呼吸するように嘘を吐く女は 男に惚れた
誘われ渡った大陸で 女は男に売られた
どうせ親にも売られた身 嘆きはしない
それでも逢いたい
女は客を殺し 女郎の稼ぎ頭を殺し 金を奪って 自分を捨てた男を追う 男達に体を開きながら
そうして愛も見失う
いかな美貌もやがては衰える 体もボロボロになるだろう
その時 女に何が残るのか
いつか破滅の沼に沈むだろう
悪い男に魅かれる女は長生きできない
そして誰も幸福にできない
なまじな美貌
そして女は次の街にも死を運ぶのだ
呼吸するように嘘を吐く女は 男に惚れた
誘われ渡った大陸で 女は男に売られた
どうせ親にも売られた身 嘆きはしない
それでも逢いたい
女は客を殺し 女郎の稼ぎ頭を殺し 金を奪って 自分を捨てた男を追う 男達に体を開きながら
そうして愛も見失う
いかな美貌もやがては衰える 体もボロボロになるだろう
その時 女に何が残るのか
いつか破滅の沼に沈むだろう
悪い男に魅かれる女は長生きできない
そして誰も幸福にできない
なまじな美貌
そして女は次の街にも死を運ぶのだ
若い頃 添えなかった男の後添えとなって数年で相手は死んだ
なさぬ仲の末娘おみちと共に 長男夫婦から追い出され 家を捜し小間物屋を始めることにしたけれど
ご近所には凄い女が住んでいて
おみちの恋
義理の子供たちのあれこれ
生きていくって 何て厄介
でも ま 頑張るっきゃないんだわ
いい事もあるはずだもの ねえ・・・
その国は美女によって若い王子を骨抜きにしたかった
だが―
王子にも好みがあり 送り込んだ姫は やたらと淫乱だった
自分の魅力を試す為だけに 相手構わず誘惑の手を伸ばした
誰かが何処かで見ているのだとは 考えてもしなかったのだろう
全てを見ていた月は眠り おおらかな太陽が昇る
リュディーネを相手に 亜依香は タチのよくない冗談を始めようとしていた
「そうなの 最初兄はね 女の子と思われていたのよ だから両親も女の子の用意をしていたのね
そうしたら半年すぎたあたりで 男の子ってわかったんだって
ま 私が生まれたから 準備した女の子の品も無駄にはならなかったのだけど
ね ね 原因は判る?」
窓際でコーヒーを飲んでた一郎がたまりかね声をかけた「亜依香」
きょとんとしてるリュディーネに 「お腹の中にいる赤ちゃんの性別を お医者様がみわけるのは―男の子にはついてる部分でなのよ だから兄貴のはきっと成長が遅い・・・」
亜依香の頭に一郎の軽い拳骨が落ちた「いった~い!何よ 」
「でね こいつの下品なオチは こう続くんだ 大器は晩成す―というけれど妹として とても心配だ―」
一郎は大きく溜め息をつく
「亜依香さんて 面白い人なのですね」 楽しそうにリュディーネが笑う
「あのね こいつのは品が悪くて凶暴なんだ」 一郎が言い終わらぬうちに 背中に亜依香の蹴りが決まった
「おかげで少々蹴られても平気な頑丈な人間に育ったんじゃない」
「俺はお前の甥や姪が気の毒だ こんなガサツ女を叔母に持つなんて」 一郎は今度は殴られる前に身をかわした
「ちっ惜しい」と これは亜依香
史織は夜余り眠れず朝になって眠りについたので まだ横になっている
カシムとアラディン アリブは公務があった
そこで一郎 亜依香 リュディーネは朝食後のんびりしていた
小川は日本へ連絡入れている
一郎はモバイルのでパソに原稿打ち込み―一応は仕事しながら妹と同じ部屋にいる
やたら広いのでかたまっている必要はないのだが
「妹の悪影響がリュディーネ姫に及ばないようみはっている」のだと一郎は言う
今朝はリュディーネを護衛する女性武官ダーラ・ファティマも控えているが 彼女は余りまだ会話に加わらなかった
きりりと一つにまとめた髪型が整った顔に似合っている
一郎は密かにダーラを観察していた
と言っても この男場合 観察するのは習癖のようなものだ
両親 妹 周りの人々
眺めているだけで楽しいのだった
しかし見られている側は気持ち良くない
かと言ってダーラの立場では注意もできない
幾らその視線が勘に触っても
睨みつけると微笑みを返された
―妹さんが蹴りいれたくなる気持ち分かるわ― ダーラは思う
こたえない男なのだった
エブリン宛の贈り物の中に毒キノコが!
知らずに食べた友人が死んだ
犯人は恋人につきまとうストーカーだろうか
それとも死に神は本当は・・・
病院の合併話
様様な思惑の中でみえてきた犯人は
研修医エブリンが活躍するシリーズです