畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

胡桃と小女子と

2014-02-03 05:57:14 | 食べ物

 妻が、一人暮らしの隣村のオバーちゃんを訪ね、剥いた「胡桃」を頂いて来た。
焼き立ての焼き芋をお届けし、そのお返しとして貰った来たものだ。

 オバーちゃんは、かなり前になるけれど、息子と連れ合いを相次いで亡くされて一人暮らし。
息子さんが自宅で、突然死という形で亡くなられて時、夫婦と娘達二人でお悔みに伺った。

 店を持たず、家電製品の修理と注文販売をしていた息子さんは人柄も良く便利な存在だったのです。
そして、娘達二人も可愛がってもらっていて、一人息子である彼にお別れがしたかった。

 一人息子を亡くされて間も無く、落胆されたことが原因かオジーさんも後を追うように亡くなった。
その際はお悔みには伺った記憶も無いけれど、お気持ちを思い焼き芋をお届するようになっていた。

 オバーちゃんが丹念に炒って実から取り出した胡桃の実は大粒で上々の品質。
そう言えば、山の畑に通う際にオバーちゃんの三輪自転車が停まっているのを見かけたっけ。

 辛苦して拾い集め、丁寧に剥いた胡桃は妻の手で美味しく変身した。
炒った小女子と胡桃を甘いタレで絡み合わせ、ゴマを振ったものだ。

 香ばしくて、素朴で優しかった彼を思い出させるような味。
ポツリ、ポツリと食べながら酒を酌む。


 さて、そんな食べ物が出来た日に夕食のテーブルに出た一品。
スベルべが山で採ったゼンマイがメーンの「ゼンマイ煮」。
出汁に使った煮干しも見えるけれども、簡単な味付けの素朴な味です。


 我が家の、一度ならず雪を冠った甘いキャベツ。
そのキャベツを茹でて、生姜醤油を掛けただけのものだけれどもその甘い事。


 なんだまた酒のツマミかと思われるかもしれないけれどスベルべトーちゃん作の「牛筋牛蒡」。
先日、従兄と呑んだ際に持参したおつまみの残りです。

 牛筋を適当な大きさに切り分け、水から煮てアクを少しずつ掬い出す。
ニンニク醤油を少し垂らして、次にアク抜きをした大きなコンニャクの塊を手でちぎって入れる。

 しばらく煮て、味を調え次に乱切りにした牛蒡をたっぷりと入れる。
牛筋はこだわるわけでも無いけれど、国産と表示してあるものを見つけては買い求める。

 こんな食べ物で色々な思いも噛み締めながら日本酒を酌む。
老境に入りつつある夫婦の夕食は、二人で別々の酒を酌み交わしながら静かに進む。
冬の静かな静かな夕食のテーブルです。
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