畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

新聞掲載「先輩を偲んで」

2020-06-19 07:56:59 | 暮らし

   先輩を偲んで(その1)

 先輩の死を友達が教えてくれた。
すぐに駆けつけようかとも考えたが、少し時間を置いて落ち着いた頃、お参りに行く事にした。

 そして先日、四十九日も終えた頃を選び訪問した。その先輩は私の同士であり、言葉は古いが戦友であり、遊び友達でもあった。


 生き方、遊び方、仕事と何でも教えてくれた。同士、戦友というのは雪国と首都を結ぶ主要路線を、二人で雪害から守ったことからである。 前にも書いたが、就任早々の当時の高木国鉄総裁をロータリー除雪車に御乗せした際もコンビだった。それぞれが責任者として乗務し、一緒に乗ることはまれだった。


 「冬期ラッセル分駐」と言う、二人の冬だけのコンビは四年間続いた。気も合ったが何日も降り続いた雪との戦いに疲れ果て、互いにストレスの末に喧嘩もした。二十歳近くも年齢が離れているというのに、対等に扱ってくれたのであろう。


 御自宅を訪問するのは、三十年も前に交通事故で亡くなられた、当時高校生の息子さんの葬儀以来である。あの時も涙一つ見せず、先輩のその気丈さに驚かされたものだった。

        (続く)

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