予算屋(その2)
現金を扱うわけではなく、決算は事務屋さんの手を通じて支社が決算するシステム。
現金での買い物だったら残金も目に見え、管理も簡単。使い過ぎなど起こるべくもない。しかし、数値的な管理だとここが難しく、しかもその時代はパソコンの導入以前の事であり、電卓一つで管理をしていたのだった。
支社から年初に予算の通達があり(その後生じた理由により補正予算のようなものもあったが)その予算を前年立てた計画に従い、修繕工事から保守用機械の維持管理に配分し、計画的に消化していく。
「決算見込み」と呼ばれた、中間決算の確認調整などで間違いのないように予算管理を進めていく。
その「決算見込み」の資料作成に追われ、最終電車で帰ることも多く、帰宅して夕食の後に就寝するのは午前0時と言う事もしばしば。家内には「先に休んでいて」なんて連絡していたものだ。
仕事を覚えるとともに悪いことも覚えましたね。いわゆる裏帳簿の操作、裏金作りさえしました。いえ、決して個人的なやり繰りではなく、事務屋さんと結託して、極度の節約を強いられた事務用品の購入などのためではありましたが。
(続く)