少し前だが、「ルビー・スパークス」という映画を見た。著名な売れっ子の小説家が夢の中で描いている自分好みの女の子がある日突然に現実の人間の姿をもって現れるというストーリーだ。
大人の童話のような感じで映画が始まる。見ていくうちに、ばかばかしいと思いながらも徐々に引き込まれていく。女の子が童顔でイメージにあっていた。
その小説家の書いたルビーという女性が少し破目を外したり、自由に行動するようになると、小説家はタイプライターに向かい、女性像を書き換える。そのたびに自分好みの女に変わっていくという男にとっては夢のようなお話なのだ。
通しで見れず、二回に分けて観た。二回目の時に気が付いたのだ。主演の女優と脚本家の名が一致していたこと。ゾーイ・カザンという名前だった。そう、エリア・カザンの孫娘だったのだ。
最後の落ちは言うまい。さすが男心と女性のやさしさがうまく混じった終わり方だった。
もうコロナ禍の我々の先には、老害を理由に「選択と集中」のトリアージが待っているのかもしれない。暗いこの時期に若い頃の夢の青春映画として見ていただきたいものだ。
この先に何が見えるのでしょう。