終戦の日のネットで、ポツダム宣言を「対応しない」と答えたのを、連合国側が「黙殺」と訳した、と言っている人がいた。
どこで仕入れたネタなのか、単なるそう思いたい病なのか、その人には少し失望しました。
残念ですが、日本が「黙殺」と言ったのです。鈴木貫太郎という元海軍大将で侍従長だった首相が記者会見の席で新聞記者にそう言ったのです。
彼を擁護する者は、新聞記者の側から嗾けられたとか、軍部の要請で言わされたとか、いろんな説がありますが、ともかく1945・7・28付けの朝日新聞には「政府は黙殺」と小見出しになっています。外国はこの日本語の「黙殺」をignoreと訳したわけです。
連合国側はただポツダムの地で「宣言」をしたのではありません。「日本の降伏の最後条件を声明したのです」。当時の政府はもう負けていたのですが、ただ隠蔽したかったのでしょう。
当時のこの国の首脳は無謀にも「黙殺」と放っておいて、10日後の翌月の8月6日に広島に原爆を落とされたのです。これがポツダム宣言に関わる「黙殺」の招いた悲惨な事実の経過です。
また「ポツダム宣言」という言葉は聞いただけで中身がありません。正確には「ポツダム宣告」あるいは「ポツダム最後通牒」と訳すべきだったと思います。
つまり降伏しろと宣告されたわけです。それを、謀略だとか単なる威嚇だとか言い繕って、時間を徒過させたのが、戦前のこの国だった訳です。
なんか、今もコロナ対策も深刻な事実を告げず、ワクチンは高齢者にはみんな打ちました。次は一日百万人打てば大丈夫と言うが、これは本当なのでしょうか?なんか時間を徒過していませんか?
『「ポツダム宣言」を読んだことがありますか?』共同通信社刊より掲載