自民党の「立党宣言・綱領」で見たら、1955年結党時の党〔綱領〕には憲法改正の言葉はない。
党の〔政綱〕という括りの中の6番目の「 独立体制の整備」の中に「平和主義、民主主義及び基本的人権尊重の原則を堅持しつつ、現行憲法の自主的改正をはかり、…」とあります。
それが2005年の自民党50周年綱領で、〔綱領〕の1番目「新しい憲法の制定を」というタイトルで「私たちは近い将来、自立した国民意識のもとで新しい憲法が制定されるよう、国民合意の形成に努めます。そのため、党内外の実質的論議が進展するよう努めます。」と書かれている。
当時は小泉政権である。派閥は清和会であり、鳩山や岸の系統へ先祖帰りしたのでしょう。
ところが、2010年の55年綱領では、「 日本らしい日本の姿を示し、世界に貢献できる新憲法の制定を目指す」となってます。
「努める」から「目指す」に、具体化が若干後退?…。この時は自民党が野党に転落した時です。
党綱領の歴史を振り返ると、「憲法改正は結党以来の党是です」と大上段に言うのは、…?
また野党に堕ちたらどうするのでしょう?今のように自民党のための自民党議員の政治では、…。
この本の装丁は立派なのですが、中身は薄い。朝日新聞取材班の刊行なのだが、朝日でなく筑摩書房で出版されている。清和会担当の記者だそうだが、どうも忖度本らしい。感想はただ揺らしただけ、…かな。