畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

マックスを見て子供の頃を思い出す

2012-09-07 05:05:58 | マックス

 朝食前の朝仕事をするスベルべトーちゃんの横で朝寝のマックス。
畑の手前数百メートルくらいの場所でリードを放して駆けさせたので散歩は終り。


 大根用の畝を作るトーちゃんの脇で邪魔することも無く熟睡状態。
先日のように、立てる畝の畝間に涼を求めて入られては仕事にならないのだが。


 時折り薄眼を開けるマックスに「マックス!たまには手伝ってよー」なんて声をかける。
そして、ふと、スベルべ自身の子供の頃を思い出した。


 丁度今のマックスのように、母親が畑仕事をするのに犬のようについて歩いていたではないか。
他の子供と遊ぶことも少なく、さして手伝いにも成らないと言うのに山の畑に一緒に行っていた。


 母は自動車運転手で年中無休の父に代わり、一人で黙々と畑仕事に励み、家族に美味しい野菜を食べさせていた。
姑との確執から逃れられる場所と、時間だったのかも知れない。

 そして、秋には息抜きのキノコ採りにもやはり、子犬のように母の後を追っていた。
畑でも、そんな雑木林での息抜きでも、母はきっと私が今のマックスのように可愛かったに違いない。

 私は私で、小学校五年生の修学旅行で初めて柏崎に出かけたと言うのに、
一人で山の畑で働く母を思い出し、なぜか旅行の楽しさよりも、可哀そうだと言う気持ちが強く、
滅多に見ることのできない海の風景にはしゃぐ、仲間の輪に入れず、ポツンとしていた。

 働きに働いた母は、60歳で発病し、五年の闘病の末に亡くなってしまった。
小柄で華奢な身体なのに、山の畑へ続く急坂を、肥樽さえ背負って登るような過酷な労働がたたったのかも知れない。 

 子犬のように母にまとわりついていた私もいつか、母の亡くなった年齢になってしまった。
みんな、みんな遠い追憶の彼方の事になってしまった。
来年は、母の三十三回忌のような気がする。もう一度記憶と記録を整理して調べて備えなくてはならない。

コメント (10)
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