
先日、見知らぬ出版社名から2冊の本が届かいた。
二つの荷物に分かれていたが、その後著者への問い合わせで手違いとわかる。
取り出した本を見て、すべての事情が一瞬にして分かった。
ベトナムに住むこと30年近い、小中学校の同級生の労作である。
彼女の一冊目の出版物は、新潟から母をベトナムに呼び寄せて介護する話で、松坂慶子さんが主演の「ベトナムの風に吹かれて」と言う題名で映画化されて大きな反響を呼んだものでした。
彼女がベトナムに渡ったのは、日本語の教師としての仕事のためでした。
その日本語の教室で、残留日本兵の遺児に出会い衝撃を受けて調査を始めます。
彼女の努力は苦労の末に少しずつですが成果を見せてつながりも生まれる。
そんな彼女の努力が実を結んだのが1997年の天皇陛下御夫妻のベトナム訪問時の事。残留日本兵がベトナムに置いて帰らざるを得なかった家族、妻や子供たちと陛下御夫妻との面談が実現し、彼女小松みゆきが紹介役を務めたのです。

裏表紙には古い、集合写真が使われていました。
ベトナムに残留したのは兵士ばかりではなく、商社・金融関係者の民間人もいた。
フランスとの独立戦争を主導した「ベトミン軍」にリクルートされた人もいた。
色々な事情があり残留の理由は一概に語られるものではないらしい。
その後の日本政府の政策で日本への引き上げが始まったが、家族をおいて帰国せざるを得ない人たちが多かったらしい。

表紙の次のページ、目次です。
本の題名のエピソードも書かれていますが、遺児が訪日し亡くなっていた父の家族から、手渡された腕時計が、ある時突然動き出したという事実からです。
早速彼女にお礼のメールをすると、早速返信があった。
遺児との出会いから、何とかしたい、してあげたいという気持ちが彼女を動かした。
「今しか書けない、今だから書ける、今なら書ける」の気持ちが彼女を動かした。
フランスからの独立戦争、むそしてあの苛烈なベトナム戦争と翻弄された人々。
彼女はメールで、遺書という気持ちも込めて描いたと説明してくれた。
一人でも多くの日本人に読んでいただき、戦争という悲劇を思い、平和の意味をかみしめたもらいたい。こな読後感の本です。