信号雷管(その1)
今でこそ規程・規則の変更、高性能の無線機の登場で使われなくなったが、
一時期レールに装着して列車を大音響で止める役割の、
信号雷管は線路警備の必需品であった。
爆発物の一種でもあり、試験で使用する際も警察、そして消防署への届け出は欠かせない条件だった。
製造年度毎に管理され、古いものから順に毎年春の列車防護訓練に使用され、効果の確認がされていた。
後年はモータカーによる効果試験などもあり、踏み付ける重量が軽いため爆発しない物もあり雷管の処理に難渋したものだ。
私が線路班に採用になった昭和四十年代の初めは、営業列車の貨物列車によって効果試験を行なっていた。
私が採用になった年の事である。ようやく複線化が終わったばかりの営業線で効果試験が行なわれた。
もちろん効果試験の実施される貨物列車はあらかじめ指定され、打合せは済んでいる。
(続く)