ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

今時の女の子に読ませたい漫画  ベルサイユのばら

2015-09-04 07:00:00 | 昭和の少女漫画

 今更・・・・と言われそうですが。

池田理代子作品です。

 1972-1973年。マーガレットコミックス。

前にも書いたと思いますが

私は「別冊マーガレット」派だったので、週刊マーガレットに連載されていた

ベルサイユのばら」をリアルタイムで読んだ事はありません。

タイトルは知ってました。

池田理代子という漫画家も。

章子のエチュード」という作品を読んだ事があって、印象に残っていたんです。

だってこれ「幼妻」の話で

確かヒロインの章子は16歳で、一回りも違う男性と恋に落ちて結婚するという・・・

「奥様は18歳」とか、いわゆる「幼妻ブーム」でもあったんでしょうか?

だけど、「章子のエチュード」はやたら生々しかったなと

 

じゃあ、どこで「ベルばら」を知ったかといえば、宝塚です。

ある日、学校から帰ってテレビをつけたら「劇場中継」をやってて

ランバール公の奥様が「まるでニンフのよう」とおっしゃり、上手から

白いドレスを着た安奈淳オスカル様が登場した・・・あたりから見て。

感動のあまり号泣し、再放送時、そのほか雪組や星組版は

テレビの前にテープレコーダーを置いて録音しセリフを全部覚えるという

毎日。

無論、原作も読まなくちゃ。

でも当時、コミックスは1冊320円。10冊セットは3200円。

全部は買えず、バラで買うにしても1巻から売ってるわけじゃなくて。

本当にバラバラの巻で全部買ったんです

小学生の情熱はすごい。

1巻と最終巻では絵ががらっと変わってまして。オスカル様が

どんんどんかっこよくなっていくことにウキウキしておりました

 

この本がすごいのは、

 歴史を題材にした

 フィクションとノンフィクションの間に齟齬がない

というレベルの高さです。

当時、少女漫画といえば「恋愛」もの。

結婚に突き進んでいく話がほとんどでしたから、そこにいきなり

「フランス革命」ですよ。

今じゃ、誰でも知ってるフランス革命の話。

でも、当時は『フランス」といえば「♪オーシャンゼリゼ♪」ってな具合で

マリー・アントワネットの名前は知られていても、いわゆる「革命」を知る

小学生はいなかったろうなと。

池田理代子自身も、フランスに行った事がなく、資料だけでリアルに描いたと

言ってますし・・・・海外旅行もメジャーじゃなかったころ、宮殿の絵を描くだけで

大変だったろうなと思います。

 

そして、この漫画のすごいところは

「小学生でも歴史がわかる」というほどのわかりやすさですね。

のちに「オルフェウスの窓」(サラエボ事件、ロシア革命)

エカテリーナ」「ナポレオン」など、数々の歴史漫画を描く池田理代子ですが

どれも難解で・・・・そういう意味で「ベルばら」は下手な教科書よりよっぽど

わかりやすかったと言えるでしょうね。

 

フィクションとノンフィクションの間に齟齬がない・・・・というのは

アントワネットとフェルゼン、オスカルとアンドレの関係が本当に自然である事。

ロザリーとポリニャック夫人の関係、ベルナール(デムーラン)とロザリー

サン・ジュストの関係などが、違和感なく描かれている点がすごいです。

 

そして、オスカルの思想は非常に「保守的」です。

そもそも左とか右とかいう言葉はフランス革命から始まったと言われています。

オスカルは衛兵隊に属し、バスティーユ攻撃にも参加するバリバリの

革新派に見えますよね。

「ヌーベル・エロイーズ」やジャン・ジャック・ルソーなどを読みふけり

父に危険思想を持っているのではないかと思われたりする。

宝塚歌劇では、オスカルはすっかり「ウーマンリブの象徴」にされてしまい、

ブイエ将軍が「たかが女のくせに」といえば

女だって生きる権利はある」と反抗する思想家にされておりますが

原作のオスカルは、どこまでも「国」の為に尽くす戦士です。

ベルナールが「革命が起こるかもしれないから外国へ逃げろ」というのに

オスカルは「私はフランスと心中するぞ」と言い放つ。

こんなセリフ、現代のシールズさん達は絶対に言えませんよね。

オスカルが世代を超えて愛されるのは、その思想の根底に「国家愛」

あるからではないかと私は思います。

 

その後、小学校6年の時、小さな本屋でツバイクの「マリー・アントワネット」を

見つけたときは嬉しくて、とっても分厚い本で読み切れるかどうか心配でしたが

買ってしまった記憶があります。

とっても面白かったですよ

これをきっかけに「王室」「皇室」「歴史」に興味を持ち、今に至るのですが。

 

ただ、今時の女の子達に「ベルサイユのばら」はちょっと難しいかもしれませんね。

非常に文章が多いし、「古典」の引用も多い。

「ベルばら」を読むという事は、ギリシャ神話や星座の話を知ってないと

ちんぷんかんぷんだったりしますし。

 

先日、同僚(あの55歳)と「ベルばら」の話をしたのですが

彼女に

「ベルばらって・・・・アンドレ死ぬよね?オスカルも死ぬの?」と言われて

かなりショックでしたーーー

さて、本編の「ベルサイユのばら」を通読したら、数々の「外伝」を読んでほしいです。

 1995年ころでしょうかね。

主役はオスカルの姪であるル・ルー・ド・ラ・ローランシー。

ル・ルーは「ベルばら」10巻で大活躍をするのですが、その性格を

そのまま探偵ものにしちゃったという。

絵はひどいけど、ストーリーは抜群に面白い。

池田理代子は時を経て、ストーリーテラーになりました。

 

そしてっ

 2014年。

絵の劣化はどうも防げないなとは思うのですが、

「外伝」よりは随分まともになって・・・・(アシスタントがいいの?それとも

外伝はアシスタントなの?)

最初はジェローデルが主役と聞いて、読む気にならなかったのですが

「エピソード3」でフェルゼンとマリー・テレーズのすれ違いを見て涙。

さらに、「エピソード4」でめちゃくちゃ綺麗になったル・ルーとアランの出会い。

ファンにはたまらないです。

あのル・ルーが・・「オスカルお姉ちゃま」と変わらないほど美しくなるとは

血は争えないなあ。しかも性格がオスカル様みたいで。

このエピは続けてーー

マリー・テレーズも亡きお母さまそっくりで。

うっうっうっ・・・・・・・と泣ける作品に仕上がってます。

 

そしてっ!!

 2015年

 表紙はオスカル様でも、あまり出てこない。

相変わらずジェローデル様なんですが、なんとフェルゼンの妹

ソフィアと・・・・?

そっか。そういう出会いもあるよなと。

二人とも奥手で思慮深くて。でもよき茶飲み友達になれるかもって感じですね。

ジェローデルは革命を生き延びることができるのか?

 

11巻で、革命時、亡くなっていたジャルジェ将軍の奥様。

実はロレーヌ公国の貧乏貴族の娘。

祖父は高名な画家で、そのお蔭で貴族になったものの、

お金の為に結婚しなくてはいけない羽目に。

そこに彗星のごとく登場するのがレニエ・ド・ジャルジェ将軍。

将軍の猪突猛進の恋物語も面白いですが

彼とロレーヌ公の出会いの意味深さが本当に秀逸。

オールドファンも新しいファンもぜひぜひ最初から読んでみてください。

 

(決して私の同僚のように「あの小難しい漫画ね」なんて言わないで)

 

 

 

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今時の女の子に読ませたい漫画 白い影法師

2015-08-28 16:46:44 | 昭和の少女漫画

 嫌韓だけど韓ドラを見る・・・いいじゃないの?別に目くじらたてなくても。

私などは「冬のソナタ」がなかったら韓国に関心すら持ちませんでしたし。

いくらあちらのドラマがファンタジーだらけとはいっても、おのずと見えてくる

ものがあります。

それは「国民性」です。

韓国人としてのものの見方や考え方を知るいいチャンスです。

かつて戦争中、日本は「鬼畜米英のものは見るな」といって、映像も音楽も

英語も禁止したけど、アメリカは積極的に日本の映画などを見ましたね。

文化を知るにはドラマや映画が私にとっては手っ取り早いのです。

好き嫌いがあるから無理強いはしまんせけど

講演会の予習で、キム・ヘスの「チャン・ヒビン」を見てねと言ったのだって

あの作品を見ると、小和田さんやその回りにいる人達の考え方が、手に取るように

わかるんですよ。

そしてそれにどう対抗していったかというようなこともね。

でも無理強いはしてませんけど。

という事で借りたDVDを返しがてらTSUTAYAに。

金蘭良縁」はコメディで、継続視聴決定。

隋唐縁起」もとりあえずもうちょっと見る。

夜警日誌」は最初「太王四神記のパクリじゃないの?」と思いつつ見てましたが

そのめくるめく展開に虜になっちゃった。頑張って全部見る!

そしてウイリアム・フォン様出演のドラマ、あったーー

江湖の薔薇」とりあえず1巻と2巻借りて、あとはレンタル中。

ぐりちゃんお勧め「スベクヒャン」もそのうち・・・っていうか、予告編見たけど

姉妹が入れ替わり、皇子が入れ替わり・・・私に理解できますか?

 

そうはいっても、藩基文国連事務総長が中国の抗日式典に出るのは

反対です。国連って中立であらねばならないでしょ?

彼は一体何人としていくの?韓国人ですか?

世界で何か起こったら韓国の利益のみ考えるんでしょうか?

朴大統領も出席するんですよね? そんなに属国になりたいのか。

北にも逆らえないのに

さらに新華社が今上に対して謝罪要求するなどもってのほか。

こういう事を書くのは、やっぱり「戦争」を知らない世代のことだからですよ。

思想の偏り、教育の偏りそのものですね。

さて。

久しぶりに昔の少女漫画紹介をやってみますか。

今回も美内すずえ

白い影法師」です。

 

1976年 ミミコミックス。

 

いわゆる「名作」の一つなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

表紙の女の子は「長谷部涼子」

転校した学校に楽しく通っていたけど、ちょっと気になる事が。

それはクラスの窓際にある一つの机が空いている事。

「ずっと休んでいるのかしら?」誰も気にしないことを不思議に思いつつ。

でも、誰のいない教室のその席に「影」を見てしまう。

好奇心旺盛な涼子はわざわざ空いている席に移動し、結果的に

具合が悪くなってしまう。

心配した友人達と「幽霊」探しが始まる・・・・

 

美内すずえは今や新興宗教の「教祖様」になっているそうで

漫画を描くときもトランス状態に陥りながら描いているとかいう

噂がありましたよね。

神がかり的な才能の持ち主であることは確か。

特にこういうオカルト物を描かせると、リアルに怖い

わたなべまさこも怖かったけど、山岸涼子も怖いけど・・・3番目くらいに

怖いです

ただこのストーリーには、悲しいしめくくりもあり。

幽霊になってしまった少女の「執拗さ」は現代にも十分通用するもので

かえって今読む方が怖いかもしれませんね。

 

このミミコミックスには

エリカ風の中を行く」という作品も収録されています。

関西弁丸出しの「おばちゃん」風エリカが、そのずば抜けた

「詐欺」の才能を使って逆境を切り抜け、人助けまでしてしまうというお話。

テンポがよく、一気に読めてしまいます。

ぜひぜひ。

 

 

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「天上の虹」読了

2015-07-13 07:44:43 | 昭和の少女漫画

 何というか・・・・また腰痛がでちゃいまして。

おまけにちょこっとぜんそくも。

コルセットしてシップ貼ってお仕事に行きます。

つくづく弱いなあ・・・・私 情けないったら。

日テレの「ZIP」を見てたら、安倍政権の支持率が低下した話と一緒に

戦後70年談話について「謝罪した方がいい」「全部認めた方がいい」と思う人が

非常に多かった・・・・という結果をみて絶望しましたね。

これが操作された数字だとしても、電波に乗っちゃったら大多数って思うよね。

一体何を謝罪するのかわかってない。

謝罪したからってどうにもなるわけではない。過去が消えるわけでもないし。

そんなこと、この70年で十分わかりきっていた事じゃないのかしらね。

やっと「天上の虹」23巻を詠み終わりました。

長かったーー30年だって 「ガラスの仮面」はまだ終わってないけどね。

時間が経ちすぎて、誰がだれやらわからなくなって部分もあるけど

新田部皇子が氷高を好き?ひょえーーすごい話やなあと。

っていうか、持統天皇があんな死に方 バチがあたったのか?とも思ったり。

最後に大津のお墓を建てようって・・・あまりにも虫がよすぎないですか?

文武天皇とのやりたとりも草壁と一緒だし。

強い母親には弱い息子と孫なのねと。

でもやっつけ感があるよね。早々に終わらせたみたいな?

あまりにも長すぎたのと、ご本人も疲れて来ちゃったのかなあと。

 

ラストの方で、読者の方々から「史実と違う」とか「解釈に疑問」とか

色々お手紙を貰ったそうです。ありがたいとおっしゃってましたが

結構傷ついたんじゃ?

個人的には十市と高市は愛し合ってて、十市の自殺の原因が高市と結ばれない事

だと信じていました。漫画の通りに。

だけど、今になって、それはないんじゃないかなあと。

じゃあ何で自殺したか

やっぱり息子を守る為だったとしか。葛野は天智と天武両方の血筋を持つ人だし

天智派が担ぎ出そうとするかもしれなかったし。

後ろ盾を全て断ち切ってしまえば・・・とでも思ったのかもしれませんね。

 

小さい頃から里中満智子の漫画を読ませて頂いています。

最初は「あした輝く」でした。

普通の少女漫画と違って大人の話というか、なかなか難しいなというのが

小学生だった私の感想。

でも男女の心の中をていねいすぎるくらいていねいに描く里中先生の

作風は好きだし、参考にさせて頂いてます。

「天上の虹」が終わって一区切りですね。

互いに年取ったなあ。

 

 

 

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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画18

2014-08-26 07:00:00 | 昭和の少女漫画

 今回は山岸凉子です

とはいっても「日出処の天子」ではないんです。もっと前の作品を・・・・

 「ティンカーベル」(1973年 デラックスマーガレット)

登場人物・・・ダフニー

        ローレン

        ローレンの兄

ストーリー・・・家族の中で一人だけ綺麗に生まれなかったダフニーは

      その事がトラウマとなり、幻の「ティンカーベル」を友人にし、誰にも

       心を開かなかった。

      16歳になった時、試験のノートを見せて貰いたいだけに近づいてきた

      ローレンの家に招かれるが、ローレンの兄に遭遇し、世界が変わっていく。

 

山岸涼子という人は人の心理・・・深窓心理に詳しい人ですよね。

女の子が自分のコンプレックスから目をそらすために作り出した友達

「ティンク」

一生、彼女としか付き合わないと決めていたのに恋に落ちる

恋に落ちた事にティンクは怒っているのではないかとびくびくしたり。

事実、学校が火事になり、助けようとするローレンの兄をティンクは誘いだし

結果的にはダフニーの為に助けるのですが

コンプレックスを持った女の子が現実を知って、一人の女性になっていく中間を

見事に描きだしています。

 

 「クリスマス」(1976年 プリンセス)

登場人物・・・ジョルジュ

        ミス・スック

ストーリー・・・7歳のジョルジュは、両親の離婚によって親戚をたらいまわしにされた

        あげく、フォーク家に引き取られる。

        そこには長女のミス・スックがいたのだが、生来引っ込み思案で人見知りが

        激しい彼女はジョルジュと一緒にいつも台所で過ごしていた。

        二人の忘れられない思い出。それはクリスマス。

        なけなしのお金でツリーを買い、ケーキを作る材料を集め、二人でケーキを

       作って世界中に送るのだった。

 

山岸作品の中で私が号泣した作品。それは「クリスマス」と「鬼」の2作品だけです。

もう・・・ミス・スックとジョルジュのつましい生活のなんと幸せな事か。

そしてその幸せがあっという間に終わってしまう悲しさで、胸が締め付けられるのでした。

 

 「シュリンクスパーン」(1976年 プリンセス)

登場人物・・オシアン

       シュリンクス

 

ストーリー・・・駆け出しの作家、オシアンはネタ切れに苦しみ、逃げ出すように

        叔父から受け継いだ屋敷へ逃げ込む。

        叔父の遺言は「パーンを一匹飼育する事」

        パーンとは牧神の事。

        オシアンは屋敷で不思議な少年と出会う。彼は自分を「パーン」と名乗った。

       「パーンでもシュリンクスっていうんだ」と。

       それから餌付けをするように彼と距離が近くなっていくオシアン。

       しかし、ある日、シュリンクスは死にそうに・・・・

 

男の子だと思っていたら・・・のオチがとても素敵なラブストーリー(?)です。 

 「メタモルフォシス伝

(1976年 花とゆめ)

登場人物・・・蘇我要(表紙左)

        久美(表紙右)

ストーリー・・・名だたる進学校に突如転校してきた蘇我要。

        それまで誰もが「受験」の事しか頭になかったのに、彼の登場で

        過去や現在や未来に展望が見えてくると言う話。

        思春期の少年たちが「何の為に勉強をするのか」「誰の為に大学に入るのか」

       「自分がやりたい事は何か」といつの間にか自発的に考えているという

       非常に教育的なお話。

 

コミックスのわきには「涼子のワンポイントゼミ」というのがあって

公式とか英語の熟語などが書かれています。

こういうの、本当に苦手だったのよね・・・・私

読みながら「私、久美じゃなくてよかった」と思いつつ、ほんとは勉強しなくちゃ

いけないのに漫画を読みふけっている自分を思い出します。

 

 「スピンクス」(1979年 花とゆめ)

登場人物・・・・アースキン

         スピンクス

         ブロンクス先生

ストーリー・・・アースキンの住む迷宮にはスピンクスがいる。

        彼女が「朝に四足昼に二本足夜に三本足になるのはなーんだ」と質問し

       答えられなかったら食べられてしまう。やっとの思いで

       「人間」と答える。

       スピンクスはつまらなそうに彼の回りを動き、彼を支配しようとする・・・・

 

最初、読んでいて何の話かさっぱりわかりませんでした。

空想の世界なの?それともSF?理解するのに3回くらい読み直ししたかも。

でも今思えば、すごい作品です。

精神医学にここまで突っ込んだ作品はないんじゃないでしょうか?

見事な出来だなあと。

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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画17

2014-08-01 19:00:00 | 昭和の少女漫画

 やっと・・やっとパソコンが復旧しました

懐かしいキーボードっ ってそんなに経ってないけど。

これからまた色々書けるかな。

不調の原因?結果的には「さあ・・・何ででしょう」って感じです。

また同じ事が起こるかもしれませんけどね。

 

 コメント、沢山ありがとうございます。

お返事したい事も多々ありましたけどーー

ぐっと我慢。っていうか、言いたい事はみなさんがおっしゃって下さったので

ブログが荒れる事もなく。

こういうブログは荒らしが来るし、責め立てたり脅したり・・・という事もよくみかけます。

それでも決死の覚悟で続けていらっしゃる方がほとんで。その中の一人である事には

誇りを持っています。

だけど、パソコンが不調だったりして書き込み出来ない時は不安が募ります。

そういう時に皆様が助けて下さって、本当にありがたいと思っています。あらためて

お礼を申し上げます。

色々厳しい意見を書く方々にも適切に対処して下さって。

今後ともよろしくお願いします。

 あ・・そうそう。確かに紫式部は彰子中宮の御付で定子に仕えたのは清少納言。

でも紫式部の「源氏物語」の桐壷帝と桐壷更衣のモデルは一条帝と定子ではないか

という説もあるんですよ。

さて。

今回もまた市川ジュンです

貴重な漫画家なのに、美内すずえや和田慎二などと比べると

知名度がイマイチ その上品な作風は読者を選んだのかしら?

っていうか、当時の別冊マーガレットの読者からしても、なかなか内容が

難しかったのではないかと思うんですよね。

だけど、色々勉強になった事は事実で、今アラフィフになって読み直すと

当時とは全然違った感慨が。これは他の漫画家よりも強いかもしれません。

 「三月の家」(昭和49年 別マ)

登場人物・・・大原菜子(表紙)・・・家庭教師の大学生

        麻緒・・・中学三年

        亜里・・・麻緒の妹。小学生

ストーリー・・・大学生の菜子は3月に家庭教師として麻央の家に通う事に。

      有名私立高校を受けるので。とても豪華な家に住み、金持ちなわりには

      麻央は少しも幸せそうじゃなく、友達もなく、いつも妹の亜里と一緒だ。

      特に父親との関係はかなり微妙。

      菜子はそんな姉妹の心を溶かしていく。

 

今時の大学生・・・家庭教師のトライさんはこんなに大人じゃないと思うんですけど。

菜子は3月生まれなので、ほぼ1年遅れの成人式を迎えるシーンがあり

(当時は年度じゃなくて1月15日を超えて生まれた人は一年遅れてましたよね?)

それまでの菜子先生のあまりの大人っぽさに、まだ大学生だったの?と驚き

市川ジュンの漫画は詩的な表現が多いし、夢のある風景が多いです。

麻緒の屋敷もプールがあり、真っ白の薔薇が夕日にそまって赤くなってる・・・などという

表現があり、胸をときめかせたものでした。

菜子先生のように、生徒に体当たりでぶつかる・・・・という時代ももう遙か昔ですね。

 

 「暁の目の娘」(昭和50年 別マ)

登場人物・・・バンダ(サラ)・・・・表紙。マタ・ハリの娘。

        マタ・ハリ・・・女スパイ。バンダの娘

        アナベラ・・・マタ・ハリに死刑を下したサンプル―大佐の娘

        リシャール・ロワ・・・アナベラのおさななじみ。

ストーリー・・・マタ・ハリの娘、バンダは母を死刑に追いやった人達に復讐する為

         まずはサンプルー大佐の家に潜り込む。

         そこで出会ったリシャールはアナベラの片思いの相手だったが、バンダに

         心を寄せ、愛し合うように。

         しかし、バンダの正体に気づいたサンプルーが警察を呼び・・・

 

マタ・ハリという女スパイの事を知ったのはこのお話でした。

とはいえ、その活躍の仕方等、あまりにも難しくて(今もですが)よくわかりませんでした。

第一次世界大戦の頃のお話だったんですね。

サンプルー大佐の御屋敷には薔薇園があり、リビングは広々。背が高い椅子に座って

カフェオレを飲む・・・いいなあと憧れておりましたね。

パリの「焼き栗」を知ったのもこのお話が最初。

かじりながら歩くってどんな感じなの?焼き栗ってなあに?と興味津々。

いつかパリで経験したい。焼き栗のかじり歩き。もう実現は無理ですけど。

食べてみたいなと思います。

結末はどうにも悲しいものでした。

愛するリシャールが実は母の死刑に銃殺隊として加わっていたことがわかり、

理性を失い、彼らに銃口を向ける。それを庇うリシャール。

一発の銃声が響き、バンダは逃げる。

「私がして来た事はなんだったろう。おおよそ報われない事ばかり」というフレーズが

あり、まさにそうだなーーと今は思います。

断ち切る・・・というより、恨みを忘れる為の銃声だったと今は解釈。

いつかリシャールと再会し、幸せになって欲しいと思いました。

 

 「6000日の愛」(昭和50年 別マ)

登場人物・・・若子(表紙右)

        母 (表紙左)

ストーリー・・・16歳の誕生日の朝、若子は出勤する母に文句ばかり。

         小さい頃に父が亡くなり、母親の手一つで育った若子。

         でも働く母は女というより男みたい。まるで父への愚痴のように

         ああでもないこうでもないと。

         しかも母は若子の誕生日を忘れていた。

         悲しみにくれる若子。友達と行った古本屋で母が男性と一緒に歩いている

         のを見て最大限に誤解。

         でも実は母はそこへはケーキの作り方を教わりに行っていた。

 

この作品は10代の頃に読んでもちっとも理解できなかった。

若子のお母さんは若子がいうようなデリカシーがない・・・というよりは多少大雑把だけど

さぱさぱしたいいお母さんだし、もうずうっと長い事独り身だったんだし、再婚相手がいても

いいんじゃない?とかね。

その当時、仙台にいた私は「古本屋」を知らず

一冊何万もする初版本にウキウキする若子の気持ちがわからなかったんですが。

今回、読み直して、若子の母は優れた作家の卵でこれからと言う時に夫を亡くし

働くために筆を折ったという経歴の持ち主。

一緒に歩いていた先生は当時の文学賞の審査員だったんです。

娘の為に筆を折る事を躊躇せず、しかも幸せな思いでそうした・・・・という所に母の

大らかな愛があったという話ですね。

今、読むととても感動します。

 

 「鐘は鳴る」(昭和50年 別マ)

登場人物・・・翠子(表紙右)・・・日本舞踊の家に生まれた末っ子。体が弱い。

        ヘルマン・・・翠子が滞在したホテルのオーナー。登山家。

ストーリー・・・日本舞踊の世界ツァーに同行を許された翠子はスイスで気管支炎を

        起こして一人スイスのホテルに残される。

        そこで知り合ったヘルマンと恋仲に。

        ヘルマンの父も登山家で、小さい頃一緒にユングフラウを上った時

        クレパスにおちかけた息子を庇って死んでしまった

         以来、ヘルマンは父の遺体を探しに山へ登り続けていたのだった。

 

スイスといえば「ハイジ」しか思いつかないけど、グリンデルワルト、ユングフラウ(アイスの名前?)

アイガー等々、目新しい名前を目にして憧れました。

ホテルの窓に沢山の花が咲き乱れていたり、山が見える部屋の窓、花畑での語らい。

どれもこれも「素敵」でした。

そうそう「翠子」という名前がすごく気に入って。自分の子供につけたいと思った事もありましたっけ。

今じゃ珍しくないけど、当時は「みどりこ」って珍しかったんですよね。

 

 

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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画16

2014-07-22 07:00:00 | 昭和の少女漫画

 今回はまた美内すずえです

今全作品を読むと、それなりのパターンがあったんだなと思いますが

当時は時代背景や設定の違いに毎回息を飲んでおりました。

 

 「帰らざる氷河」 昭和50年 別マ

登場人物・・・エリナ(オデット)

        アレックス・・・芸能マネージャー

        サルビア国王・・・エリナの父

        サルビア王妃

ストーリー・・・エリナはサルビア国王と歌劇の歌姫だった母との間に生まれた。

        父と同じ肩に花弁型のあざがある。

        王妃はエリナと母を殺そうと刺客を差し向ける。母は死にエリナは国を出て

        放浪の旅へ。

        やがて歌手の道が開け、成長し、サルビアへ帰る決心をする。しかし、そこには

        またも王妃の刺客が。

 

先日、この作品を読み直して不覚にも涙が。

死に瀕した国王が自分の娘をわざわざ招いて、アクシデントに際しても「マイクを使わずに歌え」

といい、そして娘の歌を聞きながらひっそりと亡くなる。このシーンがもう切なくて。

小さい頃はオデットの活躍にばかり目を奪われていたものですが、月日は流れるんですね。

 

 13本のキャンドル 昭和45年 別マ

登場人物・・・奈穂子(表紙)

        早瀬ミキ(表紙右)

        下村君

ストーリー・・・白血病で余命三ヶ月と診断された奈穂子の為に、普段はばらばらの

       家族が一つになって最後のクリスマスを盛り上げようとする話。

 

何だか明るくて胸がキュンとなるお話です。

漫画のストーリーというのはこういう風に作るんだよ・・・という見本を見せられているようで。

絵もまだまだ上手じゃないし、ストーリーにも無理があったりしますが

それでも最後は感動させてくれます。

 

 黄色い海賊船 昭和46年 別マ

登場人物・・・アン(表紙)

        ジェム

        エドガー

ストーリー・・・父が再婚したため、疎まれているアン。彼女をジャマイカに連れ出したのは

         旅行作家のジェムおじさん。彼の姉が父と結婚したという関係。

         しかし、島は盗賊団に乗っ取られていた。

         それを知ったアンとジェムは証拠を探そうとするが、捕まえられ、そこに津波が

         やってきて。

 

「黄色い海賊船」というのはノアの方舟のようなイメージでしょうか。

表紙は綺麗な絵ですが、中身はまだまだ発展途上の絵です。

ページの中に沢山のストーリーを入れ、それを何とかつなごうとしているので

かなり無理がありますけど、それでも最後に津波を持ってきて最大級に盛り上げる

手法にはただただ感服するばかりです。

 

 シャーロックホームズのひ孫の冒険 昭和46年 別マ

登場人物・・・シャルロット・ホームズ

        ワトソン(犬)

スト―リー・・・シャーロックホームズのひ孫だというシャルロット・ホームズが事件を解決。

        ある日、美術館でお披露目されたミロのヴィーナスの頭部が壊されていた。

        犯人を見つけるべく美術館へ潜入。

 

今じゃベネディクト版とかヤング・シャーロックとか、色々変型版がありますが

これが最初かもね。

 

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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画15

2014-07-09 07:00:00 | 昭和の少女漫画

 さてさて。久しぶりに「昭和の少女漫画」を。

今回は非常にマイナーかもしれませんが、大谷博子です。

レディスコミック等で「翔子の事件簿」シリーズを描いているのでご存じの方も

多いと思うのですが、何をかくそう、この方もマーガレット出身。

彼女を一言で表すなら「清く正しく・・・正しいーー漫画家」って所でしょうか。

全て性善説 時々、イラつくんですけど、当時小学生だった私には非常に面白い作品群でした。

 

 「通り過ぎた青空」(昭和49年 別マ)

登場人物・・・直子(表紙左)

        晃(表紙右)

ストーリー・・・自殺未遂で病院に入院した晃。回りに当り散らしていたら、

         突然直子が病室に入って来て「あなた、命いらないの?だったらあたしに頂戴」と

         言う。

         実は直子はガンで腕を切り落とさなくてはならない運命。

         にも関わらず明るい直子にひかれ、晃は彼女と結婚したいと思うようになった。

         しかし、直子は手術してもガンが転移しており余命いくばくもなく・・・・・

 

赤いシリーズに代表される「余命いくばくもの」というのは、少女漫画の王道中の王道で

今でも「世界の中心で・・・」系に繋がっていますよね。

題材にしやすいと思います。

なかでもこの「通り過ぎた青空」は、主役も相手役も清廉潔白。

直子の明るさや前向き度は今ではありえないーーって感じです。

 「青春だから悩みます」(昭和49年 別マ)

登場人物・・・相原真美(表紙右)

        一条潤也(表紙左)

        

ストーリー・・・真美は高校生なのに身長が144センチ。一方の一条潤也は195センチ。

     背が低い事がコンプレックスになっている真美はバレー部に入りたいけど

     代わりに雑用をやっている。

    そんな真美を好きになった潤也は新聞部の同級生に頼んで、校内新聞の

    一面に自分と真美のツーショットを撮らせて掲載。

    これにはバレー部の先輩でひそかに潤也を慕う京子も面白くない。

    それを利用して真美の存在を疎ましく思う不良グループが真美を陥れようと・・・・

    実は潤也の妹は脳性まひでそれを苦にした母が心中してしまった過去があり

   真美はその妹そっくりなのであった。

 

要するに健康な体を持っているのなら、背が低いとか高いとか、こだわる必要はない。

今の自分をありのままに受け入れて前向きに生きよう・・・・というお話です。

 

 「この花をください」(49年 別マ)

登場人物・・・奈々(表紙右)

        亮 (表紙左)

ストーリー・・・鈴村花園の一人娘、奈々は実は捨て子で養女。

        16歳の彼女に叔母は見合い話を持ってくる。

        奈々が見合いをすると知り、心ひそかに奈々を好きだった亮が

        告白し、いざ結婚?

 

16歳の花嫁ってのもなんですが、亮って大学生なのよ。

大昔の「大学生」ってどんだけ大人だったんだろう。

奈々の養父母は娘が養女である事を知らないと思い、隠し通そうとします。

でも娘は知っていた。

亮との結婚を反対する理由は・・・・というところでお父さんが倒れちゃって。

つまり、生まれじゃないよ、育ちだよ。って事です。

 「だから負けない」(昭和49年 別マ)

登場人物・・・早川めぐみ(表紙)       

ストーリー・・・母がおでん屋を経営する家の娘、めぐみは名門高校で成績が

       よく、この度、目出度く交換留学生として推薦された。

       しかし、それに漏れた生徒の嫉妬がめぐみの出自を問題にする。

       母が病気の時に店に出た姿を目撃され、高校生にあるまじき事をしたと

       PTAで問題になり、結果的に留学はなしに。

 

あの当時、母子家庭でお酒を出す店をやってるってだけで「水商売の子」とか

言われて傷ついた人多数。

今や立派な「自営シングルマザー」なのにねーー

めぐみは正攻法で「私の出自がどうのといわれるのは構わないけど

母を悪く言わないで下さい」と言い切るんです。

そのあまりの清々しさに、穢れきった私などはくらくらしますが。

 

 「うわさのあの娘」(昭和48年 別マ)

登場人物・・・三鈴(表紙左)

        伸吾(表紙右)

ストーリー・・・16歳の三鈴は、彼氏の一人もいないし子供っぽいし・・・と

         思っていたら友達はこっそり髪を染めていたのです。

         そこで三鈴も髪を染めたら、真っ赤に。

         かつらをかぶって学校へ行くもばれてしまい停学。

         そんな時、伸吾が親戚の美容室に連れて行ってくれて

         髪を染めなおしたり、色々やってくれて好きになる。

        でも、「あいつは不良よ」と回り中から言われ、傷ついた三鈴は

        高校を辞めると言い出した。

 

今時、髪を染めたくらいじゃ不良とは言わないけど、昭和40年代は違ったのです。

そりゃあ大変な騒ぎ。すぐに近所中に噂は広まり「あの子は・・・」とひそひそ声。

男性と二人で歩いてたらもう終わり。

なーんて時代もあったって事です。

伸吾は昔、ちょっとぐれた事がもとで「悪」のレッテルを貼られてしまったけど

本当はいい人。だけど、そのレッテルは「自分がやってしまった事の結果」として

素直に受け入れて前向きに生きてる・・・・そういう事を言いたいお話です。

 

大谷博子は、ちょっと特殊な別冊マーガレットの中で、唯一、正統派の

「少女漫画」を描く人でした。

しかも完璧に文部省推薦、教科書にも載っていいくらいの「清く正しい」漫画を。

今読んでも、その道徳的な価値は十分にあります。

それにしても16やそこらで「結婚」だの「大人になりたい」だのって・・・あの当時の

女子は偉かったわねーー

 

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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画14

2014-06-26 07:00:00 | 昭和の少女漫画

 

今回はまずこの作品から。

いわずもがたの「木原敏江」です。

前回、紹介した作品よりずーーっと昔のもの。でも、この作品が後に名作

「摩利と新吾」になるわけで。

 「あーらわが殿!」 (1972-1974 週マ)

登場人物・・・新吾(表紙左)

        みちる(右)

        摩利

        千鶴

        月夜麿

ストーリー・・・時は明治。なでしこ女学院のみちるは恩師千鶴先生を苦しめている

        持堂院に殴り込みをかける。そこで出会ったのが新吾。

        政府の政策により「男女共学」を実践する事になったなでしこと持堂院。

        特別に選ばれた混合クラス。

        新吾はで千鶴先生に一目ぼれ。一方みちるは新吾を・・・千鶴先生は

        月夜麿と恋仲で摩利は実は新吾を愛していた・・・

 

私はこの作品をリアルタイムで読んではいません。

「ベルばら」もそうなんですが、週刊マーガレットは買っていなかったので。

だからこれが「摩利と新吾」の大元にあたるというのも随分あとになって知ったのですが。

ぶれていないのは「うるわしの摩利君」「日本男児の新吾君」で摩利が男色っけがあり・・・

という部分でしょうか?

全体的にミュージカルのように、だだだーーっとクライマックスに駆け上がっていくので

途中でやめることが出来ないんですよね。

読者が低学年という事を意識しているんでしょうか?

「この時代は」と明治時代の学校や男女関係、ものの考え方について説明が入ります。

だからとてもわかりやすいです。

かっこいい摩利も可愛い新吾も好きだけど、大人になった私は月夜麿さんがなぜか好き

この頃から得意のドイツ語や和歌などがガンガン出てくるんですね。

お陰さまで私も第二外国語はドイツ語だったんですけど。

 

 

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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画13

2014-05-22 08:20:00 | 昭和の少女漫画

 また変わりどころで。

 ひきつづきくらもちふさこです。

 「赤いガラス窓」(昭和51年 別マ)

登場人物・・・明子(表紙)

        隆

        やよい

 

ストーリー・・・明子は違う高校に通う隆の事が好きで、彼がバイトしているプールの喫茶店で

        バイトを始める。

        隆も明子を好きになり、付き合い始める。

       しかし、彼にはやよいという彼女がいた。いわゆる「不倫」のような関係に明子は悩み

       別れる決心をする。

       やよいは離れていく彼を繋ぎとめたいと明子に「もし、あなたが「隆が好き」といって

      うちの高校の構内を走ったら譲ってあげるわ」といい・・・・

 

これ、高校の話なんですよ。大学の話でも社会人の話でもなく。

しかも隆とやよいの関係は、隆は「やよいに恋愛感情を持ってない。それを承知で

彼女は付き合っている」というのです。だったら話は簡単なんじゃないかと思うんですが

そうはいかない「相手への思いやり」みたいなのがあるわけで。

隆ってよく考えるとずるいような気がするけど、イケメンだし?明子には優しいし?

結果的に幸せになるならいいかなーーっと。

      

 「うるわしのメガネちゃん」(昭和50年 別マ)

登場人物・・・ヨーコ(表紙)

        高貴

        幸路

 

ストーリー・・・メガネ屋の娘のヨーコは裸眼で0・01なので常にメガネがないと外も歩けない。

       でも、本人はメガネが大嫌い。全然美しくないと思っている。

        ある日、メガネが壊れたのをきかっけに、裸眼で過ごす決心を。それもこれも

        メガネ屋さんに勤める憧れの高貴さんの心を得る為。しかし、そこに弟の幸路が

       登場し、「家から(父が入院している)病院まで裸眼で行けたらめがねをかけなくてもいい」

      と言い出す。

       台風の日、ヨーコは決死の覚悟で一歩を踏み出す。

 

今は「メガネ」がファッションアイテムになっていますが、私達が小さかった頃はメガネ=可愛くない子

の象徴みたいなもので。今思うと何でだったんだろうと。

「冬ソナ」のチュンサンがメガネをかけててイケメンの時に「ああ、メガネっていいな」と思ったのに。

女性がメガネをかけるとやっぱり美貌を損なうと考えていたのかな。

当時、私は2・4あったのでメガネちゃんの気持ちは一切わからなかったけど、多いに楽しみました。

 

 

 

さて、次は河あきらです。

前回紹介した「わすれな草」系統の話になるんですけど。

こういうハードボイルドよりも私はホームコメディの方が好きですね。 

 「故国の歌はきこえない

                                          (昭和51年別マ)

登場人物・・・セーレン(表紙)

         小夜(表紙右)

 

ストーリー・・・

 東南アジアに位置するB国は警察国家。その工作員としてセーレンは日本に密入国。

実は彼は母が日本人で、母の父、祖父に会いにきたのだった。

しかし、B国の諜報活動から逃げ出した事がしれたセーレンは追手に追われ、負傷し

偶然にも母の父の家にかくまわれ、また、母と同じ名前を持つ小夜に出会う。

 

ちょっとストーリーが複雑なんですけど、本来は単純な話をわざと複雑にしているような

気がします。

この手の話に出てくるヒロインは芯は強いけど見た目ははかなげというのが定番で

小夜はそういう意味では日本中の男性が「守ってあげたい」と思う女性ですね。

それをセーレンが怪我したり、殺されかかったりしながら共に逃避行するわけですから

非常にドラマチック。そういうシーンを描きたいが為に作った話じゃないかと?

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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画12

2014-05-13 08:00:00 | 昭和の少女漫画

かわりどころで。

今回は「くらもちふさこ」です。

くらもちさんといえば「いつもポケットのショパン」でしょうか。

でもその作品のずーーっと昔から描いていた方です。

美内すずえや和田慎二や三原順がどこか非現実的な世界を描き、

河あきらがさっぱり路線、市川ジュンが上品路線を突っ走っていた頃

いわゆる「普通」路線を貫いた人・・・というイメージが。

彼女は学園物や、普通のコンプレックス持ちの女の子を主人公にする事が多く、

まさにこれぞ「少女漫画」って感じですよね

槇村さとるなんかもこの系統かな。

 

ちなみに「はみだしっ子」に出てくるフーちゃんはくらもちさんがモデルです。

 「白いアイドル」(昭和50年 別マ)

登場人物・・・澄川純一 (表紙右)

        笑 (表紙左)

ストーリー・・・高校の同級生だった純一と笑は友達同士。

       しかしある日、純一は高校を去り、アイドルとしてデビューした。

       心ならずも「歌手」になった純一は回りに心を開く事が出来ない「笑わないアイドル」

       心配した笑が彼に近づき、やがてお忍びのデート。

       しかし、その事が純一の取り巻きに見つかってしまい、笑はリンチに。

 

一言でいうと「アイドルとお友達から恋人になっていく過程がいいわーー憧れちゃう

って感じです。女の子なら誰だって一度は思いません?

隣の席のあのかっこいい男子がアイドルになって、白馬の王子様のごとく

私を迎えに来てくれたら・・・・・ って。

そんな願いを叶えてくれる作品。

なんせ、ジュンはかっこいいし、男らしいし。特にラストシーンは もうね・・きゃあ

 

 「青いリサイタル」(昭和50年 別マ)

ストーリー・・・・「白いアイドル」の続編です。

       堂々と交際宣言したはいいけど、嫉妬に狂うファンのおかげで生傷の絶えない笑。

       純一のコンサートでもファンの心無い行為がスキャンダルを呼び、純一は

       一時的にイギリスへ行く事に。

       その見送りの為、空港へ行った笑は・・・・・

 

今やアイドルが出来ちゃった結婚する時代ですし、堂々と交際宣言しても

「ふーん、よかったね」で終わる時代ですが、あの当時、つまり昭和50年代。

そう、新御三家やたのきんがアイドルだった頃は、「恋愛」の「れ」の字もご法度

噂が出ただけで一大スキャンダルっ ってな時代で。

澄川純一、今ならさしずめ還暦前のおじさまかあ。実力派俳優とかになってたりしてね。

で、初恋を貫いて結婚とか?

そんな幸せを夢に見る漫画です。

 

 「クローバーの国の王子様」(昭和49年 別マ)

登場人物・・・マリ(表紙)

        ケイ

 

ストーリー・・・ケイはちっともハンサムじゃないけど優しい男の子でマリの事が大好き。

       でもマリはハンサムな彼氏が欲しいーーと恋に恋する乙女。

       ケイがプレゼントしてくれた四葉のクローバーをぽいっと投げ捨ててしまい。

       そしてマリはいつしかクローバーの国に紛れ込んでいた。

       そこにはケイそっくりの王子様と可愛い妖精たち。

       でもマリは回りに立つ鎧の騎士たちからケイが実はとてもハンサムな青年だった事を

      聞き、もう一度、彼をハンサムにしてと彼の口から「ハート」を取り出してしまう。

 

まさにメルヘンチックで大好きなお話ですが、いわゆる定番ですね。

人間のよさというのは顔じゃなくて心ですよ」という教訓があふれているもので

小学生にでも読ませたい感じ。

わかっちゃいるのよ。彼氏は顔より心だって。

でも、それでもハンサムならなおいいよなーーと考えるのが女の子なのよね。

何度も読み返して「それでもハンサムなら・・・」と思っていた自分を思い出します。

 

 「ジュンのほほえみ」(昭和49年 別マ)

登場人物・・・ジュン(表紙真ん中)

        山本さん(表紙左)

ストーリー・・・山本さんは非常に引っ込み思案で人と話す事が超苦手。

       ほぼ一日中誰とも口を聞かず、笑いもしないので回りから浮いている。

       一方のジュンは明るくて社交的で人気者。

       彼のようになれたらいいな・・・と思いつつ、結果的に何もできない山本さん。

       でも、彼に勇気を貰い、思い切って告白したけど彼は転校・・・・

 

私も決して社交的だったとは言えないけど、一日中黙り込んでいたり、人と話すだけで

ドキドキしたりという経験はなかったので、正直、山本さんの気持ちがよくわからず。

でも、ジュンみたいに明るくて人気者男子に「気にされたい」と思った事はあります。

男女共学だったのは中学まで。高校は女子校で男子と縁がなく、大学はゼミが全員男子

だったのに、彼らは2年間一言も口をきいてくれず。

なーんか避けられちゃって 話しかけるとうろたえるっていうか?みんな山本さん状態?

面倒なので話すのをやめて。つまんない4年間を送りましたけどね。

 

 

 

 

 

 

 

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