畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

新聞掲載「先輩を偲んで」(その2終わり)

2020-06-20 04:50:37 | 暮らし

       先輩を忍んで(その2終わり)

 しかし、よほど落胆されたのであろう。「おい、親父さん、お袋さんと一緒で良いから婿に来てくれよ」なんて半

ば冗談、半ば本気で言われたことも思い出す。


 訪問はしたけれど、面識の無い私を、奥様と、そしてお婿さんを迎えられた娘さんは、歓迎して下さった。

話してみると、どうやら先輩から私の話題を聞かされていたようである。良い話か、悪い話かは判らないが。


 私の麻雀の先生でもあり、その事も話題になった。

奥様は麻雀牌を棺に入れようかとも、一瞬考えられたそうである。

私と同じ麻雀のタコが指に有った事をふと、会話の途中で思い出した。


 次々と共通の思い出話が出て、時の経つのも忘れ長居をしてしまった。

今度は我が家で、先輩の思い出話をする事を約束し、最後にもう一度遺影に手を合わせ、お別れをした。


 私の青春の一コマ、ラッセルと麻雀。一つの時代が完全に終わってしまったのだと思った。

       (終わり)

コメント
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