴィンテージカード

これまで述べてきた「ホナス・ワグナー」の史上最高のカードであるが、これまでの履歴等について、いくつかのエピソードがある。まず1つは、ずっと噂されていることなのであるが、このカードは後世になって、保存状態をよく見せるために手が加えられたのではないかという疑惑である。あまりにも角がしっかり直角で、周りの4辺にも「こすれ」などが見あたらないので、後から4辺を切り取ってきれいに見せたのではないかという疑惑である。確かにそのカードを見ると、何故こんなにきれいなのかと思うほどきれいなのである。「奇跡」という言葉を使ってきたが、こんな奇跡があるだろうか、という疑念である。私が持っている9枚のうちで、最も4辺の保存状態がいいのは、③で紹介したフィラデルフィアのオルドリング選手のものであるが、これをよくみると、汚くなったところを切り取ったのではないかと思える部分がある。保存状態が良いと価格が数倍にもなるため、そうした偽装が行われる可能性はある。但し、この方法で偽装しても、カードの大きさを正確に測ってみれば、偽装かどうかはすぐに判ってしまう。汚い部分を切り取ると、通常のカードの大きさよりも小さくなってしまうからである。疑惑のワグナーのカードについても、他のカードと比べて少し小さくなっているというレポートが公表されており、今でも疑惑として残っているようである。また、このワグナーのカードについては、その履歴にも面白いエピソードがある。それは、このカードが1億円で取引される前の持ち主が、あのNHLのスーパースター、ウェイン・グレツキーだったという事実である。ウェイン・グレツキーがこのカードに興味を持って購入し、また売却したと思われる。この取引でいくらグレツキーがいくら儲けたのか、あるいは損をしたのかは定かではない。
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イアン・ホワイト  サイン AVP プレデター・スカー

映画AVPにプレデターのスカー役で出演したイアン・ホワイトのサイン。彼は、イギリスの元プロ・バスケット選手で、身長が7.1フィートとのこと。実際にものすごく大きな人が着ぐるみに入っているということになる。サインは、元気の良い手慣れたサインでバランスもよい。
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獣の奏者(上・下) 上橋菜穂子

昨年の暮れに読んだ「精霊の守り人」の作者、上橋菜穂子の最近作の本書。700ページを超える大作だが、朝から夕方まで一気に読んでしまった。こんなに面白い充実した読書は本当に久しぶりだった。王獣と竪琴で意思疎通のできる少女の出現で、微妙な力関係を保ってきた世界が大きく変わっていくという、異世界ファンタジーだが、ストーリーの面白さ、登場人物の内面の葛藤が、実にスリリングかつきめ細かくえがかれており、多くの書評で大絶賛されているのもうなずける。面白さと感動という点で、これまでにこのブログで紹介してきた本の中で文句なしのNO.1小説だ。(「獣の奏者(上・下)」上橋菜穂子、講談社)
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T206 ⑤ Stephens St.Lois Amer ヴィンテージカード

(続き)ホナス・ワグナーのカードが1億円の高値で取引された背景については、①ワグナーという伝説的な選手のカードであること ②彼がたばこ嫌いで自分の肖像がたばこのおまけに使用されることを認めず途中で製造中止になったこと ③このカードのシリーズを全種類集めたいと考えているコレクターが数多く存在していること ④保存状態が奇跡的に良いこと等をみてきた。こうしたカードの保存状態については、通常1から10までのグレード制度が存在し、「このカードの状態はグレード7」というようなランク付けがされている。10が最高ランクで、完全に無傷で印刷のずれなどもない状態のものを指す。グレード10は、虫眼鏡でみても、4つの角が完全に直角で、表面に傷や印刷時の汚れがなく、印刷が紙の完全に中央に位置していて、4つの辺に傷がない状態のカードということになる。そこから、角の痛み具合、表面の汚れ具合、印刷が中央から何%ずれているか、4辺に傷がないかを綿密にチェックして、1枚1枚のカードのグレードが決定される。アメリカには、こうした格付け(グレードの認定)を行う会社が10社近く存在しているようである。
さて、このグレードであるが、カード会社が製造した未開封のものを直接購入してきた場合を想定すると、通常我々が肉眼でみて、全く傷等がない場合でも、専門家のチェックにかかると、たいていはグレード7~8と判定される。印刷のミスが全くなく、製作されてから特に慎重に扱ったもので9、そしてまれに10のものが存在するというイメージである。T206の場合、作られてから100年近くたっていることもあり、グレードの高いものはほとんど存在しない。昔のカードをヴィンテージ・カードと呼ぶことがあるが、ヴィンテ-ジカードの大半は、グレード1か4くらいではないかと思われる。そして、保存状態の極めて良いグレード6くらいのものがまれに出現し、非常な高値で取引されるという感じだろう。こうしたなか、1億円のワグナーのカードは、何とグレード8なのである。これが奇跡のカードと言われる所以である。
なお、上記で、印刷の中央からのずれがグレードに影響すると書いたが、それは、こうしたカードを製作する場合、大きな紙にいくつものカードの柄を同時に印刷し、後からその大きな紙を裁断するという方法がとられている。そのため、印刷と裁断に、わずかにすれが生じると、図柄が紙の中央にこないのである。要するに、印刷技術や裁断技術などの機械が精密でなかった頃のカードは、特に印刷が中央からずれていることが多いのである。
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T206 ④ Oakes Cincinati ヴィンテージカード

(続き)ホナス・ワグナー選手のカードに高値がついた理由としては、さらにいろいろな要素が絡み合っている。まず、50枚くらい現存していると言われている他のホナス・ワグナーのカードの値段であるが、専門誌によると40万ドルくらいとなっている。即ち、同じホナス・ワグナーのカードでも、1億円以上で取引されたカードは、同じホナス・ワグナーのカードの通常取引価格の2倍以上で取引されたことになる。
 実は、このカードがここまで高額で取引された秘密は、そのカードが100年前に作られたとは信じられないくらい保存状態が良いということにある。添付したカードをみれば判るとおり、T206のカードの保存状態は、100年近く前に製作されたことから、かなり変色していたり、角がこすれて丸くなっているのが一般的だ。ただのおまけカードであったため、100年たってこのように高価なものになるとはだれも思わず、ぞんざいに扱われてきたという事情もある。例えば、これまでに発見されたホナス・ワグナーのカードの履歴をみると、古本を買ったら偶然本の間から出てきたとか、昔の衣類を整理していたらズボンのお尻のポケットから出てきたといった具合であり、保存状態に気を使って保管されていたというケースはほとんどない。しかし、この史上最高額のカードは、そうした痛みがほとんど見あたらず、まさに奇跡的なほど作成された当時のままで保存されてきたのである。(続く)
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倒立する塔の殺人 皆川博子

昨年来注目している理論社の「ミステリーYA!」シリーズの1冊。終戦前後の混乱期のミッションスクールでの出来事を扱った本書も、手記の中に小説が入っていたり、書き手が何度も変わったり、時間が前後したりと、かなり複雑な構成だ。「首無しのごとく祟るもの」もそうだったが、こうした複雑な構成のミステリーが今の潮流なのだろうか。トリックの技巧が煮詰まってしまって、小説的手法の技巧に走っているとしたら問題だと思うが、本書などは、モザイクのような構成が楽しみの要素の1つになっているので良しとしたい。また、本書にちりばめられた、ドフトエフスキーの小説、エゴン・シーレの絵画などに関する記述は、いずれも私自身の若い頃に好きだったものばかりで、なかなか懐かしく感じられた。特に、エゴン・シーレの絵画は、学生時代に、池袋・西武美術館の美術展で初めて見たことを懐かしく思い出した。さて、本書の終戦前後という時代設定だが、出てくる登場人物は至って現代的な感じだ。それならば何故終戦直後という時代設定なのか、という疑問が沸いて来るが、それも最後の謎解きのなかで明らかになる。要するに、戦争の混乱期で、「空襲で犠牲になった被害者の死亡原因はいちいち調べない」という設定が必要だったからだ。これは、ミステリーとしての基本的お約束違反だろう。(「倒立する塔の殺人」皆川博子、理論社)
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T206 ③ Oldring Phila A ヴィンテージカード

たばこのおまけとして製作された「ホナス・ワグナー」のT206カードが1億円を超える値段がついた理由はいくつかある。そもそもあるものの値段は、需要と供給で決まるのだが、このカードの値段も、両方の要素がある。まず、供給側の要因としては、このカードの残存している枚数が極端に少ないことがあげられる。このカードは、たばこのおまけだったのだが、ホナス・ワグナー選手は、たばこ禁止主義者であったらしく、自分の肖像が、たばこの宣伝に使われることを認めなかった。それで、たばこメーカーは、急遽製造を中止し、おまけにすることを断念したのであるが、おそらく回収し損ねたものがわずかだが流通してしまったらしい。こうした事情から、現存する彼のカードは、他の選手のカードに比べて極端に少なく、現存枚数は50枚前後と言われている。これが供給側の理由である。これに対して、需要の方はと言うと、既に述べたように、この野球カードは世界最古ということもあり、このカードを集めているコレクターがかなり広範に存在する。それらのコレクターの究極の目標は、何と言っても514全選手のカードを集めることだろう。そうなると、このホナス・ワグナーのカードは最後にどうしても手に入れたいカードということになる。しかも、ホナス・ワグナー選手は514人選手の中でも、タイ・カップ、サイ・ヤングと並ぶ殿堂入りを果たしているスーパースター選手である。これが揃わなければ、T206コレクターとして集めていますと胸を張って言えないだろう。即ち、お金に糸目をつけず、何が何でもほしいというコレクターが50人以上いるにもかかわらず、50枚しか存在しないのだから、このカードの値段は天井知らずでつりあがっていくことになる。1億円以上の値段がついた背景には、こうした需給の要因があったと言われている。(続く)
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